帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは

帯状疱疹は、発疹が帯状に広がり、チクチクした痛みを伴うのが特徴です。 原因は、水ぼうそうウイルス。加齢や疲労・ストレス、病気などが引き金となって免疫力が低下することにより、神経節に長年潜んでいた水ぼうそうウイルスが再活性化し、引き起こされる病気です。 日本人の3人に1人が罹るといわれている身近な病気で、50歳以上の患者が全体の約7割を占めています。
帯状疱疹 痛みの種類

帯状疱疹には、2種類の痛みがあります。 ひとつは、ウイルスが引き起こす神経の炎症によるピリピリとした痛みで、初期に訪れます。もうひとつが「神経障害性疼痛」です。ウイルスによる炎症がひどいと神経が壊されてしまうことがあります。すると、炎症が治まった後でも激痛が残るのです。この痛みは治りにくく、人によっては一生抱える場合もあります。
抗ウイルス薬の種類

帯状疱疹の治療の基本は薬物療法です。ウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス薬」と痛みを抑える「鎮痛薬」をのみ、皮膚の炎症を抑える「抗炎症外用薬」を塗って治療をします。発疹が出たら出来るだけ早く(3日以内)治療を開始することが重要です。従来の抗ウイルス薬(バラシクロビル塩酸塩・ファムシクロビル)は、腎臓に副作用があるため、腎機能が低下している人は量を調節する必要がありました。新しい抗ウイルス薬アメナメビルは腎臓に副作用がないため、腎機能に不安を抱える高齢者でも安心してのめるようになりました。
帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹は、ワクチンで予防することができます。 帯状疱疹ワクチン接種ができるのは50歳以上の人で、自費診療になります。 従来のワクチンは、毒性を弱められたウイルスを体内に注射して免疫を高める『生ワクチン』と呼ばれるタイプのものです。それに対して2020年に登場した新たなワクチンは、ウイルスを無毒化した『不活化ワクチン』です。新しいタイプの『不活化ワクチン』は、予防効果が90%以上と高く、免疫抑制状態の人にも打つことができますが、費用も高くなります。