◆白内障とは?

白内障は、目の水晶体が白くにごり、物が見えにくくなる病気です。
主な原因は加齢。年齢とともに徐々に進行し、早い人では50代から初期症状が始まり、80歳以上になると70%以上の人がかかっていると言われています。
症状は「ピントが合わない」「白くかすんで見える」「まぶしく見える」「暗く見える」など。
◆治療は?
白内障の治療は、目薬もありますが、根本的に治すには手術が必要です。手術では、にごった水晶体を超音波で砕いて取り除き、人工のレンズを入れます。
◆人工レンズの種類

人工のレンズは主に2種類。「単焦点レンズ」と「多焦点レンズ」です。
【単焦点レンズ】
「近く」「中間」「遠く」のどこか1か所にピントが合うレンズで、一般的に使われているものです。手術の前に、自分の生活にあうレンズを選ぶ必要があります。例えば本を読むなど手元の作業が多い人は「近く」にピントが合うレンズ、車の運転などで遠くを見ることが多い人は「遠く」にピントが合うレンズを選びます。選んだ場所以外を見るときはメガネなどで調整します。
【多焦点レンズ】
「近く」「中間」「遠く」の複数の場所にピントが合うレンズです。手術後は、視力が回復したり老眼が改善するなどして、メガネやコンタクトレンズが必要なくなる人もいます。
ただし多焦点レンズには、単焦点レンズと比べて高額、見えにくくなる場合がある、さらに白内障以外の病気がある場合は使えないなどのデメリットがあります。そのため、多焦点レンズにするかどうかは、医師とよく相談して決める必要があります。
◆後発白内障とは?

白内障の手術を受けた後に、水晶体が入っていた膜の後ろの部分が白くにごるのが後発白内障です。白内障の手術後5年間で2~3割の人に発症するともいわれています。後発白内障の治療は、YAG(ヤグ)レーザーと呼ばれる特殊なレーザーを使って、にごった膜を取り除きます。
◆白内障と緑内障の同時手術

最近、白内障と緑内障を同時に治す手術が行われるようになりました。白内障の手術と同時に、緑内障を治療するための器具を入れます。器具は、目の中の液体を外に出し、眼圧を下げる働きをします。患者の負担が少ない治療として注目されています。