前澤友作さん”宇宙は本当にあった” インタビュー公開

NHK
2021年12月14日 午後10:00 公開

実業家・前澤友作さんらが、日本の民間人として初めて国際宇宙ステーションに滞在。一般人でも宇宙旅行を楽しめる「宇宙新時代」の幕開けを印象づけました。

12月14日の放送では、NHKのスタジオと国際宇宙ステーションを結び、前澤さんへのインタビューを実施。番組で紹介出来なかった部分も含めて公開します。

クローズアップ現代+「民間人が宇宙へ 新時代の幕開け」2021年12月14日放送 ※放送後1週間見逃し配信

↑インタビューのダイジェスト動画はこちらから

(インタビューは日本時間12月13日夜9時頃から行った)

保里小百合キャスター(以下、保里):よろしくお願いいたします。「クローズアップ現代+」の保里と申します。

前澤友作さん(以下、前澤):はーい、保里さん、よろしくお願いします。

保里:よろしくお願いします。マイクが(浮いて)回ってますね。

最初からアメイジングな映像、ありがとうございます。

(無重力で浮いているマイク)

寝る姿勢は「背中に壁をくっつけて」

保里:宇宙での6日目を迎えられましたけれども、そちらでの生活はいかがですか。

前澤:だいぶん無重力感にも慣れてきまして。最初は寝られない感じだったんですけど、寝る方法も身につけ始めまして、地上と変わらないような生活リズムで暮らせてます。

保里:睡眠はちゃんと取れるものなんですか。

前澤:最初は浮いたまま寝ることにすごく違和感があったんですが、自分なりの寝方を見つけまして、それを取り入れてから寝れるようになりました。小さな部屋の中で、足をつっかえ棒みたいにして、背中を壁にくっつけて寝るように寝てます。

保里:ええ!?

前澤:ちょっと説明が難しいんですけども。何かにこうくっついてないと、何か寝た気がしないんですよね。浮いて寝るって結構難しくて。

保里:その辺の感覚も板についてきているというわけですね。

前澤:そうですね。

「絶叫マシーンを想像していた」が・・・

保里:訓練を入念に行ってきたと思うんですが、実際の打ち上げでは、体にかかる負荷や不安、恐怖はどんなものでしたか。

前澤:はい、実際のロケットのローンチ(打ち上げ)では、ソユーズがすばらしいのか、全く体に負担もなく、揺れたり大きな音がしたりというのもほとんどないんですよ。

当然、重力加速度=Gはかかりますが、それはさんざん訓練でやってきていたので、別に何の恐怖感もなかったですね。

「もう終わっちゃった」という感じで、もっと絶叫マシーンみたいなものを想像してたんですけど、意外と静かでスムーズでびっくりしました。

保里:想像していたよりも宇宙は居心地いいですか。

前澤:ロケットはすごく居心地よかったです。また乗りたいなと思います。

宇宙空間、ステーションに入ってからは、やっぱり皆さんおっしゃるとおり、モーションシックネス=宇宙酔いが若干ありまして、最初の2、3日はそれに慣れるまで少し気持ち悪い状態が続きましたけど、もう今日あたりは全然違和感ないです。

宇宙に行って価値観は変わった?

保里:出発前の会見では「この体験を通して考え方や価値観がどう変わるのか期待しています」というお話をされてましたけれども、実際に行ってみてどうでしょうか?

