2020年。新型コロナが変えた私たちの暮らし、さまざまな行動が制限され、街から人がいなくなった。そして、3年が経ち、日常を取り戻しつつあるけれども、マイノリティーがコロナで直面した問題は、今も積み残されたまま。前回の振り返り編に続く今回は、これから編。
<番組の内容>
▶︎コロナ新時代 マスクから考える多様性と分断
▶︎「マスクどうする?」ミーティング
▶︎番組に届いた意見
▶︎「思考停止」のその先へ これからは?
<出演者>
ハリー杉山さん(タレント 認知症とパーキンソン病に向き合う父を介護)
奥田友志さん(ホームレス支援NPO代表)
中野まこさん(進行性の難病 自立生活12年)
加藤さくらさん(知的・身体障害がある娘を育てる)
木庭康輔さん(障害者の就労支援事業所代表)
北田徹さん(知的障害者の介護施設職員)
レモンさん(番組MC)
玉木幸則(番組ご意見番)
あずみん(番組コメンテーター)
<VTR>
新型コロナとマイノリティーを考えるシリーズ、後編! 前回は、障害がある人や家族の経験を、振り返った。
ハリー杉山「父親と会えなくなったんですよ。面会が制限されてしまってまぁ悔しい気持ちもいっぱいある介助が受けられず、命の危機を感じたひとも。」
中野「生命を維持するための助けが制限を受けるのはどうしてだろう」
支援が届かなかったマイノリティーの現実がみえてきた。
今回は、「これから編」。
コロナ禍の気づきを今後にどう活かすのか?
北田「あえてですね。私たちは当事者と 一緒に外に出るようにしてるんです」
加藤「ブラボーですよ!」
障害がある人も、家族も、そしてみんなも、今日からできることを考える。
コロナ新時代 マスクから考える多様性と分断
<スタジオ>
レモン:いえーい、バリバラ。コロナ禍の教訓を今後どう生かしていくかトークしていきたいと思います。ゲストはシュッとしてるハリー杉山ちゃん。
ハリー杉山:ハロハロハロハロ。よろしくお願いします。やはりこの3年コロナという時代と向き合いながら、向き合うだけではなく次につなげる。教訓とは何ぞやということをしっかりと皆さんと話していきたいですね。
レモン:スタジオには「私たちの声聞いてー」という人たちが集まってくれています、よろしくお願いします。
難病で介助が必要ななか、コロナに感染した経験をもつ中野まこさんと、知的障害と身体障害がある娘を育てる、加藤さくらさん。
知的障害者の介護施設で働く、北田徹さんと、障害者の就労支援を行う木庭康輔さん。
そして、北九州で長年ホームレス支援を行ってきた奥田知志さんが、きてくれた。
レモン:玉木さん、それでは宣言お願いします。
玉木:コロナでみえてきたことって、コロナだけの話じゃなくって、いかに日ごろの生活や社会を見直していくかが大事やと思うねん。だから今日は色んな「日常」を考えていく話ができたらいいんちゃうかなって思う。
5月から、コロナは法律上の位置づけが変わった。幅広い医療機関で受診ができるようになったり、医療費が一部自己負担になったり。この動きに伴い、マスクの着用は個人の判断になった。
レモン:まこさん、こうした変化に感じることありますか。
まこ:本当に元の生活、面会制限がなくなるのかなとか、障害者のサービス、福祉サービスも同じように元にもどるのかなというのはすごく気になっているところです。
さくら:娘が肢体不自由の支援学校に通っているんですけども、運動会とか、あとは課外授業とか、結構子どもたちが楽しみがすべてなくなったんです。また再開される兆しが見えてきたので期待しています。
レモン:さぁ今回バリバラでは視聴者の皆さんに意見を募集しました。たくさんありがとうございます。
あずみん:すごいいっぱい。
レモン:はい。
番組に届いたのは、「依存症の自助グループの活動が制限され困っている」「学校の行事や授業が変わり心のケアが追いつかない」など、コロナ禍で変わった生活への悩みやこれからの不安。そして、特に多かったのは、マスクに関するものだった。
レモン:あずみん紹介お願いします。
あずみん:はい。こちらです。「ぜん息と難病がありマスク着用緩和後どうやって身を守ればいいのか戸惑っている」「障害特性でマスクができないことを周囲から理解されず悩んでいる」
レモン:ハリーちゃん。マスクって今も常につけてますか?
