自由研究に役立つ情報のまとめ!【夏スペシャル】

NHK
2022年8月9日 午後4:33 公開

「ダーウィンが来た!夏スペシャル」は NHK プラスで配信します!

→ここをクリック 放送後 1 週間、見られます。(番組冒頭から再生) ※別タブで開きます

※しょうがくせいは、おうちのひとといっしょによんでくださいね! 

自由研究にも役立つテクニック ☆生きもの採集編☆

まずは、昆虫研究家の阪本優介さんに教えてもらった生きもの探しのワザから!

(↓↓ ワザをいかせる自由研究テーマもあとで紹介しますよ! ↓↓)

ルッキング

ルックは英語で「見る」という意味。ただ見るだけ?そんなのワザなの?・・・なんて思ったら大まちがい!一か所にとどまって、しっかり見ることで、見えていなかった生きものがどんどん見えてきます。「食べあと」のある葉っぱなどに注目して探すと、さらに効果的。基本的だけど、どんな場所で、どんな生きものを見つける時にも役に立つ、一番のスゴワザかも!

スイーピング

スイープとは、英語で「ほうきで、はく」という意味で、虫とり網をほうきのようにふり、下草にいる虫などをつかまえるワザです。番組で阪本さんがやっていたように、8の字をえがくようにして網を動かし続けるのがポイント。ゆっくりと歩きながら続けると、広い場所の生きものを一度にたくさんつかまえることができます。

スイーピングのやり方を確認したい人は!

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ビーティング

木の枝をやさしくたたき、落ちてきた虫などをとらえる方法です。木を傷つけないよう、気をつけましょう。よそのおうちの木をたたくのは、ぜったいダメ!

【重要なお願い】

いきものさがしのマナーとちゅういについて、おうちのひととかならず、よんでください!

  • 虫とり網などで人に迷惑をかけない

  • 私有地に無断で立ち入らない

  • 公園などでも採集禁止の場所もあるので、事前に確認。

  • 危険な場所に近づかない(川、池、ガケなど)

  • 毒がある生きものもいるので触る時は注意!

  • 熱中症や虫さされにも注意!

※保護者の方へ

お子さんが生きもの採集する際は、大人の目の届く範囲で行ってください。

自由研究にも役立つテクニック ☆保存・記録編☆ 

岡山大学の貝類学者・福田宏博士は、保育園時代から身近な貝を集め続け、その中から今も続々と「新種」を発表しています。私たちが身近な場所でみつける生きものにも、まだ学名のついていないものが混ざっている可能性は高いのだとか。でも、ただ集めるだけではダメ、標本を作ったり、データを記録したりしておく必要があります。そのポイントをおさらい!

(↓↓ ワザをいかせる自由研究テーマもあとで紹介しますよ! ↓↓)

福田宏博士と子どもの頃に集めた貝の標本

福田宏博士と子どもの頃に集めた貝の標本

標本づくり・保存

貝がらの場合は、きれいに洗ってから乾かし、小さな箱の中にならべておきます(※)。昆虫、植物など、ほかの生きものの場合は、それぞれ方法がありますので、図鑑などでしらべてみましょう。日光があたらず、湿気の少ない場所で保存します。(※注 箱の中に脱脂綿などを入れると、漂白剤の影響で貝がらが劣化する恐れがあるそうです。やわらかい素材で保護する場合、ポリエステル繊維の「観賞魚飼育用濾過綿」が最適で、専門家の皆さんもご利用されているとのことでした。8/19追記)

ラベルづくり

きれいに保存できるようになっても、標本づくりは完成ではありません。一番大切なポイントは、とった「場所」と「日付」がわかるようにしておくこと。それぞれのデータをラベルに書いて残しましょう。ラベルづくりまで終われば、子どもが作ったとしても、立派な標本です。(ちなみに、貝の場合は専門的に調べるには中身も必要で、「肉抜き」というワザがあるそうです。図鑑などにのっています。でも、研究の入口としては貝がらだけで十分だそうですよ!)

