音で訪ねる ニッポン時空旅

「歌いだすのさ、舟唄を」～昭和の大ヒット「舟唄」。詞のイメージはどんな民謡なのか？熊本県の球磨川舟唄、瀬戸内海の舟漕唄など胸に染み入る舟唄ゆかりの地を訪ねます。 【名曲舟唄のルーツは？】アーティストのコムアイさんと、歌手・八代亜紀さんの歌で知られる「舟唄」がどのような民謡に影響されたのか、作詞家・阿久悠さんの足跡もたどりながら旅します。▽熊本県球磨郡球磨村「球磨川舟唄」昭和５４年録音。人吉から八代にかけての比較的流れが緩やかなところで唄われていた。▽兵庫県相生市「櫓（ろ）漕唄」昭和２９年録音。漁師たちが櫓をおして小舟をを操りながら歌った。

かつての日本は金銀に関しては世界有数の輸出国でした。機械化の前、かつて各地の鉱山の坑道で響いていた歌、そして金山の祝い唄などを紹介します。 【金（きん）を掘る～九州の鉱山唄を訪ねて】世界でも有数の金・銀産出国だったという昔の日本。九州地方にあった鉱山で歌われていた、という金堀り唄などの世界を、アーティストのコムアイさんと、旅します。▽鹿児島県霧島市横川町「金堀り唄」当地には佐渡と並ぶ山ケ野（やまがの）金山があり、薩摩藩の財政をささえていたという。１９６０年閉山。▽大分県中津市山国町「金山の鉱山唄」岩盤にダイナマイトをしかける作業の歌。

西日本に広く残る「おこない」は五穀豊穣を祈る行事です。「修二会」「修正会」が起源とされますが、重要な部分は「餅つき」です。滋賀県長浜市の「おこない」を訪ねます。 【男たちが輪になり大騒ぎし、たいまつをもちぐるぐる回る「おこない」とは？】アフリカ伝統弦楽器奏者のアニャンゴさんと、滋賀県琵琶湖の周辺に「おこない」を訪ねます。長浜市木之本町では、地区ごとに独自の「おこない」があります。トウヤ（頭屋、当家）という世話役が一年間精進潔斎し２月中旬の祭りを迎えます。祭り前日、地区の男たち全員で餅をつきます。そして肩を組み輪になり大騒ぎしたり松明をもちぐるぐる回ります。

甘いものの代表、砂糖。江戸時代、海外からの輸入品だった砂糖は国内で生産されるようになります。砂糖の産地を訪ね、冬に行われる「砂糖作り」の唄を聞きます。 【“砂糖づくり”の唄はやるせない？】奈良時代、唐から伝わった砂糖。輸入品だった砂糖が国内で作られるようになったのは、江戸時代中期です。作業は冬期に限られ、過酷なものでした。アフリカ伝統弦楽器ニャティティ奏者のアニャンゴさんと静岡県、香川県、広島県を訪ね、“砂糖づくり”の唄にこめられた悲しい想いを味わいます。▽静岡県清水市「砂糖くり唄」サトウキビを絞る作業の時の唄▽香川県さぬき市津田「砂糖締め唄」

日本各地で歌われ、演奏される民謡や伝統音楽はその多くが２拍子です。２拍子はどうして好まれるのでしょうか？その理由を探ります。（初回放送２０１８年９月１５日） 【「水田稲作農耕民のリズム」とは？】シリーズ「日本人とリズム」ゲストのシタール奏者、ヨシダダイキチさんと、田んぼから生まれたリズムを訪ねます。▽広島・北広島町「壬生（みぶ）の花田植」～サンバイさんと呼ばれる音頭とりの歌にあわせ、早乙女と呼ばれる女性たちが歌を返します。▽島根・奥出雲町「籾摺唄」～昭和２５年録音。粘土臼の籾（もみ）摺（す）り仕事で臼を回しながら歌っていました。

音楽には様々なリズムがありますが、日本人が好んできたリズムはどんなものでしょうか？沖縄を訪ね海で生きる人たちのリズムを探ります。（初回放送２０１８年９月８日） 【沖縄、奄美で探す「波乗り」のリズム】ゲストのシタール奏者、ヨシダダイキチさんと「波乗り」のリズムを体感します。▽沖縄・石垣島「盆アンガマ」▽沖縄・石垣島「ハーリー」▽鹿児島・奄美大島「六調」

古代より農業用水として重要だった「ため池」。堤の改修は少し前まで人力で行われました。冬の農閑期、村人総出で力を合わせる作業と仕事歌を中国地方の山間部に訪ねます。 【冬の農閑期の一大イベント、ため池の改修とは？】農業にかかせないため池ですが、池の堤が決壊しないように改修することは、村の存続にも関わる必須の作業でした。農閑期に村人総がかりで行われた改修作業をアフリカ伝統弦楽器ニャティティ奏者のアニャンゴさんと訪ねます。▽岡山市建部町「池普請だんじこ唄」ため池づくりの際にうたわれた歌。▽鳥取県大栄町（現北栄町亀谷）「地形（じぎょう）唄千本打ち」

竹や細い木を束ねた「ささら」。洗浄用の道具ですが、じゃっじゃっと独特な音をだす楽器でもありました。そんな「ささら」を旅します。（初回放送２０１８年１０月６日） 【かなり地味な「楽器」？ささらを訪ねて】昔から盆踊りや神事でも使われていたという「ささら」。今も使われている現場を訪ねます。▽東京・浅草「三社祭の大行列」～神事「びんささら」国の無形文化財に指定されています。▽静岡・葵区平野「十七ささら　男踊」～盆踊りで男踊りと女踊りに別れ、交互に踊られます。▽富山・南砺五箇山「こきりこ祭り」～娘たちが舞う白山宮への奉納の舞でささらが使われます。

夏の暑い盛りに着飾った少女たちが手をつなぎ街中を歌い踊り歩く「小町踊り」。室町時代から大正ごろまで行わていたこの行事を訪ねます。（初回放送２０１８年８月１８日） 【「少女たちの盆踊り」とは？】シタール奏者のヨシダダイキチさんと、小町踊りを訪ねて全国を旅します。小町踊りは７歳から１８歳ぐらいまでの娘さんたちが造花を鉢巻きにさし、たすきをかけ、輪になって踊っていたといいます。現在は様々な形でその遺風が残っています。▽京都・今宮神社「さのやの糸桜」１９５６年録音▽神奈川・足柄「足柄ささら踊り」▽大阪「おんごく」

菅江真澄の年末年始の旅、２回目は小正月。雪の中の「田植踊」「ほがほが」など今ものこる行事は当時どんな姿だったのか？春を目前にした北東北を旅します。 【小正月の行事に込めた思い、とは？】今回もゲストのしまおまほさんと、菅江真澄がのこした北東北の小正月の行事をめぐります。▽大館・十二所（じゅうにしょ）「かまくらやき」火で田んぼの厄をはらい、無病息災を祈る祭り。菅江真澄の日記をもとに近年復活しました。さらに大館で、菅江は「ほがほが」という行事をみています。豆の皮やそばの皮を酒粕などにまぜ「ほがほが」といいながら家の周囲にまくもの。▽八戸「ほがほが」