

ももさんには、これまで誰にも言わなかった言葉がある。
「死にたい」。
ある夏、ひょんなことから旅に出たももさん。
それぞれに生きづらさと折り合う7人と出会いー。
「死にたい」自分を肯定していく、1週間の物語。
【あらすじ】
ももさん(25)には友達もいる。少し離れた所に住む両親とは時々ご飯を食べるし、特に付き合いたくないゾーンではない彼氏とデートを重ね宅飲みをする。職場で理不尽な得意先の電話にちゃんと謝るし、飲み会では社会人としてのスルー力が毎分毎秒試される。そんな“一般的”な日々の中で、ももさんは自分が「死にたい」気持ちを抱えているなんて気付きもしなかった。ももさんにとって「死にたい」は、自分なんかが言ってはいけない言葉だった。
ある夏。月曜日の朝が来ることが耐えきれず、会社を休んだももさんは、SNSで繋がった“死にたい”気持ちを抱えながら生きる人=「パパゲーノ」たちを訪ねて旅に出る。彼らと出会い“死ぬ以外”の選択肢を知っていくももさん。しかし、あるパパゲーノの言葉をきっかけに、ももさんの心に再びざわめきが生まれー。
【企画の背景】
ももさんが出会う「パパゲーノ」とは、「死にたい気持ちを抱えながら、その人なりの理由や考え方で“死ぬ以外”の選択をしている人」のことです。オーストリアのメディア研究では、こうした経験を持つ人のストーリーを伝えることが、自殺を思い留まる抑止力になることが示され、オペラ「魔笛」の登場人物に準え「パパゲーノ効果」と呼ばれています。
「もも」という名前は、NHKが運営するサイト「自殺と向き合う」に、日々寄せられる「死にたい」「生きるのがつらい」という投稿の中で、最も多く使われるニックネーム。本作では、主人公・ももさんの人物像や、ももさんが出会う「7人のパパゲーノ」たちの生きざまを、寄せられた投稿や、当事者の方々への取材を元に描きます。
【出演】
伊藤沙莉 / 主人公・もも 役
※NHKドラマ初主演
都内で働く25歳。「死にたい」気持ちを言葉にできず、毎日を過ごす。
(伊藤沙莉さんコメント)
今その場に立っているのがやっとだったり 立っていられることがむしろきつかったり
逃げ出したくなる、消えてしまいたくなる瞬間はあります。
きっと誰にでも大小問わずあると思います。
そう言う時に背中を押したりとか、喝を入れたりとか
そういうことじゃなく、ただ寄り添えたら、少しでも、1人じゃないって思えたら、
少しは、本当にほんの少しは、楽になれるんじゃないか。なってほしい。
そう言う気持ちがありながら やり方がわからない無力さや不甲斐なさから また同じループに陥る。
そんな時、巡り会えた作品だと思いました。
ふっと差し込まれた時、差し込まれそうな時、この作品を観て元気とかそういうのはまず置いといて
なんとなくでいいから人生に対して続けてみようとか 楽しいのかもしれない、気になる、とか
そう言う気持ちが生まれることを祈りつつ 真摯に向き合い、挑戦したいと思います。
1人でも多くの方々に届くことを願っています。
山崎紘菜 / 玲 役
一人目のパパゲーノ。都内のIT企業を辞め、とある田舎の農園で暮らす。
染谷将太 / 雄太 役
二人目のパパゲーノ。「自分のことがよく分からない」。ももと出会い、ともに旅することに。
中島セナ / 越智芽衣子 役
三人目のパパゲーノ。高校2年生。吹奏楽部に所属していたが—。
平原テツ / おむすび 役
四人目のパパゲーノ。40代、コンビニのアルバイト店員。「楽しい事なんか見つけらんないだろ人生」。
野間口徹 / りょうパパ 役
五人目のパパゲーノ。仕事が生きがい。だけど、仕事が苦しい。
浅野和之 / 山口 役
六人目のパパゲーノ。河川敷やネットカフェで暮らす。ももが旅のすべてを話す人物。
池谷のぶえ / 津田 役
七人目のパパゲーノ。ももの母・裕子が慕う、占い師。ある夏の月曜日、ももの行く先を占う。
橋本淳 / 中原 役
ももと付き合い始めて2日目の彼氏。日曜日の夜、2人は言い合いに。
堀内敬子 / ももの母・裕子 役
ももの母親。占いにはまっており、占い師の津田が師匠。
【作・加藤拓也コメント】
とくによくある日々ととくによくない日々が半分半分くらい、つまり