前澤:今のところ気持ちや考え方に大きな変化はないですね。ただ、何となく予想するのは、地上に降り立ってから何か変わるんじゃないかなっていう期待はしてます。

やっぱりステーションの中には最先端技術が積み込まれていて、色々な実験が繰り返されてますので。数十年後のこの人類の歩むべき道の、一片を見たというか。

真剣に実験を繰り返す飛行士の皆さんたちの真剣な眼差しもすごく印象的で「これが未来の人類の進んでいく姿なのかな」みたいに、ちょっと見てます。

保里:宇宙に行ったことで、地球で暮らす人類の未来に思いを馳せていると。

前澤:本来は、我がすばらしい地球に永続的に人間が住み続けられれば、それが一番いいとは思うし、宇宙に来て改めて地球のすばらしさを体感してるわけですけれども。

それ以外の部分で言うと、やっぱり人類っていうのは、この未知の宇宙というものに大きな可能性を見出していると思うんですね。

そういう意味で、この新しい未来に向けての色々な実験がここで行われているのを目の当たりにしたときに、本当に何か未来を感じます。

「好奇心だけでたどり着いた」

保里:人類にとってより宇宙が身近になっていくかもしれない、その入り口に立たれていると思うんですけど、そもそもなぜ宇宙を目指そうと思われたのか、教えてください。

前澤:子どものような回答で申し訳ないんですけれども、本当に「行ってみたい」という好奇心だけでここまでたどり着きました。

保里:ここまでの道のりは長かったですか。

前澤:そうですね。見たことないものを見たいし、知りたいという、もう本当に好奇心です。本当に夢がかなっちゃったよっていうのと、リアルに宇宙ってあるんだと。

そして国際宇宙ステーションというサッカーコートぐらいある大きな鉄の塊が、上空400キロメートルの地球上の軌道をぐるぐる回って実在するんだという、そのリアルなものを見たときにほんとに感動しました。

保里:最初のユーチューブ動画で「頑張れば夢はかなう」と発信されてましたが、前澤さんが改めて日本のみなさんに伝えたいことはどんなことでしょうか。

前澤:何かこう、宇宙に来て改めて「不可能なことってないんだな」って思いましたし「人って強いな」と思いましたし、技術の進歩だったり人類の進歩って本当にすごいなと思います。

ですので地上で皆さん、色々な悩みだったり考えごととかあると思うんですけれども、宇宙は広いですし、人類はもっともっと進歩していくので、足元のことからでもいいと思いますんで、一つ一つチャレンジだったりを諦めずに、夢をかなえてほしいなって思いました。

保里:そこにたどり着くまでに、あきらめそうになったことはないんですか。

前澤:ないですね。もうやるって決めたんで。

7年ぐらいここに来るまでかかりましたけど、途中で挫折しそうになったことはなかったです。悔しい思いとか何度もありましたし、思い通りにいかないことも何度もありましたけど。

保里:揺るがなかったわけですね。そしてたどり着いた宇宙で、一番大きな発見はどんなことでした?

前澤:「(宇宙が)本当にあった」という感じですね。頭の中では上空100キロメートル以上が宇宙だとは知ってはいましたけど、本当にそこまで到達して無重力状態になって、体感して実感してっていうこと自体がもうすべて感動の毎日です。

スキップは「マジで難しい」

保里:そうした中で前澤さんは『宇宙でやってほしい100のこと』に挑戦するとおっしゃってますが、いまこの時間にどれかやってみせていただくことはできますか。

前澤:一番簡単なところでいうと、無重力状態で浮くんで。ちょっと浮いてみます。

保里:お願いします。

前澤:浮いてます。

保里:浮いてますね!ちなみにそこからストレッチしたりスキップしたりできるものでしょうか。

前澤:浮いちゃうんです体が。できないです。スキップはマジでできないですね。難しいです。全然コントロール効かないです、慣れるまで。

保里:『手洗い動画』も拝見したんですけれども、お手洗いの方は慣れてきましたか?まだ失敗はないですか。

前澤:はい、いまだに失敗なしです。最初はかなり不安だったんですけど。

保里:ほかに、実際こんなことが大変だったみたいなことはありました?

