この夏、「とんぼ」に関する研究プロジェクトが行われています。日本全国の皆さんに協力してもらい、“あるトンボ”にまつわる壮大な謎を解明する、夢のある企画。「ダーウィンが来た!」では、この調査を取材中です。昆虫採集がお好きな方はもちろん、ふとした時にトンボを見かけただけでも貢献できるかも!
Q. “あるトンボ”って、なにトンボ?
A.春から秋にかけて、日本を大移動していく「ウスバキトンボ」の調査です。知らないトンボだなぁ、と思う方も多いかもしれませんが、ほとんどの人が見たことがあるんですよ!その名のとおり、体が黄色っぽいウスバ「キ」トンボですが、成熟すると赤みが強くなってきます。なので、一般に“赤とんぼ”と呼ばれている中には、ウスバキトンボが混じっているんです。夏の甲子園に飛んでいる“赤とんぼ”は、実はほとんどがウスバキトンボだとも言われています。
Q. 何を調査するの?
A.ウスバキトンボは世界でもまれな壮大な旅をするトンボです。もともとは東南アジアなど熱帯からやってきて、春から秋にかけて沖縄から北海道まで日本全国を移動していく・・・と言われていますが、実際にはそのルートは全くの謎。そこで、日本各地でウスバキトンボの羽(翅 はね)に印(しるし)をつけ、そのトンボが旅して行った先での目撃情報を集めて、旅のルートや期間を調べよう、というのが研究プロジェクトの目的です。
Q. 誰でも参加できるの?
A. やってみたいと思った方なら誰でも参加できます。登録などは必要ありません。
Q. 実際には何をすればいいの?
A.羽に印がついたウスバキトンボを捕まえて、写真を撮ってください。その後、「羽の印がわかる写真」と「場所・状況・日時・天候」の情報をお寄せください。
(↓↓連絡方法は別途紹介します↓↓)
なお、羽の印がよくわかる写真が撮れたら、トンボは逃がして構いません。しかし、生きた状態でおいておく、あるいは、標本にすることができる方は、より詳しい研究に繋がる可能性があるのでトライしてみてください。
Q. 羽の印(しるし)は、どんなものなの?
A.この写真のように、黒いペンで調査用のマーキングがされています。
※これは一例です。書かれている文字はそれぞれ違うのでご注意ください。
Q. いつごろ探せばいいの?
A.羽に印をつける作業は既にはじまっています。7月17日沖縄でスタートし、7月23日からは全国各地で行われています。ウスバキトンボが少なくなる11月いっぱいをメドに調査終了する予定です。
★参加する時の心がまえとお願い★
この調査はたくさんの人が参加することで成り立つものです。一人の人がどんなにがんばっても、印がついたウスバキトンボを捕まえられる可能性はそれほど高くはありません。お友達などとも力を合わせて「本当に捕まったらすごいね!」くらいの気持ちで、気楽に参加してください。また、この調査のことを多くの人に知らせてくれるだけでも、立派な貢献です。日本のどこかで印のついたトンボが捕まった時、捕まえた人が調査のことを知らなかったばかりに報告がされなかったら、とても残念なことですよね?ぜひ、たくさんの人にこの調査のことを教えてあげてください!
★ウスバキトンボを見つけるために★
“赤とんぼ”と呼ばれる代表的なトンボは、アキアカネという種類です。こうした似たトンボが他にもいますので、間違えていると、いくら捕まえても印がついたものを見つけることはできません。ウスバキトンボの最大の特徴は、下の写真のように、後ろばねの根元にオレンジ色の部分があること。これ以外にも、図鑑やインターネットなどで特徴を調べて、ウスバキトンボを見つけてみてください。群れていることも多いので、一匹見つければ周りにたくさんいるかも!
■重要なお願い■
トンボを捕まえる際は、昆虫採集のマナーを守ってください。捕虫網などを使う際、人に迷惑がかからないようにすることはもちろんですが、昆虫採集が禁止されている場所などもありますので、事前に確認をお願いします。また、私有地に無断で立ち入ったり、川や池など危険な場所に近づいたりすることは絶対にやめてください。特に、お子さんが虫取りをする際は、おとなの目が届くところでお願いします。
◎情報の送り先は?
下記の「写真」と「情報」をセットで投稿してください!
① 羽の印(黒ペンのマーキング)が見える写真
② 場所・状況・日時・天候
(情報の例)
東京都渋谷区神南
公園の植え込みの上を飛んでいた
2022年8月8日午前11時20分ごろ 晴れ
【画像投稿先】印がついたウスバキトンボの写真と情報はこちらへ!
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