「東京生きもの調査隊」制作ウラ話~ムササビのライバル~2022年7月10日放送

NHK
2022年7月10日 午後7:54 公開

◎制作こぼれ話「ムササビの意外なライバル」

少年漫画の忍者のような滑空術で100mも“飛ぶ”と言われるムササビ。天敵に襲われても得意技でピンチを回避します。でも、子どもの頃は、ヘビやテンなどの捕食者に襲われると、ひとたまりもありません。最近では、ハクビシンやアライグマなどの外来種に狙われる可能性もあります。さらに、ムササビの意外なライバルが、スズメバチ。ムササビの巣の中にチャイロスズメバチが入って巣を作ってしまい、大騒ぎに。刺されて死んでしまったムササビがいた、という話もあるそうです。今回、幼稚園で誕生したムササビの子どもたちが無事に成長できるか、ハラハラしながら見守っています。

◎撮影の現場から「特殊カメラ大活躍!」

ムササビは一生のほとんどを木の上で過ごすうえ、夜しか活動しないため、行動を観察することが難しく、普段どのような暮らしをしているのかほとんど解明されていません。そこで今回、様々な特殊カメラを準備。赤外線ライトで撮影可能な「超高感度カメラ」、ムササビの体温を感知して撮影する「サーモカメラ」、さらに巣箱内に設置した「定点カメラ」を駆使して、街なかの森で暮らすムササビの撮影に挑戦しました。撮影に同行して下さった研究者や学生の皆さんも、初めて見るムササビの暮らしぶりに驚きを隠せない様子でした。

サーモカメラで見るとムササビがくっきり!見たい方は・・・

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※配信は終了しています↑

◎ディレクターのお気に入り「ちいさなムササビ博士たち」

今回取材にご協力いただいたムササビがやってくる幼稚園では、毎年、年長さんになると、ムササビの巣箱の掃除や観察会などの生きもの教育が行われます。はじめはムササビにそれほど興味がない園児もいましたが、卒園が近づく頃になると、みんな大人顔負けのムササビ博士に成長。将来、ムササビの研究をしたいと専門家にお願いする子もいました。そんな園児たちと一緒にムササビの映像を見たり、自然観察に出かけたり、取材の中でその成長ぶりを間近に感じられたのが楽しい時間でした。今後も、園児の皆さんと一緒にムササビ家族を見守っていきたいと思います。

ディレクター 横尾 正博

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