脳梗塞とは

脳梗塞は、血の塊「血栓」が血管に詰まったり、血管が細くなったりすることで、脳の血流が妨げられ、脳に酸素などがいきわたらなくなり、障害が出る病気です。
脳梗塞が疑われる症状

体の片側が動かせない 力が入らない… 顔の半分だけだらっとして左右の動きが異なったり、歩こうとしても体が傾いたりします。
話せない…ろれつが回らない、考えはあるが言葉が出ない
視野が欠ける…脳梗塞が原因の場合は、両目とも同じように視野全体が見えなくなります。
脳梗塞の治療

【t-PA静注療法】注射や点滴で、血栓を溶かす薬を入れます。血栓が溶ければ、このt-PAだけで治療を終えることもありますが、それは主に血栓が小さい時で、約3割程度と確率は高くありません。そのため、t-PAと血栓回収療法と併用するケースが多くなります。
【血栓回収療法】カテーテルと呼ばれる細い管を脚の付け根の動脈から入れ、脳の血管まで送り込み、血栓を直接除去します。
これらの治療にはリスクがあります。血流が再開したとき、急に流れ出した血液によって血管がやぶれてしまうことがあるのです。そのため、行うかどうかは、脳梗塞が起きてからの経過時間などをもとに検討されます。
TIAと分かったら

「一過性脳虚血発作(TIA)」とは、本格的な脳梗塞を起こす前兆と言われ、いつ本格的な脳梗塞を起こしてもおかしくない危険な状態です。血管が血栓によって詰まったり細くなったりすると、血流が妨げられて脳に酸素がいきわたらなくなり、症状があらわれます。しかし、血栓が自然に溶けたり、血流が再開したりすることがあります。すると、症状が消えるのです。症状が消えるまでの時間は、多くの場合、5分から1時間ほどです。TIAを起こした2割の人が90日以内に本格的な脳梗塞を起こしています。TIAとわかったら、まず検査でその原因を調べます。原因が動脈硬化の場合は、治療は主に抗血小板薬を使います。再発を防ぐための手術や血管拡張術を行うこともあります。原因が不整脈の一種「心房細動」の場合は主に抗凝固薬を使用します。心臓の状態により、カテーテルアブレーションという治療を行ったり、ペースメーカーを入れる場合もあります。
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