フィクションなようで、フィクションじゃなさそうな所が半分半分くらい存在している
作品になりそうです。監督はドラマ初監督らしいので、では折角なので好きなようにしてください
とお伝えします。ここで。良い作品になるといいなと思ってオンエアの日を待っています。
【演出・後藤怜亜コメント】
普段は福祉番組を制作しています。5年半の間、「死にたい」「生きるのがつらい」という気持ちを抱える方々のお話を聴かせて頂き、一緒に過ごしてきました。その人なりの理由や考え方で“死ぬ以外”の道を歩む人たちのライフストーリーには、つらい状況にある方を思いとどまらせる抑止力“パパゲーノ効果”があるとされていますが、長く苦しい夜を幾度も越えてきた人たちの言葉にずっと助けられてきたのは、他でも無い私自身です。独り占めにするにはあまりに豊かでかけがえのない、その人たちと共に生きる時間を、ドラマというかたちで共有したいと思い至りました。脚本の加藤拓也さん、素敵なキャストの皆さん、フィクションとノンフィクションを跨ぐ制作チームの総力で、嘘のない物語を目指しています。
特集ドラマ「ももさんと7人のパパゲーノ」
【放送予定】
2022年8月20日(土)よる11時~11時59分 [総合]
【作】
加藤拓也
【音楽】
田中文久
【出演】
伊藤沙莉 染谷将太 山崎紘菜 中島セナ 橋本淳 野間口徹 平原テツ 池谷のぶえ
堀内敬子 浅野和之ほか
【制作統括】
渡辺由裕 尾崎裕和
【プロデューサー】
倉崎憲
【演出】
後藤怜亜
■相談窓口(悩みや思いを誰かに相談したくなった時、聞いてくれる窓口があります)
●【#いのちSOS】0120-061-338
→月・木 午前0時~夜12時(24時間)/ 火・水・金・土・日 午前8時~夜12時
(※日曜 午前8時~月曜 夜12時まで、水曜 午前8時~木曜 夜12時までは連続対応)
NPO「ライフリンク」による電話相談窓口。
「お金も仕事も失った」「どこに相談すればいいか分からない」「何に悩んでいるのかも分からない」、それでも構いません。専門の相談員が、あなたの状況を一緒に整理し必要な支援策などについて一緒に考えます。
●【東京いのちの電話(年中無休24時間対応)】03-3264-4343
→ひとりで悩んでいる人たちのために電話やインターネットを通じて相談を行っています。
●【よりそいホットライン(24時間)】0120-279-338 ※岩手・宮城・福島県からは 0120-279-226
→どこからかけても無料の電話相談です。暮らしの困りごとや悩み、DV・暴力に関する相談、セクシュアリティ・ジェンダーに関する相談、死にたいほどつらい方、災害で被災された方、10代・20代の女性など、場合に応じた窓口があります。
外国語でも相談できます。(※対応言語のスケジュールはHPに掲載しています)
<SNSでの相談窓口もあります>
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★月・金:午前11時~午後4時30分(午後4時まで受付)/ 午後5時~夜10時30分(夜10時まで受付)
水・土:午前11時~午後4時30分(午後4時まで受付)
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<対象者が18歳以下の場合 以下の窓口もあります>
●【チャイルドライン(毎日 午後4時~9時)】0120-99-7777 (※全国共通・無料)
→050で始まるIP電話は、つながらないことがあります。
→18歳までの子ども専用の電話相談です。困っているとき、悩んでいるとき、なんとなく誰かと話したいとき・・・どんなことでも一緒に考えます。名前は言わなくても構いません。秘密は守られます。
※携帯電話(スマートフォン)、公衆電話からも無料。公衆電話からかけるときは、最初に硬貨を入れて下さい。通話が終わると硬貨は戻ってきます。
※チャットでも相談も受け付けています。チャットをしている日はHPにカレンダー掲載しています。
(時間:午後4時~9時まで)
■関連のホームページ
「わたしはパパゲーノ」特設サイト →実際の「パパゲーノ」な人たちを取材した動画や記事を掲載しています。