多くの人にとって苦痛でない刺激をしんどいと感じてしまう「感覚過敏」。なかなか周囲の理解を得るのが難しく、まだまだ謎が多いという感覚過敏について、探れるところまで探っていきます。
<番組の内容>
▶︎感覚過敏とは?
▶︎食べ物や飲み物の味がしんどい「味覚過敏」
▶︎日常のさまざまな音がしんどい「聴覚過敏」
▶︎感覚過敏に関するギモンに専門家が答える!
▶︎触れるものに痛みや気持ち悪さを感じる「触覚過敏」
▶︎「感覚過敏」と出会うまでがしんどい
▶︎生きやすくなるための取り組み
<出演者>
最上もがさん(タレント)
大島美幸さん(森三中)
和田真さん(国立障害者リハビリテーションセンター研究所)
レモンさん(ラジオDJ)
玉木幸則(社会福祉士)
あずみん(東佳実)(自立生活センター職員)
<VTR>
突然ですが、質問! カレーライス、ルーとごはんは分けて食べる? 混ぜて食べる?
ゆき「混ざっているものはとくに苦手。乾電池とかが混じっていて、絶対食べちゃいけないでしょみたいなものが混じっている感覚がして苦手です」
都会へお出かけ。まわりの音がどんなふうに聞こえる?
加藤「(音が)襲ってくるじゃないですけど、音の嵐が来ている感覚になる」
洋服の裏の縫い目、肌に当たると「痛い!」って感じる?
momo「服の内側が大根おろしとかそういう感覚がして、痛くて着ていられないという感じ」
多くの人にとって苦痛でない刺激をしんどいと感じてしまう…それが、「感覚過敏」。
今日のバリバラは、まだ謎が多い感覚過敏について、探れるところまで探っていきます。
<スタジオ>
レモン:イェ〜イ! バリバラ、始まりました。今日は、「感覚過敏」でございます。ひょっとしたら、これをご覧のあなたもそうかもしれない! まだまだ解明されていないことがたくさんある世界ですけれども。
レモン:大島ちゃん、この感覚過敏って言葉知っていました?
大島:いや、初めて聞きました。
レモン:初めて?
大島:アイスクリームしみるのは?
レモン:それ、知覚過敏かも分からん。
大島:それとは違いますね?
レモン:でもね、それを決めつけたらあかん世界かもよ。
大島:ヘェ〜。
レモン:いろいろと。
ここで解説! 感覚過敏とは、通常苦痛と感じない刺激を、苦痛に感じてしまい、日常生活に困難がある状態のこと。たとえば、食べ物や飲み物の味を苦痛に感じる「味覚過敏」。大きい音や、高い音などを苦痛に感じる「聴覚過敏」。肌に何かが触れると強い痛みを感じる「触覚過敏」。ほかにも、匂いや光、温度などさまざまな種類が。さらに、視覚と聴覚など、複数の過敏がある人もいる。
玉木:病気や障害のある人だけでなく、健康な人の中にも、感覚過敏の人はいるし、いろんな感覚があることを知ることから始まるん違うかなと思ってるんやけどな。
あずみん:そこで今回は、感覚過敏で日常生活に困難を抱えている方たちに集まってもらい、自身の症状やこれまで経験したことを話してもらいました。
<VTR>
今回はスタジオの照明がまぶしかったり、騒がしかったりするので、別のスタジオで収録。
感覚過敏について語り合うメンバーはこちら。日常生活のさまざまな場面でしんどさを感じるという当事者3人。そして、タレントの最上もがさん。以前、テレビ番組の収録で感覚過敏という言葉を知り、興味を持った。
もが「知ったのは本当に最近に近い、3、4年くらい。具体的にどういう症状があるというか、特性があるっていうのは細かくは分かっていない状態でした。はい」
食べ物や飲み物の味がしんどい「味覚過敏」
最初のテーマは、食べ物や飲み物の味がしんどいと感じる「味覚過敏」。
