■新型コロナ感染拡大 追加接種は?
新型コロナの1日の新規感染者数が全国で20万人を超えるなど、感染が急拡大しています。
そうした中、東京都保健福祉局によりますと、7月上旬には1日5000人程度だったワクチンの追加接種希望者が、今月下旬には多い時で一日8200人ほどに増えているそうです。
感染が急拡大する中、ワクチンの追加接種を希望する人が増えているようです。
ただ、あさイチでアンケートを行ったところ、追加接種に関して視聴者の方から様々な疑問や不安の声が寄せられました。
そこで、あさイチではお馴染み、ワクチンの専門家で国の委員も務めている川崎医科大学教授・中野貴司さんに話を聞きました。
■接種時期 どう判断?
最初の質問は、接種時期の判断についてです。
「今、流行しているBA.5株に対応したワクチンが開発中だと聞きました。それを待つのはどうでしょうか?」
この質問に対して中野さんは…
「BA.5に対応したワクチンは、確かにファイザー、モデルナが開発しているようです。ただ、我々が接種できるようになるのは、いつになるか分かりません。その頃には新たな変異株が出現している恐れもあります。ですので、接種を希望されるのであれば、新しいワクチンを待つことは適切ではないと思われます。」
また、これまでに感染したことがある人も、ワクチンを接種した方がいいのかという質問については、
「まだ研究の途中ではありますが、感染後にできる抗体もずっと続くわけではありません。厚生労働省としても、『感染から3カ月後』というのがひとつの目安として設定しています。」
■“ノババックス” 効果は?副反応は?
現在18歳以上の追加接種において、ファイザー、モデルナにつづく新たなワクチンの選択肢があります。それは、ノババックス製のワクチンです。今年4月から国内では承認され、接種が始まっています。ノババックスはこれまでのmRNAワクチンとは違って、長年B型肝炎ワクチンなどで使われている技術を用いたワクチンです。副反応の頻度が少ないのではないか?と3回目にこのワクチンを選ぶ人も各地で増えているそうです。
このノババックスについての質問も、視聴者の方からは多く寄せられていました
「ノババックス製ワクチンは副反応が少ないと聞いてますが、実際効果や副反応はどれぐらいあるのか知りたい。」
中野さんによると、まだ接種者が少なく十分なデータが揃っていませんが、一定の効果が見込めるということです。
「確かに、mRNAに比べると、発病予防の効果の有効率、副反応の頻度ともに低いという臨床試験の結果が報告されています。ただし、異なるワクチンを同一の研究で比較したものではないので確定的なことはわかりません。3回目接種をすればより強い免疫が備わるため、BA.5に対しても、発病や重症化の予防効果は見込めると思います。」
また、アレルギー体質で、過去にアナフィラキシーショックの経験がある人からも、ノババックスを接種してよいか?という質問もありました。
「7月8日にノババックスの説明書に、『心筋炎・心膜炎が報告されている』と追記されました。実際に、オーストラリアなど海外では報告があります。このように、ノババックスだから、アナフィラキシーや心筋炎など、重篤な副反応が起きる恐れが可能性が低いとは明確には言えません。ただ、これまでのデータを見ても、mRNAと比べると、副反応のリスクは低いようなので、もし今までのワクチンを何かしらの理由で打ちたくない、という人がいたら新たな選択肢として考えてもよいのではないでしょうか。」
アナフィラキシーショックが起きるかどうかは、パッチテストできないため、接種に不安がある際は、万が一アレルギー反応が出た場合に備えられるよう、予診医や接種医にきちんと伝えておくことも大切だそうです。
その他にも、こんな質問が番組の放送中に届きました。
Q 帯状疱疹ワクチンなどの他のワクチンと、追加接種は、どれぐらい間隔をあける?
A 2週間あけてほしい。ただし、インフルエンザワクチンは今シーズンから間隔をあける必要がなくなった。
あさイチでは、今後も引き続き新型コロナウイルスやワクチンについての取材を継続して行います。
(あさイチ新型コロナ取材班)