「エゾライチョウ」制作ウラ話~ぽっちゃりの理由はチョウ!~2022年6月5日放送

NHK
2022年6月14日 午後0:43 公開

◎制作こぼれ話 ちょっとディープなミニ情報

「雪の忍者エゾライチョウ」。そんなタイトルで番組を制作しましたが、実際の冬のエゾライチョウは、ぽっちゃり体型で木の枝の上でよろめきながら必死で新芽を食べてばかり。どちらかというと、“どんくさそう”にも見えてしまう鳥です。でも、それには理由がありました。北海道の冬は日照時間が短く、食事が取れる時間がわずかなうえ、冬芽は大量に食べないと栄養がつきません。そのため、エゾライチョウは植物を消化するために微生物を住まわせた長い盲腸を2本も持っています。大量に食い溜めし、夜に“雪とんの術”で雪中に潜り、じっくり休みながら全て消化するんです。そんなエゾライチョウは、アイヌ語で「フミルイ」と呼ばれます。意味は「その音・はげしい」。激しい音で雪から飛び出す“雪とんの術”は、これまで一部の研究者ぐらいにしか知られていなかった幻の越冬術。でも、もしかしたらアイヌの人たちは昔から、この驚きのワザを知っていたのかもしれませんね。

ディレクター 菅野 舞