大河ドラマ「べらぼう」作・森下佳子 × 主演・横浜流星 蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描く!

親なし、金なし、画才なし…ないない尽くしの生まれから
“江戸のメディア王”として時代の寵児(ちょうじ)になった快男児・蔦屋重三郎(つたや・じゅうざぶろう)。

天下泰平、文化隆盛の江戸時代中期。
喜多川歌麿(きたがわ・うたまろ)、葛飾北斎(かつしか・ほくさい)、山東京伝(さんとう・きょうでん)、滝沢馬琴(たきざわ・ばきん)を見いだし、
日本史史上最大の謎のひとつ“東洲斎写楽”を世に送り出す──。

放送100年を迎える2025年に描くのは
日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築き
時に“お上”に目を付けられても“面白さ”を追求し続けた人物
“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯。
笑いと涙と謎に満ちた“痛快”エンターテインメントドラマがはじまります!

蔦屋重三郎が出版した浮世絵 /(左)東洲斎写楽画「三世大谷鬼次(さんせい おおたに・おにじ)の奴江戸兵衛(やっこえどべえ)」(右)喜多川歌麿画「婦女人相十品(ふじょにんそうじっぽん)」ポペンを吹く娘蔦屋重三郎が出版した浮世絵 /(左)東洲斎写楽画「三世大谷鬼次(さんせい おおたに・おにじ)の奴江戸兵衛(やっこえどべえ)」(右)喜多川歌麿画「婦女人相十品(ふじょにんそうじっぽん)」ポペンを吹く娘

 


   
作・森下佳子

<プロフィール>
2000年脚本家デビュー。
代表作に「世界の中心で、愛をさけぶ」「JIN -仁-」「義母と娘のブルース」「天国と地獄~サイコな2人~」
連続テレビ小説「ごちそうさん」大河ドラマ「おんな城主 直虎」ドラマ10「大奥」など。
第32回向田邦子賞(「ごちそうさん」)、第22回橋田賞受賞。
 

執筆によせて

「つた重って知ってます?」と制作統括の藤並さんからお電話をいただいたのは昨年のこと。
むかーしにミッドタウンで展覧会やってたあの人かなぁ、確かキャッチは「江戸のぴあを作った男」だったっけ。私も情報誌の編集をしてたので、興味をひかれて覗のぞきに行ったことを思い出した。その時は「映画にする人いそうだな。面白いおっちゃんだし、吉原なら画面華やかだし」と思って帰ったのでした。
だから、今回のこの企画を聞いて、藤並さんはどうかしてるんじゃないかと思った。2時間じゃなくて50時間もかけてやると言う。合戦もない、もちろん天下もとらないし非業の死を遂げるわけでもない、畳の上で脚気(かっけ)で死ぬ本屋のおっちゃんの人生を。「何やるねん」……きっと、のっけはそういう印象を持たれるんだろうなぁと覚悟している。だって、私もそう思ったから。
でも、今の私はこの時代に夢中だ。つた重の作り出した黄表紙や洒落本(しゃれぼん)の面白いこと、錦絵のすばらしいことはもとより、その作者たちもそれぞれ極めて個性的。でも、作品や逸話にほの見える心中には物書きの端くれとして、どうしたって共感してしまう。周辺も面白い。光と闇を抱え込む吉原の文化・役者の世界、跋扈(ばっこ)する伝説の泥棒、五千石心中、そして報われぬ天才・源内。その大きな背景には近づいてくる異国がある。成り上がり田沼意次(たぬま・おきつぐ)とサラブレッド松平定信(まつだいら・さだのぶ)、怪物 一橋治済(ひとつばし・はるさだ)がうごめくきな臭い政治の世界がある。そこに群がる有象無象や悪党たち。天災、思惑、野望、罠わな、暗殺、暴動、転覆!
「戦」がなくなった時代だからこそ、いかに生きるかどう生きるか、己の価値、地位、富の有無、誇りのありどころ、そんなものが新たな「戦」としておもむろに頭をもたげだした。それがつた重の生きた時代だ。そのうねりの只中(ただなか)で、波を読み、波に乗り、あまつさえ作り出し、そしてのまれた、つた重。その彼が溺れもがく中で最後に世に放ったのが「写楽画」という謎の産物なのだ。そこには一体どんな思い、どんな意味があったのか……。きっと明確な答えは存在しない。現実の所業であるかぎり、理由は一つなんてことも考えにくいだろう。でも、だからこそ、興味は尽きるところがない。つまり夢中だ。
というわけで、今の私は自分が夢中になったように皆さんにも夢中になってもらえるとうれしいなと思っています。要はそんなドラマを目指せばいいんだなと考えています。問題は、私にそれができるかどうかだってことも自覚しております。
至らぬところも多いかと存じますが、私なりに力を尽くしますので、皆様には、何卒(なにとぞ)お引き立てのほど、よろしくお願い申し上げる次第にございます。
 


