中国の気球の撃墜に続いて先週はさらに2つの飛行物体をアメリカ軍が撃墜しました。
まず、アラスカ州で所属のわからない物体を撃墜。そしてカナダの領空に侵入した未確認の飛行物体をアメリカ軍のF22ステルス戦闘機が撃墜しました。
1週間あまりで4回の撃墜。背後関係への関心が高まり、謎も深まっています。
別府キャスターが3つのポイントで整理します。
(「キャッチ!世界のトップニュース」で2月13日に放送した内容です)
【飛行物体は?】
飛行物体はどのようなものなのでしょうか?
・2月4日に南部サウスカロライナ州の沖合で撃墜されたのは中国の気球でした。
・しかし、10日にアラスカ州の上空を飛行し、撃墜された物体は大きさや形状が中国の気球とは似ていないということです。
・一方で、11日、カナダの領空に侵入し撃墜されたものは、中国の気球と「似ている可能性がある」と指摘されています。
・そして12日、アメリカの複数のメディアは、アメリカ軍がカナダとの国境に近い五大湖のひとつの上空で新たに何らかの飛行物体を撃墜したと伝えました。
・3日には、南米コロンビアの当局は、北部の領空に気球のような物が入ってきたと発表し、中南米を横切ったと見られています。
そもそも何が飛んでいるのか分かっていないものもあり、残骸が回収され、分析が待たれています。
【どこから来た?】
そして、この物体がどこから飛んできたのかもはっきりしていません。
・中南米の気球と、サウスカロライナ州沖合で撃墜されたものについては、中国政府は自分たちのものだと認めています。
しかし、その目的については、アメリカは「偵察目的」だったとして批判する一方で、中国は「気象などを研究する民間の飛行船だ」などと主張しています。アメリカ側は「民間目的であったならば、なぜ事前に連絡がなかったのか」と反論しています。
・一方で、そのほかのものについては、どこから飛んできたのかは分かっていません。
【なぜ今、気球?】
・そして、最大の謎は、偵察用だったとしても、衛星が発達した今の時代になぜ気球を利用するのか、ということです。
ニューヨーク・タイムズは、アメリカ当局者の話として、「気球の方が衛星よりも偵察に優れている面がある」としています。「気象によって動きが変わり、予測しにくいことや、地上に近く、衛星まで届かない信号を捕捉できるからだ」などとしています。一方で、「どのような情報を盗もうとしていたのか」は分かっていないと指摘しています。
気球や飛行物体をめぐって、深まる謎。しかし、はっきりしていることはあります。それは、米中関係をいっそう複雑にしているということです。
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