クイズ#ふつうアップデート スゴい研究SP(2)

NHK
2023年3月31日 午後5:00 公開

世の中のふつうをアップデートするシリーズ企画。障害のある人の困りごとから生まれたスゴい研究に関するクイズを2週連続で出題!

支援機器の開発者と障害のある人が交流できるイベント会場に潜入!「車いすユーザー自身が開発した“スゴい車いす”に搭載した機能とは?」「指先が振動する手袋型デバイス、どんな人に向けて開発された?」といったクイズを会場から出題。また、支援機器を体験した障害当事者の声を通して、世の中の「ふつう」について考える。

<番組の内容>

▶︎ニーズ・シーズマッチング交流会

▶︎車いすのアップデート

▶︎指点字をデジタル化するウェアラブルデバイス

▶︎ベッドの上で風呂に入る方法

<出演者>

西畑大吾(なにわ男子)

あの(アーティスト)

哲夫(笑い飯)

西田幸治(笑い飯)

レモンさん(番組MC)

玉木幸則(番組ご意見番) 

あずみん(番組コメンテーター)

<VTR>

世の中の「ふつう」をちょっとアップデートするシリーズ企画、「ふつうアップデート」!

2週連続でマイノリティーの困りごとから生まれたスゴい研究や発明をクイズで出題! 

前回に引き続き、解答者はこちらの3組。

ここまで4ポイントで同点! 後半戦、第1問はこちらから。

中嶋「こんにちは、自称イケイケ車いすインフルエンサーの中嶋涼子です」    

ヴァギー「まんまる愛されボディのベビー・ヴァギーです」

中嶋「今日は福祉機器の開発者と当事者のマッチング交流会にきています」

ヴァギー「マッチング〜〜」

2人が訪れたのは、「ニーズ・シーズマッチング交流会」。

62の企業や開発者が、マイノリティーに向けた最新の支援機器を展示している。

ということで、第1問!

中嶋「車いす乗ってみたい」

ヴァギー「車いすあったよ。すごいよ、エヴァンゲリオンみたい」

中嶋「色がかっこいい」

初号機色の車いすを発見。開発したのは、自身も車いすユーザーの芝崎泰造さん。当事者として、どうしても欲しかった機能を搭載したんだそう!

ここで問題!芝崎さんが車いすに搭載した機能とは、一体なに? 回答時間は20秒、挙手でお答えください!

<スタジオ>

レモン:はいどうぞ! それでは西田くん。

西田:こう、ガーっと坂を降りた時、車輪が回っているところで大根がおろせる。

西畑:フットレストのとこ、マッサージ機能がついている。

あの:坂道下って、空飛べる!

<VTR>

中嶋「これどんな車いすなんですか?」

芝崎「デモンストレーションさしてもらいます。まずは、オレンジのレバーを握って、両手でプッシュアップしてもらいます」

中嶋「すごい、浮いた浮いた。すごい」

芝崎「手が届きにくくなるので、次はグリーンのレバーを握ってハンドルを上に引き上げます。もう一度オレンジのレバーを握ってもう一回プッシュアップ」

中嶋「すごい。立った!」

正解は、「座面の高さを自由に調節できる機能」。全員不正解!好きな高さに設定して動けるため、高いところのものを取ったり、洗い物ができたり…。

「車いすは、座って乗るのがふつう」を、「立って乗るのもふつう」にアップデート!

開発者と当事者のマッチングが目的の、このイベント。当事者は、実際に機器を体験して、開発者と意見交換ができる。ということで、中嶋さんが座面の高さを変えられる車いすに乗ってみた。

芝崎「転がってみてください。こげますよね」

中嶋「違うわ〜、ちょっと気持ちいい。偉くなった気分。上からですね目線が」

芝崎「健常者のころに比べて目線が下がっちゃうっていうのが一番の障壁ですからね。目線が上がるっているのは気持ちいいですよね」

ここで、問題! 大喜びの中嶋さん、目線が高くなった以外に、もう1つ理由が。それは一体なに?

<スタジオ>

哲夫:上やから、割ときれいな空気を吸えるようになる。

西畑:しっかり体が、固定されてる

西田:ちょっとお尻が浮いているので、涼しい(笑)

<VTR>

正解は…

中嶋「すごい気持ちいい。めっちゃ気持ちいい、おなか。立っているとおなかの調子がよくなる」

正解は、おなかが楽になる。

車いすに長時間座り続けると、おなかが圧迫されたり、体重がかかる部分の血のめぐりが悪くなり、「床ずれ・褥瘡(じょくそう)」になることも・・・。

この車いすで立った姿勢をとると、お腹の圧迫など、体の負担が軽くなり、健康面のアップデートも期待できるという!