前澤:食事は結構大変ですね。汁物だと汁ごと空中に散布されてしまうので、何度も汁を食卓から逃がして、それを自分で無重力の中で追いかけて口の中に入れるみたいなことやってます。

保里:面白いですね!それでもあえて汁物に挑んでるんですね。

前澤:そうなんです。恋しくなるので。スープだったり、皆さん飲んでますよ。日本のおみそ汁なんかを飲んでる飛行士の方もいらして。もう上手に皆さん飲まれてます。

残念ながら、まだカップラーメンは食べてないんですけど。スープ系のものは何度かチャレンジしてます。

「徐々にホームシックになりつつある」

保里:宇宙と地球の地上、どっちが居心地がいいですか。

前澤:それは地球ですね、間違いなく。もう徐々にホームシックになりつつあります。

保里:本当ですか。「もうこのまま宇宙にいたい」なんていう気持ちは。

前澤:宇宙飛行士の方の中には1年ぐらいいらっしゃっている方もいますが、今回12日間の滞在でちょうどよかったなと思います。

例えばそれが5日だと、やっと無重力に慣れたところで帰えらなきゃいけないですし、1か月だとちょっとホームシックになっちゃう感じもあるんで、12日というのは絶妙な滞在日数だなと思います。

保里:じゃあ、ちょっと疲れもたまってきてますか。

前澤:いえいえ、全然疲れてないですよ。もう毎日毎日、ワクワクドキドキしながら過ごさせてもらってます。

挑戦への”賞賛”と”批判”がある中でー

保里:今回の前澤さんの挑戦に対して賞賛する人もいれば、批判する方もいらっしゃると思います。色々な声がある中で、改めて前澤さんが伝えたいことはどんなことでしょうか。

前澤:まあ、もうやったもん勝ちなんで。

自分でお金頑張って稼いで夢かなっちゃって、もう楽しいしかないです。はい。申し訳ないですけど。

保里:宇宙でご覧になっている景色、どう見えてますか。

前澤:本当に地球は青いですし、本当に丸いんだって初めてリアルに体感できたんで。

「ああ、色々な偉人の方々が言ってたことは本当だったんだ」というのを自らの目で見られて、本当に感動してます。

保里:前澤さんを見て「いつか私も宇宙に行けるのかな」と想像している人もたくさんいると思うんですが、いつか前澤さんに続いて行けるんですかね。どうでしょうか。

前澤:もちろん行けると思います。お話ししてるように、宇宙酔いに慣れるまで3日~5日ぐらいかかるのと、やっぱりそれなりに多額な費用がかかりますし、まだ訓練が必要になると思うんですね。

そういう意味では、時間的にも精神的にも金銭的にも、かなり余裕がないとなかなか行ける場所ではないな、というのを今回改めて痛感しましたね。

「サステイナブル」を考えるタイミング

保里:先ほど「これからの地球の未来について思いを馳せてる」とお話されていましたけれども、地上に戻ってから今回の経験を生かして、どんなことを実現されていくんでしょうか。

前澤:まだ何も考えてはないですし、決めてないですけど。やっぱりここに来て思うことは、例えば水一つとっても大変なんですね。水を調達するのが。あと例えば、ごみを出したらその捨てる場所もないわけじゃないですか。

そういう意味で、やっぱり人間の新しい暮らし方『サステイナブルな暮らし方』というものについて世界全体で考えていくタイミングだなって思ってますし、宇宙に来てその考え方がより強くなりましたんで、地上でも自分の暮らし自体も改めて考えたいなとは思いました。

保里:SDGsを考えているいま、多くの人が宇宙に接点を持ち始める。このタイミングで未来につながる色々な気づきを得られる、ということですね。

前澤:はい、そのとおりです。

保里:前澤さん、今日は本当ににありがとうございました。また地球で元気なお姿を見られるのを楽しみにしております。

前澤:こちらこそです。「また地球で」って言いたかったんで。「また地球で」お願いします。

保里:はい。「また地球で」。ありがとうございました。

前澤:ありがとうございました。

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クローズアップ現代+「民間人が宇宙へ 新時代の幕開け」2021年12月14日放送 ※放送後1週間見逃し配信