まずは大学2年のゆきさん。
ゆき「混ざるものが極端に苦手っていうのがあって、たとえばワンプレートランチとかカレーライスとか丼ものとか混ぜご飯とかはすごく苦手です。なんかそれは例えるなら、カレーの中に乾電池とか混じっていて、絶対食べちゃいけないでしょうみたいなものが混じっている感覚がして苦手です」
続いて、momoさん。ハチミツを食べるのがしんどいんだって…
momo「ハチミツとか、果物の蜜のような濃厚なものっていうのが……例えば、すごく熱い油を飲んだとしたら……口の中がただれちゃってヒリヒリして、皮がむけて痛いっていうふうになりますよね。それが、ハチミツを食べたときにそういう痛み方をするっていう感じです」
高校3年の加藤さん。食べると頭が痛くなっちゃって、口にできるものがほとんどない…。
そんな中、加藤さんがこの世で何とか食べられる食べ物がこちら。ふだんはこの11品目をローテーションしている。
もが「例えば、ざるうどんだったらどのお店でも大丈夫とかあります?」
加藤「つゆとかだしによっても食べられるものって違いますし、温度とかそういったものでも多少感じる味っていうのが変わってきて、体調に変化が生まれるので、前にそば屋さんに行ったんですけど、そこだと体調が悪くなっちゃって頭痛くなってみたいなことととかもありますね」
加藤「友達とかに『一緒にご飯に行こう』と誘われても、食べられるものがほとんどないので、自分だけ飲み物とか白米だけにするみたいな、そういった選択肢が取れるようにはなったんですけど、それでも周りから遠慮されているなという感じがあるので」
今回、番組ホームページで感覚過敏のアンケートをとったところ、275人から回答があった!
その中で、「味覚過敏がある」と答えた人からこんな声が。
「野菜や果物の酸味や苦味で頭痛がする」
「生野菜がビニール袋のような味に感じるため、野菜類をいっさい食べられない」
もが「正直本当に(食べられないというのは)きついなと思うんですけど、なんかその対策とか、どのようになさっていますか?」
加藤「そうですね。やっぱりその「苦手なものっていうのを避ける」っていう方法しか今はとれない状態ですね。無理矢理食べろとか、何か死ぬような状態になったら食べられることはたぶん食べられると思うんですけど、体調に変化が起きるので、やっぱり食べるっていうことは今はまだつらいことですね」
日常のさまざまな音がしんどい「聴覚過敏」
続いては、日常のさまざまな音がしんどいと感じる「聴覚過敏」。
ゆき「こんにちは」
こちらは、参加者のひとり、ゆきさんの自宅。生活に欠かせないのがこれ。
ノイズキャンセリングヘッドホン。周りから入る音を減らすため、外出では必ず着けている。この日は、友人と大学のイベントへ。できるだけ静かな道を選んで行くが…。
ゆき「バイク、バイク・・・」
ゆき「ヘリコプター?ヘリコプター?上、上、上」
ヘッドホンをつけていても、大きな音が突然、ゆきさんを襲う~!
ゆき「あの頭の中に、なんか小さいトゲトゲがいっぱい刺さったみたいな、なんか耳から音がそういうふうに入ってくるので、苦手だなって感じています」
お目当てのイベント会場に到着。しかし!
イベント「いきます! よーいスタート! わー! 強い、強いですね!」
思ったより人が多かった~。
ゆき「いろんな音がするのでそれが気になりますね」
周りの話し声や会場のBGMなどが、同じレベルの大音量に聞こえるゆきさん。1時間足らずの外出だったが、家に帰ると、もうクタクタ~。生活のあらゆる場面でしんどさを感じる聴覚過敏…。ゆきさん、ほかにどんな悩みがあるの?
