コロナ禍の外出自粛によって、ボランティアやサークルなど活動頻度が減った人は、身体機能低下やうつのリスクが高まることが最新の調査で明らかになりました。千葉大学予防医学センターの近藤克則教授と日本医療研究開発機構などによって行われた「地域づくりによる介護予防の推進のための研究」から調査の結果を紹介します。
調査は、11の自治体の65歳以上の高齢者を対象に行われました。
新型コロナ流行前後での活動頻度を調査したところ、ほとんどの社会参加・交流が半数の人で減少していました。
活動頻度参加が減少した人は、維持した人に比べて要支援・要介護である相対リスクが1.2ー2.0倍高いことがわかりました。
さらに、活動頻度とフレイル(身体機能の衰え)の関係については、活動頻度参加が減少した人は、維持した人に比べて、フレイルである相対リスクが1.2-1.5倍高いことがわかりました。
また、活動頻度参加が減少した人は、維持した人に比べて、うつである相対リスクが1.3-1.5倍高いことがわかりました。
コロナ禍による外出自粛が様々な健康被害のリスクを高めるという調査結果。新型コロナウイルスの感染症が流行する前のように人と会うのが難しくなっている中で、どうすればいいのでしょうか。その解決法の一つを示唆する研究結果も出ています。
インターネットを用いたコミュニケーションツールの利用が増えた人は、増えてない人に比べてうつである相対リスクが18-45%低く、手紙やはがきの利用が増えた人は、35%低いという結果です。
また、インターネットを用いたコミュニケーションツールの利用が増えた人は、増えていない人に比べて孤立を感じる相対リスクが18-30%低く、手紙やはがきの利用が増えた人でも24%低くなっています。
コロナ禍で高齢者の方々は孤立していまいがちです。インターネットツールや手紙・はがきを使ってコミュニケーションすることでも、“孤立という病”による健康被害のリスクを低くすることができます。離れて住むご家族に頻繁に連絡するなど、孤立を防ぐことが大切です。
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