知っておきたい 帯状ほう疹

NHK
2021年11月1日 午後8:46 公開

コロナ禍で増加? 帯状ほう疹

複数の皮膚科医の方への取材の中で、「最近、帯状ほう疹を訴える患者が増えている」という話を聞きました。そこで、番組で事前アンケートを行ったところ、800件をこえる質問や体験談が寄せられました。これは通常の3倍ほど。あくまで番組のアンケートであって、詳しい調査データではありませんが、多くの方が帯状ほう疹に悩まれていることが伺えます。

番組に寄せられた 帯状ほう疹に関するアンケート

近畿大学医学部 皮膚科主任教授の大塚篤司さんは、コロナ禍の今こそ、要注意だと指摘します。

近畿大学医学部 皮膚科主任教授の大塚篤司さん

専門家・大塚さん「去年から若い患者さんが増えたり、重症化する患者さんが増えた印象です。新型コロナの影響下で生活が変化するなどストレスで免疫の働きが下がり、帯状ほう疹にかかる方が増えている可能性が高いのでは、と推測しています」

帯状ほう疹とは……?

実は、年間およそ60万人がかかっていて、80歳までにおよそ3人に1人がかかると言われているほど身近な病気のひとつです。

原因は、水ぼうそうウイルスです。子どものころ、水ぼうそうにかかって完治した後も、何十年も水ぼうそうウイルスは眠った状態で体の中に潜伏しています。ストレスや疲れ、加齢などで免疫の働きが低下すると、そのウイルスが再活性化して、帯状ほう疹となって現れます。主に体の片側に神経痛が現れ、その後、発疹や水ぶくれが生じるといわれています。

初期症状のチェックポイント

帯状ほう疹にかかってしまったときに大切なのは、早めの診察です。専門家の大塚さんによると、チェックポイントは3つ。こうした症状が出たらできるだけ早めに、皮膚科を受診した方がよいそうです。

帯状ほう疹 初期症状のチェックポイント

新型コロナワクチンとの関係は まだ不明

ファイザーやモデルナの新型コロナワクチンを接種したあとに帯状ほう疹になったという声も、番組には多く寄せられました。実際、日本でも、接種後の有害事象のひとつとして帯状ほう疹が報告されています。さらに、スペインでは、ファイザーのワクチンを接種したあとに、およそ10%の人で帯状ほう疹の原因となる水ぼうそうウイルスの再活性化がみられたという研究もあります。新型コロナワクチンと関係があるのでしょうか?

ファイザーの新型コロナワクチン接種後の水ぼうそうウイルスの再活性化

専門家・大塚さん「新型コロナワクチンと帯状ほう疹の因果関係までは、まだ分かっていません。このスペインの研究で報告されている10.1%という割合も、特別多いと心配する必要は無いと思います。ただ、新型コロナワクチンの接種後だけでなく、免疫の働きが低下しているときには常に注意した方がいい病気です」

予防・対策 50歳以上には任意のワクチンも

患者数が増加する50歳以上には、任意のワクチン接種があります。

50歳以上には任意のワクチン接種も

専門家・大塚さん「2種類のワクチンは有効性が異なります。また、不活化ワクチンの場合は、接種箇所の痛みやけん怠感などの副反応もあるので、かかりつけ医と相談の上、どちらを接種するのか決めましょう」

新型コロナワクチンとの間隔は、2週間以上空ける必要があるとのことです。

視聴者からの質問

視聴者の皆さまからの質問

Q.帯状ほう疹は一度かかると、もうならない?

専門家・大塚さん「ほとんどの方は2回かかることはありませんが、数%の方は再発すると言われています。1回目の帯状ほう疹から何年も経過していたり、がんの治療などで免疫の働きが低下した場合は2回目にかかる可能性があります」

Q.帯状ほう疹は人にうつる?

専門家・大塚さん「帯状ほう疹の患者さんが他の人に帯状ほう疹をうつすことはありません。ただ、水ぼうそうへの感染歴が無い人、もしくは水ぼうそうの予防接種を受けていない人は、帯状ほう疹の方から水ぼうそうウイルスに感染して発症する可能性があります」