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全アバター映像公開 ピーター・スコット-モーガンさんインタビュー(前編)

NHK
2021年11月24日 午後10:20 公開

ピータースコット-モーガンさん、63歳。全身の筋肉が麻痺して動かなくなる難病・ALSと診断され、余命2年と告げられました。

それから4年。余命宣告を超えて命をつないできたのは最新のテクノロジーです。

失われていく体の機能を、次々と機械に置き換え、サイボーグとなることで難病を克服しようと考えたのです。

私たち人類はその肉体にどこまでテクノロジーを取り込んでいくのか。

サイボーグとして生きるピーター・スコット-モーガンさんとの対話を、番組で紹介できなかった部分も含め、すべてお伝えします。

ーー日本の皆さんにごあいさつをお願いします。

ピーターさん:

こんばんは、日本のみなさん。

まだ私の翻訳ソフトが十分ではないので、ひどい日本語かもしれませんが、これぐらいなら何とか話すことが出来ます。

ネオヒューマンこと、ピーター2.0からのご挨拶でした。

ーー自らの運命に挑み、サイボーグになるという想像を絶する決断は、まるでSFの世界を見ているようですが、ピーターさんにとって自分自身が生き続けること以外にも何か成し遂げたい大きな動機、目的があったのでしょうか?

ピーターさん:

I wanted to reinvent, for EVERYONE, what it means to feel trapped in your own body.

私は自分の肉体に閉じ込められてしまう現実を変えたかったのです。

This isn’t just about MND. It’s about ANY disability. Whether from accident, disease, genetics, or even simply, old age. Even dementia.

ALSだけでなく事故や病気や生まれつきの障害老化や認知症もそうです。

But ultimately, it’s about everyone on EARTH! Breaking FREE!

究極的には誰もが そういう不自由さから解放されるべきです。

I’m lucky enough to be a prototype. A neo human. An early experiment in how humanity can make a huge leap into our future.  It’s also my chance to try to make a difference…

幸運にも私はその第1号となりました。ネオ・ヒューマンとして飛躍する最初の実験です。何かを変えるチャンスが 私に舞い降りたのです。

I passionately believe that it’s the birthright of every human being to be able to rewrite the future. For EVERYBODY.

人間は誰もが生まれながらにして 未来を書き換える権利を持っています。

Even when we’ve been brought to our knees. The point is, each of us can find ourselves crushed.  Simply staying alive.

現実に打ちひしがれ 押しつぶされそうになっても。

But each of us can also choose to rise like a phoenix.  And THRIVE - whatever we are, whatever our background, whatever our circumstances, whatever our ambitions.

不死鳥のように復活する道を選び 生まれも環境も関係なく 夢をかなえられるはずです。

Of course, it’s scary.

もちろん 怖いですよ。

But when our response to our clash of hope and fear is nevertheless to deliberately break the rules, rebel against fate, forge our OWN destiny, then sometimes - impossibly - we get to leave our fingerprints on everyone’s future. And we change … EVERYTHING.

しかし絶望のさなかでも常識を打ち破り 宿命にあらがい 自ら運命を切り開くことで 生きた証を未来に残せることかもしれません。そのとき私たちはすべてを変えられるのです。

ーーピーターさんは、自らを「実験台」にして得られたテクノロジーを、さまざまな障害がある人々が利用できるよう財団も設立されています。本当に壮大な試みですが、一方で、ピーターさん自身にはどうテクノロジーを使ってもやはり元のようには生きられないという、もどかしさはありませんか? 

ピーターさん:

Why would I only want to live as I used to !?

もとのように生きたいとは思っていませんよ。

It’s like being a teenager again!

10代に戻った気分です。

I can break rules I’ve never questioned before.

当たり前と思っていた「常識」を打ち破れるのですから。

For instance, I can eat and drink while I’m asleep.

例えば 眠りながら食事ができます。

I never need to get up at night to visit the bathroom.

夜中にトイレに起きることもない。

Yet I’m optimally hydrated 24/7.

しかも一日中適度に水分補給されます。

The common cold can’t take hold, and can never spread to my chest.

風邪もへっちゃら 胸まで広がらない。

I can potentially speak in any language.

どんな言語も話せるでしょう。

I can sing with a range larger than any professional singer.

プロの歌手より音域も広い。

And I can memorize a speech faster than any actor.

どんな俳優より速く台本を覚えられる。

So, my quality of life is… DIFFERENT!

つまり 私の生活の質は 変わったのです!

But here’s the amazing thing!

さらにわくわくすることがあります。

My future is tied to computing power.  The more computing power I can access - especially for AI - the greater MY powers will become.