ハリー杉山:できるだけマスクしたくない派。だけど、まあ花粉症とか色々あって、つけたり。できるだけしない生活をしてます、今は。
レモン:木庭さんの事業所では色んな障害のある方がね、働いているんですよね。マスクの着用ってどうしてます?
木庭:うちの会社では特にマスクの着用についてはルールを定めておりません。色んな障害特性持ってる方が働いていて、その中で各々考えている思いっていうのをまず知るところから始めるのが大事かなと思いまして、話し合いの機会を設けることができました。
<VTR>
岡山県の商店街。木庭さんは、飲食店を経営し、障害者の就労支援を行っている。
木庭「1日50食限定の食堂で、明るいメンバーが多い」
池澤「ワントゥースリーフォー 俺の名前は池澤宏樹!角刈り生まれのエンターテイナー コロナに負けずに食堂運営。地域のインフラ守ったぜい!」
発達障害や精神障害のあるメンバー40人が、調理から配膳まで行う。
女性「ありがとうございまーす」
今年3月。木庭さんは、マスクの着用についてメンバーの考えを聞く場を設けた。
事業所職員・馬場「皆はマスクを外しますか。それとも外さずにつけておきますか。 マスクをはずすよって人は、挙手をお願いします」
参加者のおよそ半数が、「外したい」派。
橋本賢二「滑舌が悪いので、マスクがない方がいい。言葉が伝わりやすいんで」
「相手にもはずしてほしい」という人も。理由は?
難波まゆみさん「私の場合はADHDからの双極性障害と言われてるんですが。気を遣いすぎるとかはあると思って。この顔の下半分隠れていることで、読み取れる情報量が少なくなっている感じがして、相手が何考えているのか分かりづらくなった気がします」
ろりちゃん「相手の気持ちが読めない私の特性からしてみると、めちゃくちゃ読もうとしてしまう特性からすると、「みたい、口元を」って思っています」
一方で、残り半数は「今後もつけ続けたい」派。
ぴろいさん「私接客業しているんだけど、お客様に何かあったらいけないので、つけ続けたいなっていうのが1つ。あと私はマスクを外すとちょっとぶさいくになるので。人から見られたり注目されたり苦手で、マスクをつけ始めて、顔の一部がこうやって隠れるのがちょっと楽だなって」
もりちゃん「(病気で)他の人と汗のかき方が違うという症状があるんです。特に精神的な負荷がかかったりするとその汗の出方がもう普通の人とは全く違う形になってしまって、それを見られるのが嫌。隠す意味もあると思います」
<スタジオ>
ハリー杉山:人それぞれケースバイケースっていうのはわかりましたけど、そもそも知らないこともたくさんあるじゃないですか。だからやっぱり重要なのは、お互い話し合って「こういう状況がある、こういったものと向き合っている」っていう認識を深めた後、柔軟性がある環境なのか、ないのか。ここがやっぱり最大のポイントのひとつになってくるんじゃないかなと思いましたね。
レモン:木庭さん、話し合ってどう感じました?
木庭:コロナがあったからこのような時間が作れたのかなとも思っています。話が進んでいくうちにお互いの価値観であったりとか、もっと言うと障害特性のカミングアウトというか、自己開示にも繋がっていて、ものすごい深い時間が作れたと思います。
レモン:街なかではずい分マスクを外す人が増えていると感じるんですけどね。それが不安だという声、さきほどありましたけども、あずみん。
あずみん:はい。詳しくご紹介します。
「ぜん息と、内分泌・血液系の難病があります。自分がマスクをしていれば感染を防ぎきれるという保証はないため、どうしたらいいか戸惑い、怖いです」
「目に見えない障害のある人が近くにいるかもしれないと考える人はいるでしょうか?」
レモン:まこさんどう思いますこれ?
