文人墨客に愛され、水墨画や詩の題材になってきた中国・黄山。唯一無二の絶景地帯を生んだ地殻変動の秘密に迫るとともに、奇岩と雲海とが描く自然の芸術に出会う。 黄山は、古来、仙人がすむ世界、仙境とされてきた。中国東部の安徽省を中心に東西およそ１５０キロに及ぶ山岳地帯で、屏風のように切り立った山塊が続いている。とりわけ中心部は、標高１０００ｍを超える７７の峰々が林立する中国屈指の景勝地。およそ１億年前に生まれた花崗岩地帯が２つのプレートがユーラシア大陸に衝突したことで急速に隆起したことが原因だという。奇岩地帯と雲海とが繰り広げる絶景とも出会う。