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外国ルーツのパパママ×子育てのなやみ

NHK
2021年10月14日 午後8:30 公開

子育ては大変!外国ルーツのパパママはもっと大変!?今回のテーマは、外国にルーツのあるパパママの子育ての悩み。厚生労働省の調査によると、昨年、日本で生まれた赤ちゃんのうち、24人に1人は親が外国人。その割合は、年々増えてきている。

みんなが暮らしやすい、これからの社会を考える!スタジオには、3人の子どものママである藤本美貴さんと、アメリカ出身のホゼアさんと、ブラジル出身のヴァニアさんが登場。ホゼアさんは2002年にアメリカからやってきた。日本人の妻と結婚し、現在4人の子どもたちと暮らしている。ヴァニアさんは1995年に、ブラジルから日本へ移住。現在、2人の小学生の子どもを育てるシングルマザーだ。

日本語が難しくて、子どもの宿題をみられない

ヴァニアさんは大阪唯一の村・千早赤阪村で暮らす。仕事と家庭で忙しく過ごすヴァニアさんを手伝うリオくん、マヤちゃん。ヴァニアさんは3人で過ごす時間を大切にしている。

そんなヴァニアさんの悩みは、日本語が難しくて、子どもたちの宿題を見られないこと。日本語を話すことができても、文法や漢字の読み書きは小学生レベルのヴァニアさんは、子どもたちの宿題で、日本語の間違いに気づくことができない。「中学生になると勉強がもっと難しくなる」とこれからを心配している。

親は日本語ができて当たり前という日本社会

NPO法人で外国ルーツのある人たちに向けて日本語教室を運営する田中宝紀さんに、外国ルーツのパパママの状況を聞いてみると、「『宿題をサポートできなくて不安』という外国ルーツの親御さんはすごく多い。日本語が分かって当たり前ということが前提になって日本の学校の仕組みが作られているので、外国ルーツの保護者は苦労の連続という状況になっています」と解説した。

「親だけが必ず宿題を見ないといけないわけではない」と話すのは、2児の父親でもある、バリバラご意見番の玉木幸則さん。「できないことは学校や友達に聞いてみる、そして社会が彼らをサポートしていくことが大切だ」と話した。

「やさしい日本語」の動き

さらに、ヴァニアさんは、学校からのお便りや連絡帳など、難しい漢字が並び、意味を理解できないこともあるそうだ。

田中さんは、「やさしい日本語」が取り組みを紹介。「やさしい日本語」とは、日本語を母語にしない方や、障害のある方、小さな子どもにも分かる表現を使った日本語のことだ。例えば「授業参観」を「お父さんとお母さんが学校へ行って子どもたちが勉強するところを見ること」とするなど、難しい熟語を使用せずに分かりやすい言葉で伝えるのがポイントだ。「やさしい日本語」がもっと社会で普及すれば、ヴァニアさんのような外国にルーツのある保護者も子育てしやすくなる。

「日本人」と違うことで、子どもがからかわれる

ホゼアさんは、アフリカンアメリカンと日本の2つのルーツを大切にして子育てをしている。家の中での会話はほぼ英語。毎朝、子どもたちに英語の読み書きを教えたり、子どもたちのアフロヘアが絡まないようにヘアセットをしたりして、過ごしている。

そんなホゼアさんの悩みは、子どもたちが学校でからかわれること。次男の小学3年生のケンジくんは、アフロヘアを「トリノカラアゲ」と友達に言われたことがある。子どもたちが、次々と、これから学校でいじめられるのではないか?とホゼアさんはモヤモヤしている。

日本の社会が外国人に慣れていない

これまで1,000人以上の外国にルーツを持つ子どもたちと関わってきた田中宝紀さんはこう話す。「日本の学校に通っている外国ルーツの子どもたちの中で、いじめを経験したことがない子どもはほとんどいない。見た目が日本人とは違うこと、名前が日本風でないこと、日本語が苦手なことなど、多くの人が想定する「日本人」とは違うことがいじめの理由になってしまう。そういった経験を通じて、子どもたちは、自分が一体何人なのか?とアイデンティティの悩みを抱えてしまう」

日本の社会が外国人に慣れていないことで、外国にルーツのある親子は、日々悩むことになっているのだ。

自分たちの文化・ルーツを知ってもらうために

ホゼアさんは近所の知り合いを集め、アフリカンアメリカンに伝わるダンスのイベントを開催。自分たちのルーツと文化を「楽しいことを通して」伝えることにした。

ヴァニアさんも自宅にカフェをオープンしブラジル料理を提供。常連も少しずつ増え、地域の人やママ友とのつながりも増えているそうだ。

3人の子どもを育てているゲストの藤本美貴さんは、「最近、多様性という言葉を聞くけど、親たちがこんな人もいるんだよって子どもに伝えていければ、子どもたちが適応できるようになっていくんじゃないかな?」と語った。

外国ルーツの人たちが暮らしやすくなることは、誰にとっても暮らしやすい社会になるはず。

身近にいる外国ルーツのパパママに、まずは「やさしい日本語」で、明日声をかけてみませんか。