特定危険指定暴力団「工藤会」とは? 市民が狙われた事件、組織の構図は…

NHK
2021年10月4日 午後4:14 公開

北九州市の特定危険指定暴力団「工藤会」の基本的な情報や関連する事件について、グラフィックで解説します。

 

九州最大規模の暴力団「工藤会」

工藤会は北九州市を拠点に福岡市や佐世保市、それに山口市など各地に傘下組織を持ち、2008年のピーク時には構成員が九州最大規模のおよそ730人にのぼっていました。

 

 

“一般市民に手を出すことをためらわない 突出した攻撃性”

工藤会の特徴について、暴力団の実態に詳しいノンフィクション作家の溝口敦さんは、

「北九州市全域を一党独裁と言えるほどに制圧しているために他の暴力団との間に抗争はない。その一方で、一般市民に手を出すことはためらわず、その攻撃性は他の暴力団と比べることができない」

と他にはない“攻撃性”を指摘。

また工藤会が民間人を狙った銃撃や暴力事件などを繰り返したとして、福岡県公安委員会は工藤会を「特定危険指定暴力団」に全国で唯一指定しました。

 

 

手りゅう弾、射殺、放火も… 市民が狙われた事件

工藤会の拠点がある北九州市や福岡市では市民が狙われた事件が相次いできました。

 

 

トップの野村被告に権力が集中する組織の構図

警察によると、工藤会は総裁の野村被告を頂点に、幹部クラスの執行部などが置かれた階層構造になっているとみられています。野村被告は傘下組織の組長を経て、2000年に「四代目工藤会」の会長に就任すると、2011年に「五代目工藤会」の総裁となりました。

今回の裁判では、実行役への指示を示す直接的な証拠がない中、トップの関与があったかどうかが争点になり、工藤会の組織力や指揮命令系統が注目されました。

 

判決によると工藤会は総裁の野村被告が最上位、これに会長の田上被告、その下に理事長といった序列が厳格に定められていました。

野村被告は組員から「本家」と呼ばれて神聖視され、工藤会の2次団体の多数の組員が24時間体制の当番、あるいは部屋住みとして野村被告の身の回りの世話などをしていたことが明らかになりました。

 

 

他にも福岡地裁の判決では、

  • 会長の田上被告や幹部組員がほぼ毎日、朝の挨拶をするためだけの目的で頻繁に野村被告の自宅を訪れていた

  • 野村被告の私的な空間である自宅に田上被告は上がっていたが、理事長は上がることはなかった

  • 朝、2階から階段を降りてくる野村被告を迎える際には幹部組員は1階廊下に正座して出迎えていた

など工藤会における野村被告の立場について言及されました。 

 

そして、「工藤会がこうした厳格な序列が定められた暴力団組織であることを踏まえ、重要な意思決定は被告両名が相互に意思疎通をしながら最終的には野村被告の意思により行われていたものと推認するのが合理的である」と指摘しました。

 

 

あわせて読む

30年で構成員7割減…令和時代 暴力団はいま【グラフィック解説】

“修羅の国”と呼ばれた福岡県 北九州 小倉の町はいま【ディレクター取材記】

 

関連番組

工藤会と"91人の証言者” 暴力団トップ死刑判決の内幕(2021年10月5日放送)

NHKプラスでは放送1週間後まで見逃し配信中です(~10月12日)