ゆき「映画好きだし、(映画館で)見たいなと思って挑戦することもあるんですけど、結局そのあとすごく後悔するので映画館行かないけど、3年ぐらい経ったら忘れちゃってもう1回行こうかなぁと。行ってまた後悔して、3年間ぐらい行かないみたいな感じのことはあります」
加藤「授業中も、みんながシャーペンをカチカチする音とか、鉛筆で書いている音とかっていうのがすごい気になって、受験のときも、私が「すごい書くのが遅い」って、「始めるのが遅い」っていうふうに言われて、みんなが受験するときって、紙一気にめくるので、バッて音がして、シャーペンカチカチする音も聞こえて、音がいろんなところから来るので、問題に集中できなくて…。だいたいみんなが「問1」解き終わってからようやく動き出すみたいな感じで」
実はもがさんも、音がしんどいと感じるときがあるんだそう。
もが「私も、いきなり大きい音とかするの、すごい苦手で、アイドル時代から特効の音、ステージ上のパーンみたいな音がすごい苦手で。ただただ不快っていう」
アンケートではこんな悩みも…
「スーパーのセルフレジの音や音声が苦手で、台数が多いお店では買い物ができない」
「トイレの流す音が苦痛で、ノイズキャンセリングのイヤホンなしではお手洗いへも行けない」
収録開始から1時間…もがさんがずっと気になっていたことを打ち明けた。
もが「みなさんのお話を聞いていて気づいたことがあったんですけど、音というと、実はここのモーター音がきつかったり、視覚的なものなんですけど、ライトで目がちかちかしたりとかがあるんですけど、みなさんどうです? このスタジオでちょっと辛いなと思うこととかありますか?」
加藤「私もむちゃくちゃ後ろは気になりますね。音は泡の音が出るたびに後ろ向いちゃっていたかなという気もしていて。ずっとジーって音も鳴っているし、泡の音も気になるし」
momo「私も結構つらくて…」
番組スタッフ「大変失礼いたしました。ちょっとじゃあこれからスタッフのほうで対応しますので。ごめんなさい」
音や照明など、出演者の要望を事前に聞き、配慮してみたが、それでもしんどさを感じていたみたい…。
番組スタッフ「本当に失礼いたしました。これでいかがですか?」
もが「ありがとうございます」
ゆき「私はめちゃくちゃ静かになりました」
もが「なんかでもこういう感覚って、こういうほんとに仕事では通用しないというか。ひとりのわがままって通せないじゃないですか? だからその時間だけ耐えるっていうだけなんですよ。私はその感覚で生きてきたので、実は自分が感覚過敏で、それがきつかったんだっていうのは、今日知った部分がすごくあります」
感覚過敏に関するギモンに専門家が答える!
<スタジオ>
レモン:大島ちゃんどうでしたか?
大島:私も苦痛に思っているかもしれないなって思いました。
レモン:自分自身が?
大島:テレビって、華やかにするのがテレビだと思って。
そういえばまぶしいですよ。
大島:なんでこんなまぶしいの?って思っていました。
レモン:でもこんなもんやろうって我慢してたんやね。
大島:そうですね。20何年やっているんで。
レモン:だからそこなのよ。
ここからは、脳や神経の感覚について研究している和田真さんに、素朴なギモンを質問していく。
レモン:感覚過敏って病気なんですか?
和田:病気ではなくて、その症状を表す言葉です。発達障害、それから片頭痛、それから脳梗塞の後遺症など、さまざまな原因で生じることが知られています。
レモン:先生これね、食べ物が苦手っていう話はよくあるじゃないですか。そういう、好き嫌いじゃないの? とかアレルギーとは違うんですか?
和田:アレルギーっていうのは、そもそも免疫で起こる体の反応ですので、全く違うものです。好き嫌いっていうのはちょっと難しくて。本当に「どこからが」っていう線引きがちょっと難しいのが現実なんですね。ただ日常生活が難しいとか、支障をきたすような問題が生じている場合には、その背景には感覚過敏があると考えられます。
大島:感覚過敏かもって思ったら、まずどこに相談したらいいんでしょう?
レモン:確かに。
和田:現時点で「これで万能だ」っていう治療法があるわけでは残念ながらないです。感覚過敏って実は、不安とかストレスですごく悪化するってことも知られていますので、不安とかストレスを強く感じるような場合には、心療内科とかメンタルクリニックっていうものに相談されるのが良いかと思います。さらに、人に合わせた対応をするっていうのが、重要です。聴覚過敏ならノイズキャンセラー付きのヘッドフォンとか、視覚過敏だったらサングラスっていうもので苦痛を減らすってことができます。
あずみん:感覚過敏がある人たちが抱える生きづらさは、まだまだあるみたいです。座談会の続きをどうぞ。
触れるものに痛みや気持ち悪さを感じる「触覚過敏」
<VTR>
続いては、3人全員あるという「触覚過敏」。
momoさんは、洋服のタグや縫い目が肌に触れるととても痛いんだって!
