サウジアラビアとイランは7年ぶりに外交関係を正常化させることで合意するなど関係改善を進めています。こうしたなか、両国による事実上の「代理戦争」となっているイエメンの内戦をめぐり政権を支援するサウジアラビア政府の代表団がイランの支援を受ける反政府勢力の幹部と首都サヌアで会談しました。
「世界最悪」の人道危機とも言われる内戦の終結に向けて進展がみられるかが焦点です。別府キャスターの解説です。
(「キャッチ!世界のトップニュース」で4月11日に放送した内容です)
・「代理戦争」と言われるイエメンの内戦、その背景
イエメンの内戦が、「代理戦争」という言われた方をされています。その背景を見ていきましょう。
まず、イエメンの内戦の発端ですが、2015年に始まりました。
北部を拠点にする武装勢力が首都サヌアを掌握して政権を崩壊させ、政権側は、南部のアデンを拠点に対抗する図式になりました。この武装勢力はイスラム教のシーア派、一方で、政権側はスンニ派が主体なため、対立はあたかも宗派対立のようになりました。
そこに、周辺国のサウジアラビアとイランが介入しています。
スンニ派主体の政権側にはスンニ派のサウジアラビアが、シーア派主体の武装勢力にはシーア派のイランが、それぞれ後ろ盾になりました。もともと、サウジアラビアとイランは1979年のイランのイスラム革命などもあって対立しています。イエメンの内戦はこうした2つの地域大国の対立が持ち込まれることになり、このため、「代理戦争」という言われ方になっています。
ところが、サウジアラビアとイランをめぐっては最近、大きな動きがありました。双方は、先月、(3月)中国の仲介で7年ぶりに外交関係を正常化させることで合意しました。
後ろ盾の両国の関係が改善することで、イエメンの紛争当事者の関係改善につながるかどうかが注目です。
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