「トンボ大調査」中間報告~台風とウスバキトンボ~

NHK
2022年9月8日 午後0:45 公開

↓10/9更新!中間報告第2弾。独自のマーキングする人も増加中。ページ下部に追加していきます↓

ダーウィンが来た!が取材しているウスバキトンボの大調査プロジェクト。全国の皆さまにご協力いただきながら継続中ですが、その中間報告です。

「ウスバキトンボ調査って何?」という方はまずこちらをご覧ください

→ここをクリック! ★トンボ大調査 協力者募集します!★

↓ 調査プロジェクトの再捕獲数も発表しています ↓

9/9中間報告「ダーウィンが来た!」に寄せられた情報

まずは、番組HPに投稿された情報のまとめから。ちょっと面白いことが起こったんです。8月前半から、全国各地で「ウスバキトンボを目撃した!」という情報が寄せられましたが、マークされたトンボの画像はナシ。8月も終わりに近づき「やっぱり難しいんだな~」と思いはじめた矢先。ついに画像が届きました。確かに後ろばねに黒ペンのマークがあります。8月28日午後4時頃、神奈川県川崎市の鈴木さんが横浜市鶴見区で捕まえました。すごい!

でも・・・あれ?何か変ですね。ウスバキトンボにしては、ちょっと赤すぎませんかね?鈴木さんも、ウスバキトンボではなさそうなので疑問に思いながら送ったとのこと。調べてみると「ショウジョウトンボ」であることがわかりました。一体どうしたことでしょう。マークを担当するプロジェクト調査員の誰かが、間違えてショウジョウトンボに印をつけてしまった可能性はあります。でも、調査員の人たちは、毎回しっかり確認してからマークしているので、なかなかないケースだと思われます。ということは・・・?と考えているところへ、もう1通の投稿が入りました。

んん?これは、明らかにウスバキトンボではない!体の一部しか写っていないのではっきりとはわかりませんが、シオカラトンボの仲間でしょうか。でも、黒ペンのマークがくっきりと書いてあります。これはもしかすると、ウスバキトンボ調査以外にもトンボのはねにマークをしている別の研究プロジェクトがあるのかも知れません。このトンボの画像を送ってくれたのは、横浜市鶴見区の前田 優さん。鈴木さんがショウジョウトンボを捕まえた場所の近くですね!どうやら横浜に別のチームがいるようです。早速、調べてみると、意外にも答えはすぐに判明しました。横浜市で活動する「トンボはドコまで飛ぶかフォーラム」という、企業・市民・行政が参加するネットワークが、毎年トンボにマークして再捕獲する調査を行っていたのです。今回、ウスバキトンボの調査にも協力してくれているので、すぐに連絡がとれました。

横浜のトンボフォーラムが行う「トンボはドコまで飛ぶか本調査」は2003年にはじまり、20回目。これまでの成果を論文として発表もしています。今年は市内18か所で8月中に約1,440のトンボにマークしており、鶴見区にも調査地点がありました。いま、番組に寄せられた画像を提供して、いつ、どこの地点で放したトンボなのか、確認してもらっています。ウスバキトンボではありませんでしたが、思わぬところで別の調査に貢献することができました。鈴木さん、前田さん、ありがとうございます!

ちなみに、前田さんは8月1日にトンボを捕まえていました。その時は、はねに何か書いてあるので「なんだろう?」と思って写真を撮りましたが、そのままになっていました。その後、8月28日の「ダーウィンニュース」を見てトンボ調査を知り、番組に画像を送ってくれたそうです。調査でマークされたトンボが再捕獲された情報は、研究のための貴重なデータとなりますが、こうして埋もれているケースは他にもたくさんありそうですね。多くの人に知られれば、もっともっとデータが集まるハズ。「ダーウィンが来た!」では、今後もこうした調査を積極的に取り上げていきたいと思います。全国で似たような研究をされている方がいましたら、是非ご連絡ください!一緒にやりませんか?

さて、それではウスバキトンボ調査の成果に戻りましょう。番組HPに寄せられたウスバキトンボの情報をまとめると・・・さまざまな情報が寄せられてはいるのですが、9月9日現在、マークされた個体の画像はゼロ。うーん、残念。でもがっかりしなくて大丈夫!調査プロジェクトの方では再捕獲が進み、生態に関する情報も既に得られているんです。

中間報告!調査プロジェクトの成果

9月9日現在、ウスバキトンボの再捕獲数は41。うわ~、さすが調査員の方々はすごいなぁ。でも、一般参加者の皆さんもあきらめないでくださいね。プロジェクトメンバーがたくさん捕まえられるのは、理由があるんです。じつは、すべて最初に捕まえた場所から1km以内での再捕獲でした。やっぱり放した場所から近い方が、捕まえられる確率は高いですよね。でも、この41匹は放してすぐに捕まったわけではありません!マークしてから翌日の再捕獲が29匹、2日後が9匹、3日後が3匹という結果。プロジェクトによると、3日後も同じ場所にいるのは想定外だったそうです。長距離移動するウスバキトンボは常に動き続けているイメージもありましたが、1か所にしばらくとどまるものがいる可能性が出てきました。一方で、「旅をする」というウスバキトンボの特徴もデータにあらわれています。現在7,000以上の個体にマークをつけていますが、同様の研究プロジェクトに比べて再捕獲の割合が非常に少なく、ウスバキトンボの移動性の高さを示している、とのこと。つまり、マークしてもすぐどこかへ行ってしまうので、なかなかつかまらないということですね。それは、逆に言えば調査地点から遠い場所でも見つけられる可能性があるということ。プロジェクトの調査員の方々にもまだできていない「遠隔地での再捕獲」を最初に成功させるのは、あなたかも知れません!!皆さん、ウスバキトンボを見つけたら、ぜひ捕まえてみてください。

