■片頭痛の発作がおきるまで
拍動に合わせてズキンズキンと頭が痛む片頭痛。ひどくなると吐き気がしたり、体を動かすと痛みが悪化したりするため、寝込んだりして日常生活に支障が出る人もいます。
「誘因」→「予兆」→「前兆」という経過をたどった後に痛みが現れるのが特徴です。
■片頭痛の誘因とは
片頭痛を起こす引き金となるものを「誘因」と呼びます。身体の状態や周りの環境など、何が誘因になるかは人によって様々です。誘因の中には、避けられるものもあります。
■片頭痛の予兆とは
片頭痛の患者の多くは、頭痛の発作を起こす数時間から数日前に、首や肩が凝る、生あくびが出るなどの予兆を経験します。
さらに、予兆の後、痛みの発作直前に「閃輝暗点」(せんきあんてん)という、視野の中にギザギザした光の波が現れその場所がはっきり見えなくなる等、「前兆」がおきる人もいます。
■片頭痛の治療
片頭痛は、軽症ならば市販の頭痛薬で痛みを和らげることが可能です。
市販薬では痛みが治まらない場合は、片頭痛専用の薬「トリプタン」を使います。「トリプタン」は、のむタイミングが重要な薬です。痛みを感じてからすぐにのむと、最も効果を発揮します。「トリプタン」には、痛みで吐き気があっても水なしでのめるタイプの薬や、鼻から入れる「点鼻薬」、さらに「皮下注射」などのチョイスもあります。ただし、血管に作用する薬なので、脳梗塞や心筋梗塞、重症の高血圧や肝臓病のある人には使えません。
片頭痛が、月に2回以上または月に4日以上あり、日常生活に支障がある場合は、「予防薬」を検討します。予防薬には、カルシウム拮抗薬やβ遮断薬・抗てんかん薬・抗うつ薬があります。どれも2〜3か月間、のみ続けて効果を確認します。のみ続けて片頭痛の回数が減ってきたら、徐々に薬の量を減らしていき、最終的に薬をやめられる人もいます。
最近、予防薬として、注射タイプ(一般名:ガルカネズマブ)も登場しました。片頭痛を引き起こす原因のひとつ「CGRP」という神経伝達物質の活動を妨げる薬です。のむタイプの予防薬で効果が得られなかった人や、他の病気のために予防薬が使えない人でも使うことができます。
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