■子宮筋腫とは
子宮筋腫は、子宮の筋肉の一部が増殖してできる「こぶ」で、女性ホルモン「エストロゲン」の影響で大きくなります。できる場所や大きさによっては、月経量が多くなったり、月経痛がひどくなったり、頻尿などの症状が出ることがあります。30歳以上の女性の4人に1人がかかっているといわれています。
■子宮筋腫 治療のチョイス
子宮筋腫の治療には、おもに4つのチョイスがあります。
偽閉経療法:注射などによって閉経状態を作り出すことで、エストロゲンの分泌を止め、筋腫を小さくします。閉経が近い場合や、妊娠の希望がない場合のチョイスです。
低用量ピル:妊娠状態を作り出してエストロゲンの分泌を抑え、筋腫を小さくする治療法です。ピルをのんでいる間は妊娠できないため、今すぐには妊娠を希望しない場合のチョイスです。
子宮内黄体ホルモン放出システム:子宮の中に小さな器具を入れる治療です。器具からは子宮内膜を厚くしないようにするホルモンが5年間放出され、月経量を抑えることができます。すぐには妊娠を希望しない場合のチョイスです。
手術:完治するには子宮ごと摘出する手術を行いますが、妊娠を希望する場合には、子宮を残して筋腫だけを取り除く手術もあります。お腹を開かず、3~4箇所穴をあけて行う「腹腔鏡手術」で行うことが多いです。
■子宮腺筋症とは
子宮腺筋症は、子宮の内側の表面にあるはずの内膜の組織が、子宮の筋肉の壁の中に入り込んでしまう病気です。
子宮内膜は、排卵前、卵巣から分泌される女性ホルモン「エストロゲン」によって厚くなり、妊娠しなければ体外に排出されます。これが「月経」です。しかし子宮腺筋症の場合、子宮内膜は壁に遮られ、排出されません。そのため、子宮の収縮が余計に大きくなり、ひどい月経痛を引き起こします。
■多嚢胞性卵巣症候群とは
卵子は通常、卵胞に包まれて一つずつ成長し、卵胞が20mmほどまで育ったところで卵巣から排卵されます。多嚢胞性卵巣症候群では、複数の卵子が同時に成長しようとするため、育ちきっていない卵胞が卵巣内に溜まり、排卵しづらくなります。その結果、排卵が規則的に起きず、月経周期は乱れます。
治療は、妊娠を希望する場合には排卵誘発剤、月経周期を安定させたい場合には低用量ピルを使います。
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