ガザ地区の人道状況が悪化 ラファ検問所からの支援物資の搬入は

NHK
2023年10月20日 午後4:15 公開

犠牲者は増えつづけるとともに、人々は非人道的な状況に追い込まれています。

イスラエルがパレスチナのガザ地区への地上侵攻への準備を着々と進める一方、封鎖が続くガザ地区ではイスラエル軍の爆撃で多くの死傷者が出ています。

焦点となっているガザ地区への人道支援物資の搬入です。20日にもエジプトとの境界のラファ検問所から、物資を積んだトラック20台が搬入される見通しになっています。望月麻美キャスターの解説です。

(「キャッチ!世界のトップニュース」で10月20日に放送した内容です)
 

・ガザ地区に支援物資を運び込める唯一の場所

トラックが行列をなして支援物資を搬入するのを待っているラファ検問所は、エジプトとの境界にあります。ガザ地区では、北部にも1か所、エレズ検問所がありますが、こちらは10月7日にハマスが突破してイスラエル側に侵入してすぐ閉鎖されました。そのため、ラファ検問所は人と物資がともに行き来ができ、ガザ地区に支援物資を運び込める唯一の場所として注目されてきたのです。
 

エジプト政府は、イスラエル軍の報復攻撃が始まった当初からガザ地区へ支援物資を運び込む用意はできていて、ラファ検問所のエジプト側は通常どおり開いているとしてきました。しかし、イギリスBBCはエジプトのメディアを引用し、10月9日と10日、ラファ検問所周辺にイスラエル軍の空爆があり、パレスチナ人とともにエジプト人側にもけが人が出たことを受けて閉鎖されたと伝えています。そして、エジプト政府はイスラエル側に、ラファ検問所周辺への空爆をやめてエジプト人スタッフの安全を確保するよう求めていたと報じています。
 

・ガザ地区は深刻な人道危機に

ガザ地区は深刻な人道危機にひんしています。イスラエル政府は10月9日、ハマスに対する圧力を強めるため「ガザ地区を完全に包囲する」として水や電力、食料などの供給をすべて停止するとしました。
 

その後、南部の一部の地域でイスラエルからの水の供給が再開されたものの、海水から真水をつくるための施設は燃料不足で稼働できていません。
 

WHO(世界保健機関)は、飲み水や生活に使う水として1人が1日に必要とする水の量は、50リットルから100リットルだとしています。しかし、いまのガザ地区の人たちが1日に使える水の量は、1人あたり平均して3リットルにとどまっているということです。
 

パレスチナ難民を支援するUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)は、「ガザ地区では安全に飲める水が枯渇し、人々が脱水症状や感染症で死亡する恐れがある」としています。エジプトの地元メディアは国連のグテーレス事務総長がラファ検問所を訪れ、エジプトからの支援物資の搬入状況などを視察する予定だと報じています。
 

非人道的な状況に追い詰められているガザ地区の市民たち。一刻も早く合意が遂行され支援物資が届けられることが求められています。
 

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