■脳出血の症状

脳出血は、脳の細い血管が破れて脳の中に出血が広がる病気です。
たまった血液が脳を圧迫すると、突然、「激しい頭痛」「吐き気・おう吐」などが初期症状として現れます。出血の場所や量によっては、「意識障害」「めまい」「片側の手足のまひ・しびれ」「ろれつがまわらない」などの症状もみられます。
■脳出血は脳のどこで起きる?

脳の中で脳出血の発症率が最も高い場所は、体の運動機能や記憶などの役割を持っている「被殻」で、全体の35~40%を占めます。続いて多いのが、視覚、聴覚、味覚、触覚などの感覚の役割を持っている「視床」。全体の30%を占めます。
被殻や視床で出血しやすいのは、通っている血管が1mm以下と細く、高血圧の影響を受けやすくて破れやすいからです。
■脳出血の後遺症

脳出血になると、命が助かっても7割以上に後遺症が残るといわれています。
最も問題になるのが、体を思うように動かせなくなる「運動障害」です。左右どちらか片側の手足が動かしにくくなります。「感覚障害」もよく現れる症状です。片側の手足がしびれたり、ものに触っても感覚がなかったりします。尿漏れや頻尿が起こる「排尿障害」、言葉が話しづらくなる「言語障害」、食べ物がうまくのみ込めなくなる「嚥下障害」、怒りやすくなったり、感情の起伏が激しくなる「感情障害」、忘れっぽくなる、1つの作業に集中できない、計画を立てて実行できない「高次脳機能障害」なども残ることがあります。
■ピルが原因で脳出血に!?

経口避妊薬(ピル)が脳出血の原因になることもあります。経口避妊薬(ピル)は、避妊だけではなく、月経周期の安定や月経過多・生理痛の軽減に使用される大変有用な薬ですが、含まれる女性ホルモン「エストロゲン」には、血栓を作りやすくなるという副作用があります。
脳を巡った血液が脳から出ていくときに集まるのが「脳静脈洞」です。脳静脈洞血栓症は、その脳静脈洞に血栓ができる病気です。血栓によって血管が詰まってしまうと、脳から出ていくことができない血液がどんどんたまり、脳が圧迫されます。その状態が続くと血管が破裂して脳出血が起きます。
「脳出血」についてさらに詳しく!NHK健康チャンネル