台湾が初めて潜水艦を自主建造しました。台湾周辺の海域で空母などの活動を活発化させている中国軍に対し抑止力の向上につながると期待が持たれています。28日に進水式が行われ、この潜水艦は2025年に就役する見込みです。別府正一郎キャスターの解説です。
(「キャッチ!世界のトップニュース」で9月29日に放送した内容です)
・蔡英文総統が発言した「非対称戦」とは
台湾での動きはやはり、中国軍を強く意識したものです。現地で行われた進水式で蔡英文総統は、「潜水艦は海軍の戦略と戦術において『非対称戦』の重要な装備だ」と述べました。
この「非対称戦」という言葉ですが、イラク戦争でよく聞かれました。イラクで、駐留アメリカ軍は、イスラム過激派勢力の攻撃にさらされましたが、アメリカ軍の相手が正規軍ではなく武装勢力であることから、「非対称の戦いになっている」と言われていました。
蔡英文政権は、「非対称戦」という戦略を掲げていますが、この場合は「圧倒的な軍事力をもつ中国を、機動性のある装備で抑止する」ということです。
一方、中国では、習近平国家主席が、28日の演説で台湾について、「祖国の完全な統一を実現することは歴史の必然であり、いかなる勢力も阻止することはできない」と述べ、あらためて統一に向けた意欲を強調しました。
中国軍が台湾周辺海域での活動を活発化させている中での、台湾の潜水艦の建造。台湾をめぐる動きからは、引き続き目が離せません。
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