まこ:私も進行性の難病なので、コロナ禍前から感染症には気をつけて生きてきて、でもマスクの着用が個人の判断でとなって、私も相手にマスクつけてほしいですっていう風に言えないなって思うんですね。
あずみん:(相手が)自分の状態を教えてくれたらよくない?なんか。
まこ:そうだねー。
あずみん:「ちょっと体調悪いんだよね」、みたいな。
まこ:そうだねーやっぱり「最近ちょっと風邪気味なんだよね」とかを事前に教えておいてもらえると、自分が対策できることもあるし、なかなか体調が悪いって言いにくい風潮があるけど、安心して言えるような環境になってほしいなって思います。
奥田:今まこさんがおっしゃる通りで、そういうところ(体調)の開示ができない。うちのスタッフでも、コロナに罹って、一時休んでいた人が復帰するときに必ず「すいません」って言って復帰しますよね。あれ本当おかしくって、一番しんどい目して、一番苦しかった人が謝らないかん社会ってなんなのか。
まこ:相手にはこんな事情があって、私にはこんな事情があってっていうコミュニケーションをとることがまず大事なのかな。
レモン:玉木さんどう思われますか?
玉木:みんなも元気そうに見えるけど、いや実はこんな持病があるんやとか、そういうのは見えてこない人がほぼやと思う。だからそういう意識で付き合っていくというのは、ごっつい大事なんかなあと思うよね。
相手が抱える事情に、思いをはせる。それがままならず、トラブルになってしまった経験が、北田さんにはある。
<VTR>
北田さんが働く障害者施設。20代から40代まで、知的障害のある34人が日中をここで過ごす。
北田「クリーニングで使うハンガーの組み立て作業です。(スタッフ:いっぱいもっていますね?)一緒に協力するのが得意な方なんです」
北田さんたちは、自分らしく、地域で暮らすことを大切にしている。重度の障害がある人も近所のスーパーに通い、欲しいものを自ら選ぶ。
北田「ありがとう それにしましょうか」
男性「じゃーん」
店員「500円お預かりします」
コロナの感染が拡大しても、地域での活動を続けてきた。
スタッフ「何ですか?それ」
男性「あんまり教えないよ~」
北田 「すべての人がふつうに地域でしていることを、当事者のみなさんも、お金の支払いだったりそういうことを経験してもらいたいなと思っています」
そんななか、2021年。
衝撃的な事件があった。いつもより遠出の買い出しに出かけたとき、マスクをうまくつけられないメンバーが、口を出して呼吸していた。
すると・・・ある女性客が、「つばをかけている」と訴え、PCR検査を求めた上、警察を呼ぶ騒動に。
そのあと、店長から、今後は入店を控えるよう言われてしまったのだ!
<スタジオ>
ハリー杉山:結局そのあと、お店に入ることはできるようになったんですか?
北田:私たちは後日自治体に相談をしまして、そしてスーパーの店長さんとも話し合いの場を持ったんですね。そこで、今後も店舗を利用することはできるようになったんです。
レモン:それで北田さん、スッキリしたんですか?
北田:いえ、それからは色々と思い悩むようになってしまったんですけれども、障害を持つ人が外出をするときに、周りの人に迷惑がかからないように、条件付きでないと外に出てはいけないのかと、それは果たして、共生社会と言えるのかという、そういった問題意識を持つようになりましたね。
ハリー杉山:必ずしも全て店の責任ではないと思うんですよ。お客さんだから「わかりましたわかりました」って言わなきゃいけない店の責任感とかはあると思うんですけど、基本的にはやっぱりなってはならないような状況ではあって、 。で、でもあったことはあったんだから、これを教訓として、いやこれはおかしいぞっていう風にみんなにわかってほしいですよね
あずみん:女性の側ももしかしたらなんかこう見えない内部障害があったりしてとか、重症化リスクがあるからそうやって言ってきたっていう事情がもしかしてあったかもしれないけれども、私たちって頑張ってもできないことってたくさんあって。例えばわたしやったら、腕が短いから、電車とか乗っててマスクつけていたけどポロってとれることあるじゃないですか、耳から外れて。でも、自分でつけられなくて、マスク。外れたら、外れちゃったまんま電車乗るしかなくて。それは別に本人のせいじゃないし本人の責任ではないから、どうしたらいろんな人が(店を)利用できるようになるかとか、そういうのをもっと話し合いで解決できる方法がなかったんかなあって思いました。
レモン:ねー!お互いが折り合いをつける、そうか相手の立場をみて、ここが着地点かなどうやらっていうね。これが学びになっていくんやろなあって今の話聞いていて思いますけどもね。
トラブルの後、北田さんたちは地域の人たちとの向き合い方を、改めて考えたそう。
北田:もちろん感染対策はしつつなんですけれども、あえてですね、私たちは当事者といっしょに外に出るようにしてるんです。
レモン:あー!いいですねえ。
北田:それはどんなに障害が重くても、地域で暮らせるっていうことを知ってもらうために、私たちの支援の様子をあえて見せていくというか、地域の人たちに見てもらいたいと思っています。
さくら:北田さんのされていること、もうブラボーですよ
レモン:ブラボーですよ、出た!出た、さくら弁出た!