芝崎「車いすの方、よくお通じのことで悩んでいる方がいるので。僕の場合も胃腸の動きが活性化されるのでお通じがよくなったりとか」

ヴァギー「マッチング成立だ」

中嶋「マッチング成功」

<スタジオ>

レモン:というわけで、全員不正解ということで。

レモン:凉子ちゃん、高さを変えられる車椅子。改めてどうでした?

中嶋:いつも座ってるので、お腹が苦しいんですよ。私、27年前に車椅子になったんですけど、お腹を伸ばしたらめちゃめちゃ気持ちよくて、これ毎日立ってたらお通じよくなるだろうなと思って。

西畑:めちゃくちゃいいですよね。なんかこう、しっかり交流ももてて、しかも体験できる、その場で体験できる。

あの:作ってる人も実際使ってたり、お尻とかお腹のこともわかってるからこそなので、めっちゃいいなって思いました。

哲夫:実際うち、父親が今、車いすなりましてね。

レモン:そうなん!?

哲夫:そうなんですよ。だから車いすからベットに運ぼうとなったら、なかなか大変。それが、ああやって1回立ってくれはって、どっか触りながら支えたら、自分でベット行けんちゃうかなって思いました。

<VTR>

続いて2人が発見したのは…

中嶋「ヴァギーさん、あの手袋みたいなやつこれちょっと着けてみません?」 

手袋型のこちらの支援機器。

ヴァギー「何これ光ってるよ」

ヴァギー「すごい、あれじゃない? 怪力になれるやつじゃない?」

すると…

ヴァギー「あぁぁぁ!」

中嶋「なに?変な声ださないで」

ヴァギー「スゴいの指先」

中嶋「何その変な声?」

ヴァギー「すごいなんかプルプルプルプル」

中嶋「痛いの?」

ヴァギー「分かんないけど、ブルブルいってて 振動してるの。なんか鳴ってる」

中嶋「確かに音が聞こえる」

ここで問題!指先が振動するこの支援機器。どんな人に向けて開発されたでしょう?

<スタジオ>

レモン:それでは皆さんお考えください!

レモン:涼子ちゃーん!振動が伝わってくるって、どんな感じなの?

中嶋:けっこうな力で手先にブルブルって。

レモン:手先?指先なん?

中嶋:電流みたいなのが走る感じです。

レモン:みなさん書けたようでございます。あのちゃん!

あの:ヴァギーさんのように、代謝が悪くて寒がりの人のために、動いてあったかくする。

西畑:この手袋が置かれてる横にパソコンがあったような気がするんです。だから、手が使えない方用にパソコンをこうキーボードに入力してくれるみたいな。

哲夫:熱帯魚とかね、飼ってる水槽ありますけど普通はブクブクブクって装置ありますけれど、これは手を漬けるだけでもう熱帯魚、波打ってね、酸素を水槽内に、いっぱい供給できるという。

西田:これはもう手ごねハンバーグ大好きな人ですね。

(一同:笑)

レモン:どんな感じになるんですか?

西田:混ぜに混ぜれるというね。

あずみん:この中に正解はあるのでしょうか?

<VTR>

正解は…

中嶋「これ一体なんなんですか?」

開発者「盲ろう者の方々が使うウェアラブルデバイスです」

正解は、目が見えず、耳が聞こえない「盲ろう者」。実際に、この機器を体験している人が。

盲ろう者の藤鹿一之さん。生まれたときから弱視で、12歳で難聴に。26歳のとき、目が見えなくなった。

藤鹿「全盲ろうになったときは一人で外出できなかったので、ひきこもりみたいになりました。その頃は通訳介助者の存在も知りませんでした」

盲ろう者のコミュニケーション方法はさまざま。藤鹿さんの場合、「指点字」という方法で、通訳介助者を通して会話する。

6つの点を使って文字を表す点字。この点字の仕組みを左右6本の指に置き換え、「トン トン」とたたき言葉を伝えるのが指点字。この支援機器は、指点字をデジタル化する優れもの!

スマホに音声を吹き込むと、文字に変換。次にその文字情報を指点字に変換。そして、スマホから手袋に指点字の情報が送られ、左右の指先に振動が伝わる。

中嶋「中嶋です、よろしくお願いします」

藤鹿「ナカジマデス ヨロシク オネガイ。はい、よろしくお願いします」

中嶋「今回コミュニケーションの新たな手段ができたことに対してはどう思いますか?」

藤鹿「とてもうれしく思っています。常に通訳介助者がそばにいるわけじゃない。家族は指点字ができませんし」

ここで支援機器を体験した藤鹿さんから、さらなるアップデートのアイデアが!