momo「(服が)肌にあたるとヒリヒリとかチクチクとか、ピリピリとかそういう感覚がして、痛くて着ていられないっていう感じで、服の内側がサンドペーパーとか大根おろしとか、服の内側がそういうものになっているみたいな感じで」
さらに、同じメーカーの同じ服でも感じ方に違いがあるんだそう!
momo「たとえば同じメーカーの同じ品番の同じ色の服でも、生産している工場によって実は微妙に手触りが違うんですね。なので、全部触ってみてその中で一番自分が痛くないって思うものを選んで買うっていうふうにしています」
じゃあ今何着てるの?
momo「一番下の肌に当たる部分っていうのはスパッツを、この縫い目が当たると痛いので、裏返しにして履いています」
momo「肌に当たるTシャツっていうのが、私がこの世で唯一着られる服、みたいな」
momo「今、世の中に出回っている服のたぶん99.9 %は着られない服。その0.1%の着られる服を頑張って探し続ける旅」
加藤「そうですね、私も縫い目もタグも痛くて。靴下は穴が空いているものをたぶん4、5年くらいずっと使っていて。靴下こんな感じで両方穴が空いていて。おしゃれしたいっていう気持ちがあってもできないっていうところで、やっぱりつらいですね」
いっぽう、ゆきさんは…
ゆき「私はシャワーとか朝顔を洗うっていうのがすごく苦手です。シャワーの穴から水がシャーって出ていると思うんですけど、その1本1本が画びょうが降ってきたみたいな感覚なので、朝、顔を洗うのも洗面器にぬるま湯をためて、意を決して顔をいれるみたいなことを毎朝していますね」
アンケートでは…
「首まわりの服を着るだけで首が痛くてつらい。ネクタイをしなければならないところが多く、仕事も制限されてしまう」
「触覚過敏で子どもと手をつないだり、ハグをすることが苦手」
「感覚過敏」と出会うまでがしんどい
見た目にはわかりづらい感覚過敏。そのため、自分が感覚過敏だと気づくまでに時間がかかるんだそう!
こちらは、3人が症状を感じ始めた時期と、自分が感覚過敏だと気づくまでの期間をまとめたもの。一番長いのはゆきさんで、なんと12年!
「感覚過敏」という言葉と出会うまで、3人はどんなしんどさを抱えていたの?
ゆき「私は授業中に近くで緊急車両が通る音だとか、飛行機だとかヘリコプターが通る音で、いちいち耳をふさいで。今にも泣きそうな感じでかたまっていたりだとか。そういう中で、中高生のときに担当の先生とかから、“他のみんなはできるのに、なんであなたはできないの”って言われることが増えて、私だけ我慢できていないって分かっているけど、それをダイレクトに言われたりして。「しんどいな」っていうか、「正直学校行きたくないな」って思ったりだとか。本当に自分、劣等感のかたまりみたいな時期も長かったなって思います」
加藤「そうですね。自分の中で他の人より好き嫌いが多いってだけで、「みんなこのつらさを抱えているから普通だよね」って思っていて。「他の人が抱えているから、我慢しよう」っていう感じで。そこから辛さっていうのが段々、中学1年生の12歳くらいのときに、みんなが抱えているものじゃなくて、私の感覚が過敏で他の人が抱えていないつらさまで抱えているっていうことを知って、という風に思いますね」
もが「そうですね。私もきょう自覚したところがすごいあるなと思っていて。例えば、その明かりがつらくて気持ち悪くなっちゃうってなったら、吐き気止めを飲めばいいとか。なんか音がつらくて、頭が痛いってなったら鎮痛剤を飲めばいいみたいな感じで対処していたので、それが、“感覚過敏と出会うまでがしんどい”っていうのはすごい実感しました」
26歳で症状を自覚したmomoさん。当時の職場に配慮を求めようと、思い切って上司に打ち明けたら…。
momo「そういうときに“気にしすぎだよ”とか、“ちょっと神経質すぎるよ”とかそういう反応をされたときがあって、どんなに言葉を尽くして説明しても、やっぱり分かってもらえないんだなってそのときに思って、やっぱりすごく傷ついたし、表面上で判断して、そういう心ない言葉を発してしまう人もおそらくいると思うんですね。そういうことが起こったときに、やっぱり怖いなっていうふうに思いました」
<スタジオ>
レモン:良かれと思って言っていることとか、世の中にこれまでいっぱいあったと思うんですけど、見ていて大島ちゃんどうでした?
