あなたが気になる“あの事件”の裏には、かならずもう一つの物語がある。
初回放送日:2022年1月25日
1967年に漫画雑誌で連載が始まり、コミックスの発行が累計2千万部を超える不朽の名作。強者に敢然と立ち向かうジョーの姿は学生運動の若者たちに勇気を与えた。劇作家の寺山修司はジョーのライバル力石の死を受けて葬儀を企画、その死の意味を問いかけた。作家の角田光代はジョーに孤独の物語を見て、マラソン選手の有森裕子はジョーと自身を重ね五輪を2度走った。人々の心を動かしてやまない“あしたのジョー”とは何者か。
1967年から少年マガジンで連載が始まった「あしたのジョー」。コミックスの発行は累計2000万部を超え、いまだに根強い支持を集める。
1960年代、東京大学と日本大学で大きなうねりとなった全共闘運動。「あしたのジョー」は、連載当時、闘う若者たちに影響を与えた。「連帯を求めて孤立を恐れず」と闘った彼らの心には“俺たちはあしたのジョーだ”という思うがあった。
劇作家・寺山修司の発案で、ジョーと死闘の末、命を落としたライバル力石徹の葬儀が、本物さながらに執り行われた。寺山は弔辞まで認め、その死の意味を問いかけた。
女子マラソンのオリンピックメダリスト、有森裕子の競技者人生は「あしたのジョー」と共にあった。バルセロナとアトランタ、2つの五輪を経て、ジョーのラストシーンが違ってみえるようになった。