■脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)とは
脊柱管狭窄症は、背骨の中を通る神経のトンネル「脊柱管」が、何らかの原因で狭くなり神経が圧迫されて起こります。
脊柱管が狭くなる原因は大きく分けて3つあります。①椎間板が潰れてはみ出す ②椎間関節(背骨の関節)が変形する ③背骨を支える靭帯が肥大する
多くの場合、これらの原因が重複しています。
■脊柱管狭窄症の症状
症状は狭窄の程度によって違いますが、「しびれ」「痛み」「脱力感」などがあり、特に特徴的な症状として「間欠跛行(はこう)」があります。間欠跛行(はこう)とは、少し歩くと痛みとしびれの症状が悪化して、短い休みを細かくはさまないと歩けなくなる症状です。
■脊柱管狭窄症の手術
脊柱管狭窄症の手術には2種類あります。基本は「除圧術」で、狭窄の原因となっている変形した椎間板、骨、靭帯を切除し、圧迫を取り除きます。もう一つは「固定術」で、「すべり症」など、背骨がずれやすく不安定な場合などに行います。ずれないよう背骨をボルトで固定、「除圧術」も同時に行われます。
手術が必要なサインとして、①足の筋力がどんどん低下する ②ドロップフット(足首に力が入らずに垂れてしまう)③排尿・排便障害 があります。これらの症状が出たら重症化している可能性が高いので、すぐの受診を勧めます。
■”ニセ脊柱管狭窄症”とは?
足に痺れや痛みが出るなど、脊柱管狭窄症に似た症状の病気は他にもあり、間違えられやすいため注意が必要です。例えば、①筋肉の硬直や筋膜の癒着 ②仙腸関節性腰痛(骨盤の仙腸関節が原因)③末梢動脈疾患(太ももなどに起こる動脈硬化などが原因)などです。
脊柱管狭窄症の予防・治療に役立つエクササイズはこちら▶
「NHK健康チャンネル」で脊柱管狭窄症についてさらに詳しく▶