大島:この明るさだって、「まぶしい」と感じる人と、「普通だ」って感じる人がいることが、もうすでに感覚が分からないから、だから難しいですよね、共感するのは難しいですよね。
番組アンケートに答えてくれた人のうち、「周囲に理解してもらえない」と答えたのは、全体のおよそ半数の143人。
レモン:和田さん、この感覚過敏への理解がなかなかされないの、これなんでなんですかね。
和田:実は自分以外の人がどう感じているかっていうのは知るすべが、本当の意味で感じることはできないっていうことが、本質的な原因です。
感覚刺激、どんどん入って来て、それが脳の中で、どう感じてくるかっていうことが、かなり人によって違う、ってことがわかっています。で、これがもう根本的な原因なんじゃないかと思います。
自分は感じることができないと、なかなかそれを想像するのが難しいということになります。
あずみん:私の友達に聴覚過敏の方がいて。常にヘッドホンして、周りの音を遮断しているっていう子がいるんですけど、その子が、自転車に乗っている時に、警察の方とか仕事なんでね、声かけたんでしょうね。「音楽聴いてるの?」みたいな。「危ないから外してね」って言われて。「過敏やから」って説明しても、なかなかわかってもらえなかったって人がいる。
レモン:警察の方だって治安を守るためにやっているだけで、あんまりそういうことも知らないと思うし。
玉木:あとは、夜にサングラスつけている人がおった時に、「変なやつやな」って見るよりは、「なんか理由があるんかもな」っていうふうに想像することも、これからは大事なん違うかな思って。
レモン:少なくとも今日ご覧になってくれているね、ウィーアー親戚は、そういうことがあるかも分からんよっていう、今日でなんか想像が1つできるようになったかもしれませんね。
大島:そうですね。
生きやすくなるための取り組み
<VTR>
感覚過敏のある人たちが、生きやすくなる社会をめざして、今、さまざまな取り組みが始まっている。
応援や楽器の音が響くスポーツ観戦。
神奈川県のサッカー場では4年前、防音ガラスや明るすぎない照明を設置した「センサリールーム」を導入。
北海道の水族館では昨年から、BGMやアナウンスがないイルカショーを開催。聴覚過敏のある人も安心して楽しんだ。
そうした中、今回参加してくれた加藤さんは、3年前に「感覚過敏研究所」を立ち上げた。3月、企業とコラボして感覚過敏について伝えるイベントを開催!
こちらは、触覚過敏の人も着られる洋服。縫い目を外側に、タグを下にプリント。肌に触れても痛くない!
さらに、各家庭でも落ち着けるような、小型のセンサリールームの体験コーナーも。お客さんの反応は・・・?
客「目からうろこですね。私も感覚過敏の当事者なので、あんなスペースが家にもあるといいなと思いました」
高校の教員「やっぱりなんかこういうの(感覚過敏)って、こうマイナス面を見がちなんですけど、全然それがひとつの特徴というか、工夫できることがあるんだなというのをすごく感じましたね」
社会に向け発信する加藤さん。一方で、感覚過敏を理解してもらうことの難しさも感じている。
加藤「感覚過敏がない方からしたら、「なんで痛いんだろう」「感覚過敏でなんで縫い目が痛いんだろう」っていうところを理解するって、すごい難しいと思うんですよね。やっぱり「理解してもらおう」っていう心づもりで人に話すと、「理解してくれなかった」っていうことで傷ついたりとか、つらくなってしまうと思うので、私はどちらかというと、「受け止めたり受け入れてくれたらラッキー」ぐらいな気持ちで、その軽い気持ちでまずは話してみるっていうのは重要だなっていうふうに思いますね」
まだまだ語り足りないけど、今日はここまで。これからもバリバラは、感覚過敏の問題について、みんなで一緒に考えていきます。
バリバラでは、「感覚過敏・感覚鈍麻」に関するアンケートを行っています。
当事者のみなさんの状況や実生活での体験談について、声を聞かせてください。
※この記事は2023年4月21日放送「感覚が過敏なわたしたち」を基に作成しました。情報は放送時点でのものです。