◎制作こぼれ話「ビーバー乱獲の目的は“香り”だった!?」
今回、イギリスでの400年ぶりの復活!を追ったビーバー。イギリスだけでなく、世界中で乱獲された過去があります。ビーバーが乱獲の対象となった背景には、いくつもの理由がありました。
まず、最大の理由とされるのが「毛皮」。ビーバーには長くて硬い上毛と、柔らかい下毛が生えています。下毛には小さな突起があり、よくからみ合うため、丈夫で防水性にすぐれたフェルトが作りやすく、帽子や上着の素材にうってつけだったそうです。
もう1つ、意外な理由が「香り」。ビーバーは肛門近くに、香嚢(こうのう)とよばれる袋があり、中に強い香りがする分泌液が入っています。これはマーキングして縄張りを示すために使われるのですが、これを元にした作った香料・海狸香(かいりこう)は、かつて香水や食品にバニラやイチゴの風味をつけるために使われていたそうです。中世ヨーロッパでは頭痛や不眠の治療薬ともされていたそうですが、効果は確認されていません。
上毛の中には下毛がびっしり生えている。
◎撮影の現場から「サステイナブルな番組づくり」
「ビーバーの作る環境ってサステイナブルだね。じゃあ番組制作もサステイナブルにしてみようか?」イギリスでは最近、テレビや映画業界において“脱炭素化”する取り組みが盛んに行われています。じつは今回の番組も、この取り組みに挑戦していました。撮影クルーの移動をなるべく減らし、人数も最小限。紙の資料は減らし、電子化。プラスチックごみを減らすため常にマイボトルを携帯し、食事も環境負荷が少ないものに・・・などなど。1つ1つはそれほど特別なことはなく、ふだんからやっていること延長線上ですが、すべてに気を配りつつ番組を作るのは意外に大変でした。でも、こうした地道な積み重ねこそ大切。生きものたちの暮らしやすい環境づくりへの手助けになればいいなと思いました!
(左)ロケ車には機材とともにマイボトル (右)食事も環境負荷を少なく
◎ディレクターのお気に入り「隣人からのプレゼント」
とある夕方、ビーバーが放たれた水辺から「シャリ シャリ シャリ」という音が、、、。振り向くと、ビーバーがこちらを向いてオレンジ色の何かを食べていました。あれは、ニンジン!?いったいどこから持ってきたの?と、思ったら。じつはこれ、土地を提供した農場主のトム・バウザーさんが置いたものだといいます。撮影地のイギリスでは生きものが新天地に慣れるまでは、リンゴやニンジンなどの補助食品を置くようにしているそうです。元気そうに食べている姿を見て安心したのですが、何よりニンジンを両手でつかみ食べる姿が愛らしくて、心癒やされました!
ディレクター 生野 梨恵
ビーバーのもぐもぐタイム
☆ブログ担当スタッフから☆
ビーバーって、本当にすごい生きものですよね。あらためて感動。さて、今回は、番組公式ツイッターから情報をピックアップしてきました。「ためになる!?ビーバー英語」です。
【初級編】
“busy as a beaver”
「超忙しい!」という表現。
(直訳:ビーバーのように忙しい)
【上級編】
“beaver away”
「せっせと働く」という意味。すんごい働き者のイメージなんですね。
例)They are beavering away to meet the deadline.
「 彼らは締め切りに間に合うように、せっせと働いています。」
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耳に鉛筆??大工さん風ビーバーは働き者!