コンピューターやAIの性能が上がれば 私のパワーも上がるからです。

And the power of computing for the same cost, DOUBLES every two years.

コンピュータは2年で2倍進化します。

In only twenty years, that’s a THOUSAND TIMES more powerful!

たった20年で 1000倍の進化を遂げているでしょう

That’s a LOT of potential to improve my quality of life !!

私の生活の質はどんどん良くなっていくでしょう。

ーーテクノロジーによって得られた能力は自分のものと感じられますか?それとも機械が代わりにやってくれていると感じていますか?

ピーターさん:

The human brain is EXTRAORDINARY!

人間の脳はすごい!

For about a year, my eye tracking system felt quite separate.

目の動きで会話するシステムを使い始めて 1年ほどは違和感がありました。

But then I started having dreams, where I spoke using my EYES. And it felt completely natural!

そのうち夢でも目を使って会話するようになり 今では全く自然に感じます。

Now, the system feels like, ME!

システムは私の体の一部になっています。

ーーただ、体の機械化が進んだとして、大切な自分の感情をこのようなアバターで思うように全て伝えることができるのでしょうか?

ピーターさん:

I want you to meet someone from, TOMORROW. A neo human. Me.

では未来から来た人を紹介しましょう ネオ・ヒューマンこと 未来の私です。

FUTURE me. I am a Transitioning Cyborg.

私は日々進化するサイボーグです。

THIS. Is who I’m transitioning TO…

これが進化した私です。

[Big Reveal] HELLO, I’M PETER 2.0, WELCOME TO THE FUTURE!

こんにちは ピーター2.0です 未来へようこそ。

What you saw is MY future. But. Infinitely more important.

今のは私の未来です。

By 2050. Across the planet. It will be. OUR. Future.

2050年までには地球上の誰もが(こうしたアバターを使うことに)なるでしょう。

ーー最近自伝を出版されことで、ピーターさんの挑戦に対する注目や賛同の声が寄せられていることと思いますが、一方で、その挑戦が常識からかけ離れていることで疑問や批判の声も届いているのではないかと思うのですが?

ピーターさん:

The silliest criticism was that what I’m doing, doesn’t FEEL right!

最もバカげた批判は、私の挑戦が正しいとは思えないというものでした。

But the wonderful thing about common sense is, it CHANGES!

しかし常識は変わります。

Whether it’s about the role of women, or being old, being disabled, being gay. Common sense, EVOLVES.

女性の役割や老い 障害や同性愛についても常識は進化してきました。

We are at the dawn of a new age. Soon, to different degrees, we will ALL choose to augment ourselves. I just happen to be the first.

我々は新しい時代の夜明けを迎えています 程度の差はあれ あらゆる人が 肉体にテクノロジーを取り込んでいくでしょう 私が1人目だったというだけです。

ーーあなたは自身をピーター2.0と名乗っていますが、サイボーグになってからの気づきなどありましたか?

ピーターさん:

Becoming Peter 2.0 confirmed my philosophy.

ピーター2.0になって 私の哲学が正しいと確信しました。

Never give up!  Life allows you to hope. Hope allows you to dream. And the right dreams. Can change the world!

決して諦めない 人生は希望を与えてくれる。希望があれば夢を見ることができる。そして正しい夢は 世界を変えることができるのです。

The point is, even if the universe sends a terrible storm that destroys your plans, and threatens to drown your dreams. You can shine a beacon of hope, into the very center of the storm. And you can create, a rainbow!

重要なのはたとえ宇宙からひどい嵐が吹き荒れて あなたの計画が壊され夢がかき消えそうになったとしても 嵐の中に希望の光を照らすことができます。そしてあなたは虹を作ることができるのです。

ーーピーターさんにとって人間である意味とはなんでしょう?

ピーターさん:

Humans are the only species on our planet that deliberately break the rules in order to try to change society.

人間は社会を変えるために常識を打ち破ろうとする唯一の存在です。

We break the rules of how we look, who we love, what we want to become. Breaking the rules is what moves civilization forward.

見た目や愛する相手 何者になりたいか そんな常識を打ち破ることで文明は発展してきました。

Without it, we would still be living in caves.

そうでなければまだ洞窟で暮らしていたでしょう。

Breaking the rules MAKES us human.

常識を打ち破る存在 それが人間です。

Agreeing which rules we choose NOT to break, makes us, CIVILIZED!

そしてどの常識を守るのか その合意こそが文明社会を作るのです。

【後編に続く】

全アバター映像公開 ピーター・スコットーモーガンさんインタビュー(後編)

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クローズアップ現代プラス「サイボーグとして生きる」(2021年11月24日放送) ※放送後1週間は見逃し配信