■外反母趾(がいはんぼし)とは

外反母趾は、足の親指の付け根が隣の指に向かって20度以上曲がった状態になる病気です。中高年の女性に多くみられますが、男性や子どもでも発症します。
■外反母趾の治療のチョイス

外反母趾の治療は、軽症なら手術以外の方法から始めます。
まず、幅広の靴から足にフィットする靴に替えます。足指の体操をすると、親指の付け根をストレッチしたり筋肉を鍛えることで、痛みを和らげたり変形を数度矯正したりできます。「足底挿板」とは医療用の中敷きのことで、外反母趾で失われた足裏のアーチの代わりに足裏を支え、足の負担を減らして痛みを軽減します。「トースプレッダー」は、夜間寝ているときに装着し、親指の付け根を伸ばして痛みを和らげます。痛みの原因となっている炎症を抑えるために「消炎鎮痛薬」を使うこともあります。
こうした治療を行っても痛みが改善せず、生活に支障がでる場合には手術が検討されます。
■痛みを軽減する「正しい靴」の選び方

足の変形が軽度〜中等度(親指の変形が40度以下)であれば、正しい靴を選ぶことで、痛みが軽減します。外反母趾になると、親指が靴にあたらないように幅の広い靴を選びがちですが、「足にぴったりとフィットした靴」が良いとされています。
正しい靴選びのポイントは、全部で4つあります。
① 足を浮かせて靴を選ぶ 足を地面に着けた状態ではなく、浮いた状態の足幅にフィットする靴を選ぶと足がずれにくくなります。
② つま先に余裕のある靴 実際の足の長さよりも0.5〜1センチ長い靴を選びます。指先に余裕がない靴では、靴の中で親指が曲がった状態になってしまいます。
③かかとがしっかりした靴 かかとが柔らかいと、重心が内側へ倒れたまま歩くことになり、痛みを引き起こします。
④ひも靴 よりフィットさせるため、足の甲の締め付け具合を調整できるひも靴がおすすめです。
■外反母趾の手術「デルモ手術」

切開が2センチ程度と小さく、体への負担が少ないのがデルモ手術の特徴です。外反母趾の手術は通常、片足ずつ行いますが、デルモ手術は、一度に両足することも可能です。ただし、2~3か月間の休みが確保できる、変形が親指と隣の指だけ、転ぶリスクが少ない、などの条件を満たしていることが必要です。
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