うれしい情報は、プロジェクトの参加者がどんどん増えていることで、チーム数が8つ増えたそうです。マークされる個体数が増えれば、捕まえられるチャンスもアップするはず!プロジェクトは、ウスバキトンボが少なくなる11月いっぱいまで行われる予定です。まだまだ続く調査、皆さまの情報お待ちしております。今後もこのページに追記する形で、中間報告をしていきますので、ご期待ください!

↓ウスバキトンボ調査の参加方法・画像の投稿先はこちら↓ 

→ここをクリック ★トンボ大調査 協力者募集します!★

9/18更新・追加情報

まず、番組HPに寄せられたトンボの情報を横浜のトンボフォーラムの方から教えていただきましたので、そのご報告から。

鈴木さんが捕まえたショウジョウトンボ、8月28日午前、横浜市鶴見区の小学校でマーキングされたものだったそうです。鈴木さんがつかまえた場所から直線距離で650mほど離れていました。捕まったのは同じ日の午後4時。半日で森をひとつ越えて移動したようです。

そして、前田優さんが捕まえたのは、オオシオカラトンボ。8月1日の朝に、横浜市鶴見区の公園でマーキングされたものが、その日の午後5時に同じ公園の中で捕まりました。こちらは、半日経っても同じ場所にいた、ということですね。

どのくらい移動するかはトンボの種類や時期によって違うでしょうから、こうしたデータがたくさん集まると、もっとそれぞれのトンボの生態がわかってきますね!

そしてもちろん、ウスバキトンボの調査も続いています。

9月18日までにマーキングされた個体数は10,000を超えたそうです。再捕獲の数も順調に増えているようですので、詳しい情報が入り次第、またこのページに追記します。お楽しみに!

【NEW!!】10/9更新☆トンボ最新情報

「ダーウィンが来た!」に寄せられた情報

まずは、番組HPに寄せられた情報のまとめから。マークがついたトンボを再捕獲したという報告は、残念ながら、その後来ていません。でも、個人的に新たなマーキングしました!という報告が全国から集まっています。下の画像は、愛知県名古屋市の小学生、水野陽耀(はるき)さんがマーキングしてくれたウスバキトンボです。放した場所は名古屋城の近く!どこまで飛んでいくのでしょうか?またどこかで捕まえられるといいですね。東京都町田市の川田澄男さん75歳は、庭に来たトンボを捕まえ、これまで20以上もマーキングしてくれました。庭だけでそんなにたくさん、すごい!ブログ担当スタッフなどは、なんとか捕まえようとトライしても失敗続きでほとんど捕れないので尊敬です。元々、チョウがお好きで、本格的な捕虫網をお持ちとのこと、道具と技量の差は歴然ですね・・・。川田さんがマーキングを始めたのは9月、「8月にはもっとたくさんいた」とのことですが、10月に入っても続けておられます。町田の谷戸にはトンボがたくさんいて、ウスバキトンボらしきトンボの交尾もご覧になったとのことでした。

他にも、たくさんの投稿をいただいています。皆さんをご紹介できず、申し訳ありません。動画でウスバキトンボの面白い生態を報告してくれた人もいて、現在検証中です。順次、ブログの中でご紹介していきますのでご期待ください。そして、お次はお待ちかね、調査プロジェクトの成果のまとめです。

水野さんがマーキングしたトンボ

水野さんがマーキングしたトンボ

中間報告第2弾!調査プロジェクトの成果

トンボ調査、さらに進んでいます!マークされた個体数は12,000を超え、再捕獲数も71にまで伸びました(9/26集計時)。肝心の「遠隔地での再捕獲」はというと・・・残念!まだありませんが、神奈川県で約3km移動したものが見つかったとのことです。そして、「同じ場所にとどまる個体」についてのデータがいま大注目!4日後も同じ場所にいたものが3個体、5日後が2個体と、さらに日数が伸びてきた上に、生態に関する新たなトピックも出てきたそうです。調査プロジェクトの中心メンバーのお一人、愛知県立岡崎高等学校教諭の市川雄太さんにお話を聞きました。「長く同じ場所にとどまる個体がいるという情報も、研究としては非常に興味深いことです。そして今回、9月に日本を通過した台風14号の前後でデータが取れたことは大きな成果でした。台風がくる前にマーキングした個体が、台風の通過後にも同じ場所にいたケースが、滋賀と奈良の2か所から報告されました。ウスバキトンボは台風の時に吹く強風に乗って大移動するとも言われているのですが、必ずしも台風の時に移動せず、やり過ごしている個体もいることがわかりました。」

プロジェクトの参加チーム数も増え続け、9月26日時点で62チーム。企業や個人での参加もあるそうです。10月に入り、ウスバキトンボは少しずつ減ってきますが、西日本や沖縄を中心にまだまだマーキング作業も進んでいますので、念願の「遠隔地での再捕獲」を目指してラストスパート、がんばりましょう!

関連リンク