パラバドミントン21歳無敵のエース 梶原大暉!谷真海が直撃取材

東京パラリンピック金メダリストで世界ランキング1位の梶原大暉選手21歳(11月12日時点)。公式戦93連勝中と敵なしの強さを見せる、パリパラリンピック主役の1人です。その強さの秘密に迫るべく、東京で行われた国際大会を谷真海さんが取材しました。(サンデースポーツ 2023年11月12日放送)

(※2023年12月1日スポーツオンライン掲載)

谷さん:入ってきましたね。いよいよです。

東京大会以降シングルスで公式戦無敗の強さを誇る梶原選手。決勝の相手は、世界ランキング3位の強敵、陳浩源選手(香港)です。

まず目に留まったのが、梶原選手の強烈なショット。序盤から次々に決まります。

谷さん「すごい!強烈ですね。上半身がバネのような感じで、インパクトも強いし。座った状態であのスピードはすごい」

梶原選手の上半身の強さを培ったのが、少年時代に打ち込んだ野球です。ピッチャーとして甲子園を夢見ていましたが、中学2年生のときに交通事故に遭い、右足のひざから下を失いました。失意の中、始めたのが、野球の投球動作に似ていると感じたパラバドミントンでした。

<梶原選手>
「変わらず野球は大好きなんですけど、それと同じぐらい好きなものに出会えて、没頭して活動できているので、パラバドミントンに出会ってから人生が変わったと思いますね」

パラアスリートとして踏み出した第2の人生。追い求めてきたのは、勝ち続けることでパラスポーツの価値を高めてきた、車いすテニスの国枝慎吾さんの姿です。

<梶原選手>
「勝たないと興味を持ってもらえない。(国枝さんは)パラスポーツの第一人者だと思うので、自分が次はそういう立場に、国枝さんを超えられるような存在になりたい」

レジェンドを超えるために、梶原選手が磨き続けてきたのが“チェアワーク”です。

谷さん「すごい反射神経。前後の動きが本当に滑らかで、かつ速いという感じですね」

第1ゲームを取り、第2ゲームは一進一退の攻防。梶原選手は巧みな車いすさばきで、どんなショットにも食らいつき、攻撃をしのぎます。

最後は得意のショットで突き放しました。ストレート勝ちで優勝した梶原選手。連勝を93に伸ばしました。

試合を終えたばかりの梶原選手に話を伺いました。

谷さん「93連勝、すごいなと思うのですが、チェアワークの巧みさが本当に印象に残っていて、前でも後ろでもほぼミスなく、間に合って拾っていたように感じたのですが、ご自身ではいかがでしたか?」

梶原選手「2セットをあの時間動き続けられたのは1つ自信になりますし、やってきたことが出せたかなと思いますね」

谷さん「何連勝まで目指したい?」

梶原選手「この間国枝さんが107連勝とお聞きしたのでそこを目指したいですし、それ以上。ずっと勝ち続けたいですね」

谷さん:梶原選手に今の自分を表す色を聞いたところ、冷静さを象徴する「青」と答えていました。21歳とは思えない落ち着いた試合運びが頼もしかったですね。

豊原キャスター:落ち着いていると、自覚しているのですね。佐藤さんはどうご覧になられましたか?

佐藤寿人さん:相手ではなくて自分と向き合うことで、またさらにたくましくなっているのかなと感じますね。

中川キャスター:今後が楽しみですね。

谷キャスター:そうですね。チェアワーク等の技術は年齢を重ねれば重ねるほどさらに向上していくので、本当にどこまで強くなるのか。パリパラリンピックも含めて楽しみな選手ですね。

中川キャスター:そのパリ大会に向けては、来年2月に世界選手権が行われ、3月以降に代表が決まります。