キャスター井上、初ブログです。重松清さんの言葉 家族の”手すり”に思うこと

NHK
2021年4月13日 午前11:48 公開

キャスターの井上裕貴です。

この春からの「クローズアップ現代プラス」、みなさんにどう届いているでしょうか?

まだ手探りの日々ですが、難しいテーマに対して情熱を燃やせることに、大きなやりがいと責任を感じています。放送では伝えきれない思いもあるので、この場でも取材・放送後記など、発信していきますね。

きょうのテーマはいわゆる“同居孤独死”です。

家族と一緒に暮らしているのに、亡くなっても気づかれない人がいま相次いでいます。

つながっているようでつながっていない社会で、どうすれば最悪の事態を避けられたのか。

何より、どうすれば当人や周りが一声かけられたのか、かけられる社会になるのか、難しい問いは残ります。

作家の重松清さんの言葉でとても印象的だったのは、

「家族は大切だけど、万能じゃない。だから何か頼りにできる“手すり”になる存在があれば、安心して暮らせるのではないか」という言葉です。

これは自分にとっても宿題です。この“手すり”については、捉え方がいろいろできますよね。

本当は、同居人同士が、お互いにとっての手すりのような存在になれたら一番幸せなのかもしれませんが、家族の事情もさまざま。
だとすると、家族以外の誰か、地域か、あるいは施設や行政支援など外的な選択肢か?

取材した名古屋局の大石記者、そして保里キャスターと話していたのは、少なくとも、頼りたいときにつかめる手すりがそこにある、とまずは思えること。

そして、それをためらうことなく、必要なときにつかんでいいのだと思える社会の空気作りを目指すことが最初の一歩として大事なのではないかということです。

実際は「親の老後は子がみないといけない」というこれまでの慣習や感情論なども根強くありますが、これから社会の手すりをどう増やしていけるのか、私自身も考えていきたいと思います。

重松さんの小説のように、最後には小さな救いや希望がある家族のエンディングがあることを願って・・・。

あとひとつだけ。

私にとっての”手すり”は、クロ現を応援してくださっている みなさんからの叱咤激励であることは、言うまでもありません。改めて、どうぞよろしくお願いします!