脂肪肝とは

肝臓には、食事でとった糖や脂質を中性脂肪に変えて蓄える働きと、それを体で使うためのエネルギーに変える働きがあります。しかし、食べ過ぎや運動不足のために、入ってくる糖や脂質が使うエネルギーを上回ると、消費しきれなかった中性脂肪が肝臓に蓄積されます。この状態が脂肪肝です。健康な肝臓はピンク色で滑らかなのに対して、脂肪肝は黄色く膨れ上がっているように見えますが、自覚症状はほとんどありません。
脂肪肝の主な原因

【アルコール性】お酒を飲むと、アルコールを分解するときに中性脂肪が作られます。そのため過剰な飲酒はアルコール性脂肪肝の原因になります。
【非アルコール性】(飲酒が原因でないタイプの脂肪肝)
<肥満>過剰なエネルギー摂取によって肥満になった人は、多くが脂肪肝にもなっています。肥満になるとエネルギー消費の効率も下がるため、中性脂肪がつきやすくなるという悪循環も起こります。<極端なダイエット>ダイエットをすると肝臓が飢餓状態になり、中性脂肪を必要以上にため込みます。<食べ方>不規則な時間に食べたり、間食をしたり、就寝前に食べたりすると、エネルギーがきちんと消費されず、中性脂肪がつきやすくなってしまいます。
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)

お酒を飲まないタイプの非アルコール性脂肪肝を放置すると、肝細胞の中に溜まった中性脂肪が膨らんで周囲の細胞を傷つけ、炎症が起きることがあります。この状態を「非アルコール性脂肪肝炎(NASH・ナッシュ)」と呼びます。非アルコール性脂肪肝の5人に1人がこの非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に移行していると考えられています。炎症によって肝細胞が死ぬと、コラーゲンのようなかたい成分にかわり蓄積していきます。これが「肝硬変」です。NASHに移行した人の1〜2割が10年後に肝硬変を起こすと言われています。さらに、肝硬変から肝がんを発症することもあります。
「FIB-4インデックス」とは

肝臓が硬くなっていないか、傾向を捉えることができる計算式です。健康診断などの血液検査のAST・ALT・血小板数・年齢の4項目をあてはめて計算します。ただし、この結果だけで診断されることはありません。※血液検査の結果と計算式では単位が違うことがあります。
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