「だいすきなともだちのことばで なんでくるしいんだろう」

NHK
2023年3月16日 午後5:18 公開

監修: 東京大学 汐見稔幸(教育学・教育人間学・育児学) 和光小学校・和光幼稚園 北山ひと美(性教育)

【ねらい】
じぶんが大事にしているものを否定されて、こころが苦しくなったときはじぶんの気持ちを優先しよう。
・ともだちに否定されたとしても、じぶんが大事にしたいものや気持ちは優先していい。
・ともだちに、じぶんのおもいを伝えてみよう。

東京大学 汐見稔幸さんからのメッセージ

どん:みーってさ、いつもその帽子かぶってるよな。 みー:そうなの!すごくかわいいでしょ? どん:なんか変だね! みー:えっ!?

今回は、みーより少し年上のどんとのお話しでした。みーは、色んな遊びを教えてくれるどんのことが大好きですが、いつもかぶっているお気に入りの帽子を「変だね」と言われ傷ついてしまいました。
みーにとっての帽子のように、誰かとの思い出がつまっていたり、それがあると心が落ち着くなど、じぶんだけの大切なものがみなさんにもあるのではないでしょうか。

■じぶんが大事にしたいものは大事にしていい

みー:どんはどうしてわかってくれないんだろう…    もしかして、みーの帽子って本当はかわいくないのかな。 パパ:そんなことないよ。    パパはかわいいと思うし、みーもかわいいって思ってるんでしょ。 みー:うん。でもどんがかわいくないっていうから… パパ:まわりの人が何を言ったって、みーがかわいいって思ってるなら    それでいいんだよ。その気持ちがいちばん大事!

じぶんの大切なものを否定されると、傷ついたり自信をなくしたりすることがあるかもしれません。
また、大事に思っている人や年上の人に言われると、相手にあわせたほうがいいかな?従わないと嫌われるかな?と思うことはよくあるものです。しかし、周りにあわせてばかりだと「じぶんらしさ」が育たなくなってしまいますね。特にこどもの世界では、言う方は相手のことを深く考えずに言ったり、その魅力を知らずに言っていることが往々にしてあるものです。どんなに好きな相手からの言葉でも、じぶんの気持ちを優先していいと私は思います。もし、おともだちに大切にしているものを否定されたことでお子さんが落ち込んでいたら、みーのパパのように「じぶんの気持ちがいちばん大事だよ」と励ましてあげてください。

■気持ちを伝えることが大事

パパ:みーの気持ちを伝えないよりは、伝えたほうがいい。 みー:うん。 パパ:だって、みーはその帽子が好き。    そして、どんとはこれからも遊びたい。でしょ? みー:うんそうか!そうだね!パパ、ありがとう。    明日、どんに伝えてみるか。よーし。

番組の中では、パパが「みーがどれだけその帽子を大切に思っているか、どんに伝えてみたらどうかな?」とアドバイスするシーンがありました。じぶんの気持ちを正直に伝えてみると大抵の場合、相手は納得してくれるでしょう。もし理解してもらえなかったとしても、こどもが勇気を出して伝えたことをおとなは褒めてあげてください。じぶんの意見を持ち伝えることは、とても大変なことですが、価値観が多様化する時代にはじぶんらしさを育てることがとても大事になってくると思います。

■おとなは温かく見守って

どん:さぁてと、今日は何して遊ぼうか! みー:どんが考えた遊びがいいな! どん:じゃあ今日は、おばけさんがころんだ、やろうか! みーひーしー:やるー!!

未就学児は、どんなに仲良しでも何気ない会話で傷ついたり傷つけたりすることが日常茶飯事。コミュニケーションの練習をしているのですね。おとなが「大丈夫かな?」と心配しても、時やシチュエーションが変われば何事もなかったようにまた遊べることがほとんどです。度合いにもよりますが、おとなは解決の場にあまり介入しないで、しばらく様子を見たり、お家でこどもの気持ちを聞いてあげたりするのがいいと思います。こどもたちは遊びを通して人生で大事な学びを経験しているのですね。

『みんなアイラブみーソング』

アイラブみー まほうのことば あふれるきもちをしんじよう アイラブみー  ゆうきのじゅもん じぶんってとってもおもしろい アイアイアイ  アイラブみー わたしがうたおう アイアイアイ  アイラブみー みんなのうただよ アイアイアイ  アイラブみー アイラブみー