犠牲者は11人に 事故の最新情報

北海道の知床半島の沖合で、乗員・乗客26人が乗せた観光船が消息を絶った事故。
第1管区海上保安本部によると、これまでに救助された11人全員の死亡が確認されました。(25日16時時点)
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NHKニュース「新たに子ども1人死亡確認 死者は計11人に」
事故の経緯まとめ

観光船「KAZU I」は、23日午前10時ごろに斜里町ウトロの港を出港。
「知床岬」で折り返す、往復3時間ほどのツアーを予定していました。
▼事故の詳しい経緯はこちら▼
知床 観光船事故 何が起きたのか…【経緯】
しかし出港から3時間後の午後1時すぎに、無線や電話で「船首が浸水し、沈みかかっている。エンジンが使えない」という救助要請がありました。
そして午後2時ごろ「船首が30度ほど傾いている」と運航会社に伝えたのを最後に、連絡がとれなくなりました。
▼船の状況は?こちらの記事で詳しく☟▼
【詳しく】「経験したことのない恐怖」"船が30度傾く”とは 専門家が解説☟
現場周辺には注意報が

事故当日、現場周辺では強風注意報と波浪注意報が出ていました。
気象データの分析から、午後にかけて風が一変。急速に強まり、波も高まっていたことがわかりました。
午前10時ごろから北西の風が強まり、救助要請の通報があった午後1時ごろには、風速15メートル以上に。
ウトロ港で観測された波の高さは、正午ごろから上昇。現場の海域の波の高さは3メートルだったとみられます。
事故の当日、同じ会社が運航する別の船を操縦していた男性は、取材にこう話しました。

「(KAZU Iの船長と)朝も話した。午後の便も完全欠航だと話したら反応がなかった。天気予報見てないのかなという感じだった」
捜索が難航 小型観光船の盲点も
500トン以上の船舶には、船のIDや位置が発信される「AIS」の搭載が義務づけられています。
しかし今回の観光船は19トンと小型だったため、その義務はありませんでした。
そのため位置や進路が把握できず、捜索範囲を絞るのが難しくなっています。
【見逃し配信中】『緊急報告 知床観光船でなにが」
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