皆さん、こんにちは。久々にブログスタッフ突撃取材の記事です。「ダーウィンが来た!」のディレクターが、ものすごい秘境に行ってきた、という話を耳にしました。これ、大ニュースです。なぜって、ダーウィン班のディレクターといえば、ジャングルの奥地はもちろん、砂漠や高山まで、ちょいちょい普通に行っちゃう人たちです。そんな人たちがいう“秘境”というのは、もう並大抵のところではありません!香川史郎ディレクターを直撃しました。
ブログ担当スタッフ(以下、ブ):一体どこに行ってきたんですか?
香川ディレクター(以下、香):ネパールの奥地、アンナプルナ山群に囲まれた谷で「セティ・ゴルジュ」という場所です。
ブ:秘境だと聞きましたが?
香:いまだかつて、誰一人としてこの谷に入って調査をしたことはなく、地質調査図などでも真っ白の空白状態。地元の人も絶対に行かない、人跡未踏のまさに秘境ですね。
ブ:そこに珍しい生きものがいるから行った、ということですか?
「セティ・ゴルジュ」の遠景
香:いえ、取材の目的は谷そのものでした。「ゴルジュ」とは、切り立った崖に挟まれた狭い谷を指す言葉ですが、セティ・ゴルジュは世界でも極めて特殊で、幅は十数メートルという狭さにも関わらず、深さは200メートル以上あるという恐ろしい場所です。標高3000メートルを超える人里から離れた山奥にあるので、たどりつくことさえ大変な場所なんですが、なんとその谷の下まで降りて、谷底を歩いて探検をしようという日本人探検家たちを追いかけてロケをしてきました。
ブ:なるほど~。今回は、「ダーウィンが来た!」の取材ではなかったんですね。
香:出発前にプロデューサーから、「せっかく秘境に行くなら、生きものも撮影して、ダーウィンが来た!かワイルドライフを作れないのか?」と何度も聞かれましたが、「いや、このあたりには生きものはいません」と答え続けていたんですが・・・
ブ:もしかして、いた?
香:はい、ヒマラヤタールというヤギの仲間が崖をさっそうと走って行く姿が見られました。
断崖の上の急斜面を走りぬけるヒマラヤタール
ブ:あら~、いたんですね。
香:いましたね~。他にも、何種類もの生きものがいるようです。落ちれば間違いなく命とりになるような大絶壁のすぐ上に、けもの道がたくさんついているのを見つけました。実際に姿を見かけたのは、ヒマラヤカモシカやナキウサギ、チベットセッケイなどです。
ブ:厳しい環境でも、生きものはいるんですね。
香:現地は思ったよりも植物がたくさん生えていたので、生態系が成り立っているんだと思います。
ナキウサギ
ヒマラヤサクラソウの仲間
ブ:それで、今回取材した番組はいつ放送になるんですか?
香:じつは、一部は既に放送しています。BS4K「セティ・ゴルジュ 世界最深の谷に挑む」という番組です。いずれBSPなどでも放送される可能性が高いと思います。
ブ:一部は放送、ということは、まだ先もある?
香:はい、今はその番組からさらに進んで、探検隊が谷の核心部に挑んだ第2次遠征を追いかけた番組を編集している真っ最中です。既にお伝えした第1次遠征よりも、格段にスケールアップした映像になっています。まだ詳しいことは話せませんが、放送予定などが決まり次第、またお知らせします。
ブ:お~!すごい、では、知らせがあり次第、ここに追記させていただきます!
香:よろしくお願いします。
谷に降りる探検家たち。幅は数メートルなのに、深さは200メートル以上もある
ゴルジュの底に未発見の大滝が現れた
天空のベースキャンプ。奇跡的に見つかった平らな場所が探検の拠点となった
いかがでしたか?上にご紹介した写真は、既に放送した番組の中からの映像。これだけ見てもすごい探検なのが伝わってきますが、それよりさらにすごいものが見られるという次の番組、ぜひ見たいです。情報が分かり次第、またお伝えします!
ブログ担当スタッフ
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