さくら:重度の障害がある子どもを育てている中で、いつも生活の範囲、家、学校、病院とかなると、結構みなさんと触れる機会がない導線動線になりがちなんですね。地域の方と交流する機会ってないので、こっちから積極的に地域の方達が生活する場に歩み寄っていくっていう行動は本当に大事だなって思っています。
レモン:奥田さんいかがですか?
奥田:警察を呼ぶとか、あるいは出入り禁止にするとかなんの解決にもならないんだけど、例えばホームレスでいうと追い出すんですよね、街から。でも追い出した先にも行き場がない。もうちょっと知性的に考えれば、何が解決につながるのかっていうことはやっぱりあると思うんですよね。ただやっぱり大元、知らないっていうことが一番大きい。人間って知らないことに対して恐怖を覚える。
奥田:そういう意味で我々はなぜ学ぶかっていうと、世の中から恐怖を取り除いていく。それが基本的なことだと思う
番組には、コロナに関する意見が、他にもたくさん届いた。
ギャンブル依存症です。回復のためには自助グループに参加して仲間と分かち合える場所・時間が不可欠です。でもコロナ禍で活動が制限されました。オンラインでの新たな発見もありましたが、今、ギャンブルが止まらなくて困っている仲間のことも心配です。
コロナで増加したセルフレジにより、買い物が気楽になりました。対人恐怖で人の真ん前に立っている時間が怖く、また発達障害により支払う動作が遅く、
ほかの人に待たれているという恐怖があるので、対人レジよりセルフレジが好きです。
ハリー杉山:セルフレジは賛成派なんですけども、圧倒的に。これはもう、ユーザー側にとってもプラスあるんですけど、お店側の人にとってもプラスがあるし、すべて効率良くなってると思うんですよね。
まこ:そもそもね、効率を求める社会が私は問題なんじゃないかなと思って。他の人に待たれている恐怖っていうのは、遅いとかってプレッシャーを感じるってことですよね。後ろの、並んでいる人に。いや、遅い人もいるし早い人もいるよねって、いろんな人がいるっていうことを、みんなが知っていてくれたら、そんなプレッシャーも感じずに、ゆっくり自分で支払いができるんじゃないかなって。
ハリー杉山:今ちょっとドキっとしました僕。日常の中で、「常に時間通りやんなきゃいけない」とか、「こうすることをやれ」っていうのは、学校で言われたりとかしますし。
まこ:そうなんですよね。
まこ:みんな同じようにやりなさいって教わってきているから、みんな違う、違いがあるっていうことは知っていないといけないなあと思いました。
コロナ禍の3年、障害者の就労支援の現場にいた木庭さん。かつてない打撃を受け、活動への考え方が大きく変わった。
<VTR>
3年前、緊急事態宣言が発令されると、木庭さんの店を訪れる客は激減。
デパートの地下に出した店や将棋ができるカフェなど半年間で、3店舗を撤退せざるを得なかった。
月々の売り上げは、コロナ前の7割以下に。
木庭「本当にショックでした。ここで働いて自信をつけてもっと幸せになっていこうという
メンバーに、どういう風に説明したらいいのかなと」
撤退した店で働いていた15人は、在宅ワークで、アートの活動などに挑戦。
しかし、みんなで集う機会が減って、つらく感じるメンバーも出始めた。
さとみん「人付き合い苦手だけどやっぱりさみしい、誰かといたい(精神的な)不安定がいっぱいあって体調を崩したりとかありましたね」
みんなが働く場を取り戻そう。木庭さんは、新たな事業に乗り出すことに。
閉店した宝石店を安く借り、メンバーの作品を飾ったギャラリーカフェをオープン。今年3月には、小さな商店をスタート。
格安商品の販売で、新規顧客の確保に奔走した。
次々と手を打つことで、ほとんどのメンバーが、再び仕事に打ち込むことができている。
河内さん 「家に一日おるよりもやっぱりこうやって気晴らしやないけど、 毎日朝出てきて帰る習慣をつけたら、みんな社会と関わりがあると思う」
<スタジオ>
ハリー杉山:木庭さん、3店舗一回閉めたんでしたっけ。
木庭:そうです、閉めました。
ハリー杉山:でも最終的に新しい何かを始めたわけじゃないですか。ここの転機っていうのはどういうふうに訪れたのか。
木庭:障害を持った当事者たちの声が大きいです。僕はどっちも立派だと思っているんです。慣れない在宅勤務に挑戦したメンバーも、そしてコロナに感染するって恐怖を持ちながらも、しっかりと現地に出勤してきたメンバーも。やっぱり彼ら彼女らの姿を見て、私自身落ち込んでばっかりいられないなというふうに、ものすごい元気づけられた、勇気づけられたと思います。
レモン:木庭さん、ぶっちゃけ何が一番大変でした?