観察・スケッチ

採集したり、標本にした生きものは図鑑で名前を調べましょう。さらに自分の手でスケッチをすると、生きものの特徴がよく見えてきます。

「新種発見」の夢をかなえるには…

番組を見て「新種探し」に挑戦したくなった人は、ぜひトライしてください!でもそう簡単にはいかないはず。「もしかして?」と調べてみても「新種じゃなかった」ということが多いと思いますが、そんな経験こそが新種につながる第一歩なのです。新種の昆虫を3種類もみつけている昆虫研究家の阪本優介さんは、「自分で見て、触って、知識をつけていくことで、新種がみつけられる」と話していました。また、番組にスタジオ出演した新種発見のプロ・法政大学教授の島野智之さんは、見つけた生きもののスケッチをすることにこだわっています。顕微鏡で写真をとるだけではなく、自分の手で描くことを大切にしているんだそう。生きものと真剣に向き合っているからこそ、新種との出会いもあるんですね。

子どもの頃の小枝圭太さん

(左)子どもの頃の小枝圭太さん(右はお兄さん)

水族館で20年以上飼育されていた魚が新種であることに気づいた琉球大学の小枝圭太博士は、子どもの頃から魚や昆虫が大好きで、他にもいくつもの新種の魚を発見しています。小学校の卒業文集には「動物の研究をしてあたらしい発見をしたい」という将来の夢が書いてありました。情熱を抱き続けることが、夢をかなえるための最大の力といえるかもしれません。小枝さんによると、水族館の魚の中から新種が見つかる可能性はまだまだあるとのことです。どんな時でも、「おやっ?」と思うことがあったら、あきらめずに調べ続ければ新しい発見に繋がるかも!

小枝さんの小学生時代の作文

小枝さんの小学生時代の作文

ダーウィンが来た!おすすめ自由研究テーマ

<保護者の方へ>

今回の番組に出てきた話に関連した研究テーマのアイデアです。学名や生きものの分類を調べることは、周囲の自然への興味を広げ、自分自身と生きものの関わりについて考えるきっかけになります。ぜひお子さまと一緒に取り組んでいただければ幸いです。同じ研究をしたとしても、それぞれのお子さまの個性が出せるテーマになっています。

・・・↓↓具体的な研究テーマのアイデア↓↓・・・

<小・中学生むけテーマ>

■学名をしらべよう

●学名をしらべよう パターンその①「場所を決めて」

「近くの公園」、「自宅の庭」など、場所を決めて、そこにいる生きものをすべてみつけ、名前(和名)と学名をしらべてみましょう。

・植物にも学名はあるよ!小さな草や虫まで、しっかりみつけよう。

・「ルッキング」「スイーピング」などのワザをつかおう!

・標本にしたり、スケッチしたりしてみよう!

・何種類の生きものをみつけられたかな?

・学名がわからなかったものはあるかな?それは新種かな?

・その場所にいる生きものはすべて見つけられた?まだほかにもいそうだった?

・名前をつけることにはどんな意味があるのかな?

・しらべてみて、何を感じましたか?

●学名をしらべよう パターンその②「毎日の食事」

あなたの1週間の食事にはいっていた「生きもの」の名前(和名)と学名をしらべてみましょう。

・植物も生きものだよ!もちろん、学名もあるよ。

・材料や作り方までかんがえるとたくさんの生きものがいるよ

 「みそ」→ 大豆だけでなく、麹(こうじ)も生きものだよ。

・ずかんなどを見て、生きものの姿を絵にかいてみよう

・牛肉はウシ。ウシの学名は?和牛とオーストラリアの牛で学名はちがう?同じ?

・何種類の生きものが食事にふくまれていた?

・学名をしらべきれなかったものはある?なぜ、むずかしかった?

・しらべてみて、何を感じましたか?

学名のしらべ方の手順

1.ずかんなどで生きものの名前(和名)をしらべる。

2.おとなにそうだんして、インターネットをつかわせてもらう。

3.けんさくサイトで「(生きものの名前) 学名」と入れてけんさく。

  例:「アブラゼミ 学名」「大豆 学名」

4.けっかを見る。学名だけでなく、いろんなお話がかいてあるページも多いよ。

・・・としょかんで、ずかんなどをしらべるのもおすすめです!・・・

<中学生以上むけテーマ>

■生きものの分類をしらべてみよう

番組には「種」、「亜種」がキーワードとして出てきました。この知識をきっかけにして、もっと大きなグループ分けやさらに小さなグループ分けについて調べてみましょう。上記の「学名をしらべよう」のテーマとあわせて取り組むと、より深い学びが得られます。

●生きものの分類をしらべよう パターン①

「種(しゅ)」より大きなグループ分けについて

・種より大きなグループ分けは「界・門・綱・目・科・属」など。さらに細かい分類も。

 自分の知っている生きものが、どうグループ分けされているか、まとめてみよう。

 図にするとわかりやすいよ。

・人間はどこに分類されている?