   
主演・横浜流星(よこはま・りゅうせい)

横浜流星

蔦屋重三郎(つたや・じゅうざぶろう)役

<プロフィール>
1996年神奈川県出身。2011年俳優デビュー。近年の出演作はドラマ「初めて恋をした日に読む話」(19)、「私たちはどうかしている」(20)、「着飾る恋には理由があって」(21)、「DCU」(22)、「新聞記者」(22/Netflix)、映画「きみの瞳(め)が問いかけている」(20)、「嘘喰(うそぐ)い」「流浪の月」「アキラとあきら」「線は、僕を描く」(22)など。第4回アジアコンテンツアワード ニューカマー賞、第14回TAMA映画賞 最優秀新進男優賞、第47回報知映画賞 助演男優賞、第46回日本アカデミー賞 優秀助演男優賞などを受賞。
大河ドラマおよびNHKドラマは初出演。
 


   
◆物語

蔦屋重三郎(1750-1797)

18世紀半ば、人口は100万を超え、天下泰平の中、世界有数の大都市へと発展した江戸。蔦重こと蔦屋重三郎は、江戸郊外の吉原の貧しい庶民の子に生まれ、幼くして両親と生き別れ、引手茶屋(ひきてぢゃや)の養子となる。血のつながりをこえた人のつながりの中で育まれた蔦重は、貸本屋から身を興して、その後、書籍の編集・出版業をはじめる。
折しも、時の権力者・田沼意次が創り出した自由な空気の中、江戸文化が花開き、平賀源内など多彩な文人が輩出。蔦重は、朋誠堂喜三二(ほうせいどう・きさんじ)などの文化人たちと交流を重ね、「黄表紙本」という挿絵をふんだんにつかった書籍でヒット作を次々と連発。33歳で「江戸のシリコンバレー」こと、日本橋通油町(とおりあぶらちょう)に店を構えることになり、“江戸の出版王”へと成り上がっていく。
蔦重が見いだした才能は、喜多川歌麿・山東京伝、葛飾北斎、曲亭馬琴、十返舎一九といった若き個性豊かな才能たち。その多くは、のちの巨匠となり日本文化の礎となっていく。
しかし時世は移り変わり、田沼意次は失脚。代わりに台頭した松平定信による寛政の改革では、蔦重の自由さと政治風刺は問題になり、財産の半分を没収される処罰を受ける。周囲では江戸追放や死に追いやられるものもあらわれる…蔦重は、その後も幕府からの執ような弾圧を受け続けるが、反権力を貫き通し、筆の力で戦い続ける。そんな中、蔦重の体を病魔が襲う。
命の限りが迫る中、蔦重は決して奪われない壮大なエンターテインメント「写楽」を仕掛けるのだった…。
 


   
◆制作にあたって

制作統括・藤並英樹

“べらぼう”とは、そもそも「たわけ者」「バカ者」という意味でした。それが時を経て、「甚だしい」「桁外れな」という「普通を超える」さまを表す言葉に変化。江戸の言葉の「べらんめえ」の語源ともいわれています。
その周囲には常識外れにしか見えない発想・行動から、蔦屋重三郎はきっと「べらぼう奴め!」と罵られていたことでしょう。しかしその扱いは時代の寵児へと変わっていきます。そんな重三郎に親しみと尊敬を込めた言葉として「べらぼう」と名付けました。
蔦屋重三郎が生きた1700年代の江戸時代は、町民文化が花開いた時代です。かつて映画やドラマなどさまざまな映像作品や物語で描かれてきた“時代劇”の時代。「べらぼう奴め!」といわれながらも八百八町の江戸を舞台に躍動する蔦屋重三郎を主人公に、市井の人々の生きざまや喜怒哀楽を描く娯楽時代劇を、放送100年の節目にお届けしたいと思います。
 

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