木庭:マインドの方がずんとおちたのが不安だったんです。コロナって、やらなくていい理由になるじゃないですか。
あずみん:ああ~。
木庭:例えば、思考が「コロナだからやらなくていいか」「コロナだから仕方ないよね、みんな」みたいな。
ハリー杉山:「コロナだから」って、なかなか破壊力があるマジックワードになってしまいましたよね。聞いた瞬間に、みんな思考回路が停止しちゃってるんですよ。停止しちゃっていた。
さくら:私もすごく痛感しまして、私の娘が通っていた事業所のサービスは、とても恵まれているご縁で、いいサービスを提供してくれるところだったんですが、違う親御さんのお話だと、コロナだから何もしないって選択する人か、コロナだけど、この人がこう困ってるからこう支援しようって、その人その人で個別に対応したところがあった。いちサービスの利用者として見られているのか、それとも本当にいち個人として、いち家族として見てくれているのかがわかり、サービスの質がすごく浮き彫りになった
レモン:今日はですね、コロナの教訓について考えてきましたけど、私たちがこれからできること、奥田さん何なんでしょうか。
奥田:コロナの残した大きな問いに対する答えっていうのは、まさにいくつも出てくるだろうし折り合いだろうし、普遍的なものをあんまり求めない。例えばですよ、(コロナ禍の)途中、命か経済かっていう問いが出ましたね。とんでもないでしょ、だけど、100人が100人「命」って言いますよ、そらあ。でも命って答えたところで、あんま意味がない。それは答えになってない。だから私はやっぱり問いに対する答えを、正解っていう切り口じゃなくて、「これもあってんじゃないか」「あれもあっていいんじゃないか」「これもいけるよね」みたいな形で、新しい世界で想像していく、そういう問いと答えの関係性自体を、もう一回見直す時が来てるんじゃないかそんなふうに思いますね。
レモン:北田さんいかがですか?
北田:スーパーでの一件のような、そう言う誤解を招いてしまって、トラブルになることが今後ないように、地域の人たちを招いて、当事者が模擬店を出す、お祭りを三年ぶりに再開したいと思っておりますので、そう言う交流の場をどんどん今後作っていきたいなと言うふうに思っています。
玉木:共生社会を作ろうってよく言っているけど、今この時点で共生社会やから、何をもって“共生”なのかっていうのは、もっと考えていかなあかんことやし、分け方次第で、実はみんながいつ何時マイノリティになってもおかしくないっていうことを、思っておくっていうことが、大事なんかな。
レモン:ハリーちゃん、いかがですか?
ハリー杉山:「あれ、ちょっと待てよ、おかしいな」みたいな「自分が思っていたノーマルっていうのが、いらないノーマルだったんだな」って、セルフレジのことで思って。人によっては効率よくなるかもしれないけども、じゃあ違う角度から見て、効率どころか、むしろ息苦しくなるような状況なわけじゃないですか。ある意味まだまだ僕もね、そういう差別心っていうのもどこかしら心の中にあるわけだし、ちょっと気持ちをなんか、ポップに楽しく改めていきたいなと思いましたね。
レモン:今すぐやれることあると思いますんでね。ありがとうございました。お便りありがとうね~
ハリー杉山:サンキュー。
レモン:かっこええなぁ。
※この記事は2023年5月26日放送「新型コロナとマイノリティーの3年 これから編」を基に作成しました。情報は放送時点でのものです。