家族が感染 その時どうする?

NHK
2022年1月29日 午後3:11 公開

やっぱり難しい 家庭内感染への対策

あさイチで新型コロナ関連の企画を1年以上にわたって制作してきた曽原ディレクター。その家族(妻)が、先週、新型コロナウイルスに感染しました。曽原ディレクター本人と2歳の子どもはPCR検査で陰性となりましたが、濃厚接触者となりながらの子育て中の隔離・療養生活は想像以上に苦労が多いことがわかりました。取材を通して理解していても実際に経験すると困ったこと、逆に思いがけず助けられたものを当事者の視点からお伝えします。

(画像:曽原ディレクター ※自宅にて)

想像以上に困難 家庭内感染対策

曽原ディレクター(以下、曽原D)「まず、一番困ったのは2歳の息子の感染対策でした。どうしても感染している母親の近くに行ってしまうんです。私はこれまで新型コロナの感染対策について取材を重ねてきましたし、妻も看護師ということもあって知識はあるので、出来る限りの対策は心がけましたが完璧に対策するのはほぼ不可能だと思いました」

(画像:2歳の息子 「ママから離れようね」と言っても理解できず手を焼きました)

曽原家では間取りの関係で、完全に生活スペースを分けることが困難でした。そのため、感染した妻と曽原Dは不織布マスクを常時着用。換気扇をできるだけ強くまわしたり、窓を開けたりするといった換気も入念に行いました。さらに、ドアノブなどの共用のものをこまめにアルコール消毒するなど、接触感染対策も心がけていました。こうした対策を積み重ねることで、リスクをゼロにすることはできなくても、ある程度下げられる可能性はあります。

感染対策が専門の順天堂大学大学院教授・堀賢さんによると、家庭内では特に飛沫感染に気を付けてほしいそうです。

順天堂大学大学院教授 堀賢さん

(画像:順天堂大学大学院教授 堀賢さん)

専門家・堀さん「まだまだ寒いですが、窓開け以外にも、24時間換気システムや換気扇などを活用することで換気ができます。手洗いやアルコール消毒も、各自が自分の顔を触る前にきちんと行うということが習慣になっている方も多いと思います。実は、いま、現場で多く報告されているのは、感染した方のウイルスを大量に含む唾液が、目・鼻・口などに入って起きる飛沫感染なんです。飛沫感染は十分に距離をとれば防げますが、現実的には難しいと思います。大変ですが、感染している方はマスクをできるだけ常時着用すること。そして、ケアする家族は、場合によってはフェイスシールドなどを活用するのが有効です。花粉症対策用のメガネなどでも効果は期待できますので、手元にある方は活用することでリスクを下げられると思います」

堀さんによると、小さな子どもと接するときには、声をかけたくなる気持ちを抑えて、目元だけでもほほえみかけるといった表情の活用や、背中や頭をなでるといった“サイレントコミュニケーション”を普段より多めに心がけることも、リスクを減らすことにつながるそうです。

子どもの検査に四苦八苦

曽原Dが思いがけず苦労したのは、子どもの検査。適切に検体を採取するのは想像以上に難しかったといいます。

曽原D「盲点だったのは、子どもの検査です。最初に症状が出て陽性が確認されたのは妻でした。その後、私と息子もPCR検査を行ったのですが、2歳児に検査をさせるのは本当に大変でした。最初に念のため行った抗原検査では、鼻から綿棒を入れた途端に痛くて大泣き(※このときも陰性でした)。そして、PCR検査の際には、十分な量の唾液を出すことが難しく、検体採取にも苦労しました。大人ならレモンや梅干しの画像を見れば唾液を出せますが、小さい子の場合そうもいかないので、十分な量の唾液を採取するのには、かなり手間と時間がかかりました」

PCR検査に必要なだけの唾液を出すのは、大人でも大変です。子どもでも受けやすい検査方法などが開発されると、負担が減るかもしれません。

(画像:PCR検査の様子。なかなか脱脂綿がひたひたにならず苦戦しました)

便利だったもの・備えておいて良かったもの

想像以上に苦労の多い自宅療養・隔離生活ですが、思いがけず助けられたものも数多くありました。まずは、ネットスーパー

曽原D「事情を伝えれば置き配してくれる業者も増えています。親戚や知人・友人に頼むのも実際には気後れするものです。余裕があるうちにアカウントを作って、使い方を確認しておくことをオススメします」

(画像:送料は500円以下。なかなか外に行けない中とても助かりました)

そして、持病などの薬のデリバリーサービスも。

曽原D「もともと子どもが鼻づまりを起こしやすいのですが、ちょうど薬を切らしてしまいました。かかりつけ医に連絡したところ、処方箋を出してくれて、さらに薬局とも連携を取って薬を届けてくれました。お願いしてから5時間ほどで自宅に届いて、本当に助かりました」

(画像:普段と変わらない薬をすぐに処方してもらえて、とても助かりました)

ただし、番組には薬剤師の方から「現在、感染者や濃厚接触者が急増していて、きめ細かにデリバリー対応するのが難しくなりつつあります」という現場の声も寄せられました。お住まいの地域によっても異なると思いますので、もしもの時の薬の手配については、体調が良いうちに確認しておくと良いかもしれません。

(画像:KF94規格のマスク。偶然、事前にたくさん買っており安心感がありました)

家族を近くで看病するにあたっては、顔にすき間なくフィットする不織布マスクも欠かせません。不織布マスクの上から布マスクやウレタンマスクを重ねてつける2重マスクも有効ですが、息苦しさが増すというデメリットを感じる人もいます。曽原Dの家庭では、KF94規格のマスク、“ダイヤモンド型”や“くちばし型”とも呼ばれる、顔にフィットさせやすい不織布マスクを使いました。自分にあったマスクを改めて確認して準備しておくことも大事です。

加入中の医療保険も確認を!

医療保険の確認も重要です。実は、曽原Dの場合、妻が加入していた医療保険が自宅療養でも入院給付の対象になっていました。番組でお伝えしたところ、「放送を見て確認したら、私の保険も対象でした」といった声が多数寄せられました。

曽原D「通常の医療保険だけでなく、いま、新型コロナに感染した場合の“コロナ保険”も多数発売されています。改めて加入中の保険についても事前に確認しておくことが大事だと思いました」

視聴者の皆さまからの質問

Q.入浴についてはどうすれば?

A.専門家・堀さん「感染している方が最後に入浴するのが理想です その後は、浴室用の洗剤で掃除すれば、感染対策としては十分だと思います」

Q.感染した人が使っていたふとんはどうすれば?

A.専門家・堀さん「 オミクロン株は生存時間が長いというデータも報告され始めていますが、布団からの感染リスクはそもそも低く、1日もすれば新型コロナウイルスは感染力を失うと考えられます。敷布団に関しては、出来るなら天日干しをしてから使うと良いでしょう。シーツなどのリネンはきちんと洗濯すれば大丈夫です」

当事者となって改めて伝えたいこと

曽原D「私の家は、実家も離れていて、知人も子連れが多いため、気軽に買い物などを頼れる人も多くありませんでした。それでも様々なサービスを活用することで、“やっと乗り切れた”という印象です。連日、感染者が急速なペースで増えている中、自分や家族がいつ当事者になってもおかしくないと思います。いざというときに備えて、家族でどうするかをあらかじめ話しておいたり、どんな準備ができるかを確認したりしておくと、あわてなくていいと感じました。大変な時だからこそ、家族と話し合う機会を設けてみて下さい」