「みんなで決めるアンコール」への投票をありがとうございました。2000人近い方々から投票をいただきました。結果は、「ベルリンの壁崩壊 宰相メルケルの誕生」が断トツの一位でした。全体の10パーセントの票を集めました。始める前、「そうかな」と思っていましたが、やはりそうでした。私たちも制作過程とオンエアでたぶん30回以上見ていますが、その度にエンドの伏線回収のカタルシスには鳥肌が立ちます。
みなさんの投票理由もひとつひとつ丁寧に読ませていただきました。大きく言って2つの特徴があるように思いました。
ひとつは、なぜ今の世界がこうなのか、その成り立ちが腑に落ちたという理由です。「テレサ・テン」「宋三姉妹」からは、中国と台湾の関係性が、「スターリンとプーチン」からは、ロシアとウクライナの衝突が、「砂漠の英雄」からは、アラブとイスラエルの対立が、ストンとわかったという意見がたくさん寄せられました。年号や理屈ではなく、映像で伝えることの意味は、ここにあるのだと思いました。
もうひとつの特徴は、歴史のメインストリームではないけれど、ひとりの意志を後に続く者が受け継いでいく、勇気のリレーに、人生の励ましを見出した人が多かったことです。「モハメッド・アリ」「最強判事RBG」「フラーとジョブズ」「危機の中の勇気」などの回です。「フラーとジョブズの言葉に、幼い子どもを事故で亡くした今、生きる希望や勇気が少し湧いた」、「RBGの姿に心の奥からの震えと日々への奮い立つ勇気をもらえる」…。
そして私たちが驚いたのは、投票してくれた方々で一番多かったのが20歳代の人たちだったということです。そうした若い人たちが、この番組を見て、もっと歴史のことを知りたくなったと書いてくれています。45分という放送時間の中で語れることには限界があります。番組は、膨大な歴史のほんの一コマを切り取っているに過ぎません。この番組をきっかけとして、みなさんの知的好奇心が広がることを願っています。
やはり「知らなかったことを知る楽しみ」というのは、人生の大きな喜びのひとつだと思うのです。番組名通りに、この番組がみなさんの人生に、ささやかなバタフライエフェクトを起こしますように。(寺)