ここに注意! トレカをめぐるトラブルが急増

NHK
2023年2月13日 午後5:38 公開

トレーディングカード、通称“トレカ”の高騰を受けて、個人でも中古市場を通じて売り買いする人が増えています。

それに応じて近年急増しているのがトラブル。背景には、フリマサイトなどのネット上の個人間売買の増加があるといいます。

トレカはネットで買って大丈夫?被害の実態、そしてトラブルに巻き込まれないためにはどうすればいいのか解説します。

(クローズアップ現代 取材班)

トレカだけで2,500万円の被害に

防犯カメラの映像

(防犯カメラの映像)

ことし1月末、取材班が訪れたのは、東京・秋葉原にあるトレカの専門店。被害に遭ったのは去年11月で、新たにお店を始めてから1週間たたないうちだったといいます。

防犯カメラには、シャッターをこじ開けて店舗に侵入し、トレカを展示したショーケースを割って中のトレカを根こそぎ持っていく男たちの姿が映されていました。盗まれたカードは分かっているだけで800枚以上あり、なかには1枚100万円近くするカードもあったといいます。

店主

店主
「中のカードがすべて盗まれた。(被害は)およそ2,500万円程度。カードだけで」

取材班が訪れたとき、カードの枚数自体は窃盗前と同じ水準に戻っていましたが、高額なカードに関しては、カラーコピーのダミーを入れるなど対策がとられていました。

同じような被害は全国各地で相次いでいます。

店主
「シャッターも付いていたし、監視カメラも付けていて、それでも(窃盗に)入るんだなというのがびっくりですね。すべて根こそぎですね。埋め直すのも資金力が追い付かないのが現状です」

偽物(模造品)や詐欺に注意

トレカをめぐっては、個人がトラブルに巻き込まれるケースも増えてきています。

国民生活センターによると、全国の消費生活センター等に寄せられたトレーディングカードにまつわる相談件数は、2020年度から21年度にかけて約1.5倍に増加。そのうち7~8割はインターネットなどを介したフリマサービスやオークションなど個人間取引によるものだということです。

フリマサービスで売られるトレカ

(フリマサービスで売られるトレカ)

どういった相談が寄せられているのか聞きました。

まずは、思っていたものとは違うものが届く、いわゆる偽物や不良品のケース。

フリマサイトで買ったトレカの中身が違っていたり、公式のカードではないものが届いたりというものや、「未開封のセット一箱」という商品説明だったのに未開封でないものが届いたという相談があったそうです。

レアカードを185万円で購入したが、届いたら偽物だったというケースも。

ほかにも、お金を振り込んだが商品が届かないなど、詐欺被害とみられる相談も増えているということです。振込先を確認したら口座が外国人名義で偽サイトだったという事例もありました。

またネットだけではなく、店舗での販売に関しての相談も寄せられています。トレカの福袋を購入したが支払った額に全く釣り合わない内容だったというものや、レアカードが必ず入ると言っていたのに入っていなかったといった事例です。

国民生活センターによると、「特にインターネットによる取引は実物を確認せずに購入することになるため、写真や商品説明をよく確認し、取引の相手が信頼できるか判断してから取引して欲しい」ということです。

店舗のほかネットでのトレカの販売・査定を行う専門店によると、いま「偽造トレカ」の流通が増えているということです。

トレカ鑑定歴10年のバイヤー・小島零さんはその背景として、ネットでの個人間売買の増加、そしてコロナ禍を挙げています。

トレカ専門店「プレイズ」小島零さん

トレカ専門店「プレイズ」小島零さん 「もともと(偽造トレカは)あったのですが、劇的に目に見えるようになってきたのはコロナ禍になってからです。新規参入するお客さまが増えたときからと感じています」

この店では1か月に1回、店舗間で「勉強会」を開き、どのような偽造カードがあったかの情報を共有することで、偽造を見抜けるスタッフの育成に努めています。

例えば光り方が本物と違っていたり、イラスト部分の文字がぼやけていたり、フォントが違っていたり、手触りが違っていたり…。

店員でも実際の本物を見たり触ったりしないと判別ができない場合さえあり、客が判別するのは難しいのではないかということです。

左が偽造品 右が本物

(左が偽造品 右が本物)

小島零さん 「フリマサイトでトレカを買うときは、相手が本当に信頼できるかどうか、過去の履歴を見たり、画像を送ってもらったりしたほうがいいです。怪しければ買わないなど、個人で注意していただくというところですかね。安いものにはそれなりに理由があって安く出品されていたりしますので、そこをちゃんと確認せず得だなと思って手を出すと、痛い目をみる可能性は高いです」

トラブルに巻き込まれたときは…?

急増するトレカをめぐるトラブル。では個人がトラブルに巻き込まれたときは、どうすればいいのでしょうか。

ネットでの個人間売買のトラブルに詳しい高木篤夫弁護士によると、個人での解決が難しく、問題の多くは顕在化していないのが現状だろうとしつつも、以下のような場合には弁護士に相談したりもできるということです。

高木篤夫 弁護士

高木篤夫 弁護士 「個人間売買でも、運営会社に個人情報が登録されているプラットフォームであれば、弁護士への相談を通じて犯人を追及したり、返金したり、解決できる可能性があります。一方、SNSの個人アカウントどうしで取引される場合は、弁護士が相談を受けても個人の特定に至らず、問題を解決できないこともあります。SNSなどでの個人間売買には、特別のルールや規制がないため、今後議論が必要になってくると思います」

商品やサービスなど消費生活全般に関してトラブルがあった場合、以下の電話番号から、地方公共団体が設置している消費生活センターや消費生活相談窓口の案内を受けることもできます。

  • 消費者ホットライン 188 / 03-3446-1623

ほかの注意点としては、事業として中古品の売買を行う場合には、個人や法人にかかわらず「古物商許可証」が必要となり、違反すると罰せられることもあります。

また、一定以上の収入を得る場合には確定申告も必要で、怠ると脱税とみなされることがあるので注意が必要です。  

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