・グループ分けの名前は、図鑑によって表記がちがうことがあります。

 例:「偶蹄目」と「クジラウシ目」など。ほかにはどんなものがあるかな?

 なぜ表記が違っているのでしょう?

・それぞれの動物がおよそ何年前からいたのか、わかるものを調べて書き加えてみよう。

・恐竜などの絶滅した動物も書き加えてみよう。

・まとめてみて、どんなことを感じましたか?

●生きものの分類をしらべよう パターン②

「種(しゅ)」より小さなグループ分けについて

・イヌはオオカミの「亜種」です。

 イヌの中で、チワワ、プードル、セントバーナードは「亜種」ではなく「品種」です。

・「品種」は小さなグループ分けなのに見た目が大きく違うことがあるのは、なぜでしょう?

 ヒント:「品種」はどうやって生まれた?

・「品種」がある生きものは、植物にも多くあります。

 動物、植物ともに「品種」がある生きものにはどういう共通点があるでしょう?

 ヒント:農作物や花などにはたくさんの品種があるよ。

・品種がたくさんある動物・植物をリスト化して、およそ何種の品種があるのか調べてみましょう。調べきれるかな?

・品種について調べてみて、何を感じましたか?

<保護者の方へ>

「これは傑作!」という自由研究ができたら、写し(コピーや写真)を番組宛てに送ってください。番組HPなどでご紹介する可能性があります。

  • 住所・氏名・年齢・連絡先を明記してください
  • 返却はできません。かならず「写し」を送ってください。
  •  受け取りの確認や返信のお約束はできません。ご了承ください。

送り先

〒150-8001

NHK「ダーウィンが来た!」夏スペシャル係

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<もう1つのご提案>

下記は、夏スペシャルとは直接関係ありませんが、この夏、「ダーウィンが来た!」がおススメする、もう1つの自由研究です。

■赤とんぼ大調査

一般的に“赤とんぼ”と呼ばれる代表的な種はアキアカネ(学名:Sympetrum frequens)というトンボです。しかし、突然、大群で現れる赤とんぼの中にはアキアカネ以外の種がたくさん混じっています。中でも興味深いのがウスバキトンボ(学名:Pantala flavescens)という種類。春から秋にかけて、日本を南から北へ大移動していく、と言われているトンボですが、そのルートは謎に包まれています。いま、このウスバキトンボの壮大な旅に関する調査が行われており、ダーウィンが来た!も取材しています。この調査に参加してみませんか?参加方法は、ダーウィンが来た!HPの中に詳細があります。

トンボ大調査協力者募集 ここをクリック!

●自由研究テーマとしては・・・

・“赤とんぼ”を捕まえて、種(しゅ)を見極めましょう。

 アキアカネ?ウスバキトンボ?それ以外のトンボ?

 図鑑やネットで特徴を調べて特定(同定)しましょう。

・見分けるポイントはどこですか?

・日付、時間、場所、天候、周囲の状況などのデータを記録しましょう。

・集めたデータから、アキアカネとウスバキトンボに違いは見つかりますか?

・トンボの種類によって、採集する時の難しさに違いはありましたか?

 飛び方、体のつくり、生態に違いはあったでしょうか?

・羽に黒ペンのマーキングがされたウスバキトンボを見つけたら、ぜひ番組HPに報告を!

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<番組情報>

ダーウィンが来た!「夏スペシャル 新種発見!身近に潜む大スクープ」

2022年8月18日(木)夜7:30から放送

「新種発見」制作ウラ話ブログはこちら↓

→ここをクリック 中島ディレクターが書いた夏スペシャルの制作ウラ話です!