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初回放送日: 2023年3月4日
西村一成(44)が描き始めたのは、19歳のとき。音楽を志し名古屋から上京したが、精神の不調をきたし実家に戻った。以来25年間、自分の部屋でキャンバスにすがるように描き続けてきた。家から出ることはほとんどなく、自らの個展に姿を現わすこともない。家族以外誰も見たことのない創作現場にカメラが入り、西村の1年を記録した。孤高の画家による圧倒的な表現は「アートとは何か?」「生きるとは?」と問いかける。
日本映画の巨匠・黒澤明。撮影を始めたものの未完に終わった作品のフィルムが残されていた。ドキュメンタリー映画「能の美」。日本の伝統芸能「能」の神髄を伝えようとしたものだ。能を取り入れた作品を数多く撮ってきた黒澤。「蜘蛛巣城」と「乱」では、メイク、衣装、所作などに能を取り入れてシェイクスピア作品の映像化に成功した。デジタル化した「能の美」を入り口に、俳優や関係者の証言から黒澤映画の秘密を解き明かす。
1994年、日本人で二人目のノーベル文学賞を受賞した大江健三郎さん。NHKは、家族と共にスウェーデンでの授賞式に臨む大江さんに密着取材を行った。話題を呼んだ受賞記念講演「あいまいな日本の私」を中心に大江さんのメッセージを伝える第1回「日本人の祈り」、作曲家として歩み始めた長男・光さんとの心の交流やスウェーデンの人々とのふれあいを通して、大江文学の未来を見つめた第2回「新しい方へ」を続けて放送する。
米軍統治下の沖縄で基地の周辺に生まれた歓楽街。戦災や土地収用によって困窮した多くの女性たちが、生きる糧を求めてバーやナイトクラブに集まった。その多くは離島や奄美の出身。社会の冷たい視線に耐えながら、米兵相手に稼いだ金で親兄弟の生活を支えていた。米兵との子どもを抱えて基地街で働いた女性も少なくない。奄美大島出身の1人の女性の歩みを軸に、沖縄の夜を生き抜いた人々の知られざる人生を当事者の証言で描く。
『ETV特集』は、さまざまな社会問題を取り上げるドキュメンタリー番組です。考えるヒントを提供する「心の図書館」であることを目指しています。