「私が突き止めたかったのは“命の重さ”だった」。40年前、日本とアメリカで大規模な調査を行い、太平洋戦争のミッドウェー海戦で命を落とした3418人の詳細を明らかにした作家・澤地久枝さん、92歳。指揮官のずさんな命令で奪われた命、15歳の若さで志願して戦場に向かった命…。そして、「その死にどんな意味があったのか」問い続ける遺族たち。それぞれの生と死の物語をたどり、現代的な意味を問い直す。
「下品でもいい。赤い靴履きたかったの」昭和の作家・有吉佐和子。今、復刊が相次ぎ、若い読者の心を動かしている。差別の根源を問う『非色』。認知症介護の実態を描く『恍惚の人』。なぜ、時代を超えて響くのか?故郷・和歌山で進む遺品の調査や、元編集者たちの証言から、有吉の怒りと覚悟に迫る。そして、晩年のルポ翻訳『最後の植民地』に込めた、“赤い靴を履く”女性たちへのエールとは? 朗読:和久井映見 出演:草笛光子
『ETV特集』は、さまざまな社会問題を取り上げるドキュメンタリー番組です。考えるヒントを提供する「心の図書館」であることを目指しています。