藤鹿「まずこのコミュニケーションですと、話者が誰なのかきちんと教えていただきたいです」

さらに…

藤鹿「平らなんですよ、会話が。テンションがどこであがってるのか、下がってるのか。これだけでは分からないです」

ヴァギー「例えば、ウソ〜って言うと」

藤鹿「嘘?」

ヴァギー「ってなるのよね」

ヴァギー「びっくりマークやはてながない?」

藤鹿「そうそうそうそう、そうですね」

相手が複数いると誰が話しているのかわからない、話し手の感情が伝わらないなど、体験して気づいたことを開発者に伝えた。

開発者「1対1の対話を想定して作ったので、複数でリアルタイムで話したい場合の

コミュニケーションの開発っていうのは、新たなアイデアとして必要かもしれない」

<スタジオ>

レモン:というわけで正解者は誰もいませーん!残念!

レモン:手ごねハンバーグじゃなかったですね。

西田:もう恥ずかしいんで一刻も早く下げたいですね。

一同:(笑)

レモン:涼子ちゃーん!藤鹿さんと交流してみていかがだったですか?

中嶋「私たちは指点字、全然わからないので、わからない時点で藤鹿さんと交流ができないんですけど、あのグローブをしてもらってアプリにしゃべるだけで交流ができたので、そのコミュニケーションのツールが成り立ってるってすごいことだなと思いました」

レモン:知ってましたか?この世界、盲ろう者の世界。

西畑:いやぁ、知らなかったですね。でも何がよかったって、この開発者さんもなんかその使用されてる方のお話聞いて、まだまだアップデートしていかないといけないんだなっていうのを。

レモン:さすがマッチングのよさですよね、そこが。

哲夫:職業にしても生活にしてもそうですけど、いろんな人が出会えるので、新しいアイデアが出たりすると思うんで、マッチングはすごい大事な機会やなと思います。

ここで、バリバラのご意見番、玉木さん改め…玉金八先生のワンポイントレッスン

玉木:スゴい研究を通して、盲ろう者の世界は、今日も皆さん知ってもらえたと思うけど、みんな指点字でコミュニケーションとってはるんやろうなって思ってもらうのはちょっと違うねんな。

レモン:あ、違う?

玉木:僕が知っている人は、背中に字を書くとか。いろんなやり方があるっていうことを、まずは知っといてほしいなって思うねんね。

玉木:この機会に、マイノリティーの世界にみんなに興味を持ってもらえたら、えぇなって思ってる。

あずみん:続いては、ある支援機器の開発ドキュメントからクイズです!

会場を見渡すと、少し寂しげなブースが…

スタッフ「見せていただいてもいいですか?」

ベッドの上に手作りの人形。そして…これまた手作り感満載のアルミ製のフレーム。これって一体?

開発者「今まで要するにベッドの上で××××できないっていうのがある意味では常識で、これが×××××××××」

ここで問題!この装置を使うと、日常生活に欠かせないあることがベッドの上でできるという。ヒントは「夜、家に帰ってやること」。さて、一体なんでしょう?

<スタジオ>

哲夫:夜やることっていったら寝ることじゃないですか?

レモン:その前!

西畑:お風呂入る。

レモン:おぉ!

あずみん:はい、正解!

正解を実演してもらいましょう! 

開発者「じゃあ説明しますね」

まず、ベッドに敷かれたシートを人形のほうへ。

そして、電動ベッドを少し起こして、アルミ製のフレームを足もとからセット。

人形に掛けていたシートを広げると…。

開発者「これがお風呂になります。足元、腹、胸、肩までお湯に浸かることができます。

スイッチ入れれば、2分で入浴状態になります」

ということで正解は、「お風呂に入る」。

<スタジオ>

レモン:なんとー!大ちゃん正解しました―!

西畑:驚きましたね。そういう発想になったことがないので。ベッドでお風呂入りたいなーって。

<VTR>

ベッドの入浴装置を開発する男・夏目三郎、75歳。元々はサラリーマン。福祉や介護とは無縁の人生だった。この開発を成功させたいのには、ある思いがあった。

「父のために」

23年前に亡くなった夏目の父。入院中、風呂に入れず、看護師がタオルで体を拭くだけの毎日だった。

夏目「専門的な方が皆さんやられていて、それが当たり前なんだから。だけど僕から見ると、どうも当たり前じゃない。なにか方法あるんじゃないかな」

父のように病気や障害があっても、ふつうに入浴を楽しめる世の中にアップデートしたい。

定年後、夏目は一念発起。ベッドの上で風呂に入る方法をひとりで考え、試作品を作ること4回。特許を取るまでになった。しかし大きな壁が立ちはだかっていた。

「当事者あってこその、開発」

これまで障害者に入浴してもらったのは一度だけ。当事者のニーズをもっと聞く必要があると、感じていた。この日、夏目のもとにチャンスが訪れた。ひとりの男性が入浴装置を体験したいという。

りょう「こんにちは、りょうです。今日はよろしくお願いします。楽しみにしてました」

りょうさんは、脳性まひ。普段はヘルパーの介助を受け、入浴している。

りょう「だんだん体が動かなくなってくるとお風呂にゆっくり入れないとかあると思うので」

夏目の挑戦が始まった。

ヘルパーの力を借り、ベッドの上に風呂が手際よく組み立てられていく。

夏目「スイッチ入れます。お湯がいきましたか?」

りょう「お湯きた。あったかい、あったかい。全然寒くないです」

ここで、夏目が想定していなかった、当事者ならではの声が。

りょう「いまふと思ったんですけど、僕も家のお風呂の中で自分が倒れないように、手すりを持ったり何かを持ったりして、体のどこかしらに力を入れてお風呂に入ってる。今まったく掴まってもないし、どこにも力が入れていないので、本当に気を抜いたら寝ちゃいそうですね」

この経験を糧に、夏目は、さらに開発を進めていく。

夏目「信念をもって課題をひとつずつ解決する人、ただ今回失敗してしまいました。まさか・・・」

ここで問題!実は入浴体験中、あるトラブルが発生! それは一体何でしょう??

<スタジオ>

あずみん:はい。ここでヒントです。

レモン:ヒントお願いします。

あずみん:夏目さんにとって、今回久々にお湯を張り、障害のある人に入ってもらいました。その中で起こったトラブルです。

西畑:久しぶりすぎてお湯が冷めてた。

一同:(笑)

西畑:お湯じゃなくなってた。水入れちゃって、寒みたいな。

あの:久しぶりすぎて自分が入った3日前のお湯を使い回しなのがバレた。

一同:(笑)

西田:久しぶりすぎてガス代を払い忘れていて、お湯がでなかった。

一同:(笑)

哲夫:やっぱりそのお父さんのためにね、開発したって言ってはりましたから。久しぶりすぎて、そのお父さんのサイズで考えてたけど、体験した人の身長と合わなくて。身長は、それぞれだなっていうのをね、気づかはったみたいな…じゃないですか?

<VTR>

正解は…

夏目「3分の1くらい(お湯が)残ってるんですよね。なんで止まっちゃってるのかなって思って。あれかな?これの位置が高いのかな。」

夏目さんの計算では、お湯がたまるまでの時間は、わずか2分。ところが、久しぶりの設置で、思うようにポンプが動かず、大幅にタイムロス。結局、20分かかってしまった…。

ということで正解は、「給湯ポンプが止まってしまった」。

りょう「時間とともに冷めてはいくので、操作をみなさんが覚えて手際よくやるのは必要だと思いますね」

<スタジオ>

レモン:正解者は協議の上で、大ちゃんと西田君!

西畑:うそ!やった!

西田:やった!

レモン:だいぶ広く正解(笑)

西畑:だいぶ、広くとってくれましたね。

レモン:玉金八先生いかがだったですか?

玉木:一番は当事者本人がどこで、どんな入り方をしたいかっていう、そこがまずはスタートかなって思ってるんやけど。障害のある人や高齢者が普通に入浴を楽しめるような社会にアップデートしていくことが大事であって、いろんなお風呂の楽しみ方を、みんなでこれをきっかけに考えていけたらいいかなって思ったけどな。

ということで、「クイズふつうアップデート」、優勝者は…?

レモン:西畑大ちゃーん!

西畑:やったぜー!

あずみん:おめでとうございます。

レモン:あのちゃん、いかがだったですか?

あの:クイズがあることで、事細かくまでVTR見て、知らなかったこといっぱい知れたので、よかったです。

西田:てっきり、俺も優勝やと思ってたんやけど。

あずみん:西畑さん、お風呂正解してたのでその分、上やったらしい。

哲夫:1個先に正解しはったんですね。

西田:なるほど。

あずみん:先に正解してはった。

哲夫:ちゃんと1個下やったんや。

西田:そうか(笑)

一同:(笑)

※この記事は2023年3月17日放送「クイズ#ふつうアップデート スゴ1研究SP(2)」を基に作成しました。情報は放送時点でのものです。