■過活動ぼうこうとは?

正常な場合は、尿がぼうこうに溜まるとぼうこうから脳に信号が送られ、脳が尿意を感じ、排尿の指令を出します。その結果、ぼうこうの筋肉が収縮して尿道の筋肉が緩み、尿が排泄されます。
ところが、尿が十分に溜まっていないのに、突然我慢できないほどの強い尿意を感じ、ぼうこうが勝手に収縮してしまうことがあります。これが「過活動ぼうこう」です。
原因は、脳梗塞の後遺症や脊柱管狭窄症以外に、加齢、骨盤底筋(尿道を締める尿道括約筋など)の緩みが考えられ、特に女性は妊娠・出産で骨盤底筋にダメージを受けるためなりやすく、40代以降に徐々に増えます。
■腹圧性尿失禁とは?

腹圧性尿失禁とは、せきやくしゃみをする、走る、高いところのものを取る、重いものを持ち上げるなど、腹圧がかったときに尿がもれる病気です。
ぼうこうや子宮などの内臓を支え尿道を締める「骨盤底筋」が、妊娠・出産や加齢で緩むことが原因で起きます。
■腹圧性尿失禁の治療

腹圧性尿失禁の治療は、軽症ならば、骨盤底筋トレーニングを行います。最近太って尿もれがひどくなった場合は、減量によって軽減することもあります。
重症の場合は手術になります。手術は、グラグラになった尿道をメッシュテープで支えるというものです。
■骨盤臓器脱が原因で 過活動ぼうこうに

骨盤臓器脱は、膣からぼうこうや子宮などが飛び出してしまう病気です。原因は、妊娠・出産などによる骨盤底筋のゆるみ。それによって、出てきたぼうこうや子宮が尿道を圧迫して尿が出づらい状態を作り、過活動ぼうこうを引き起こすと考えられています。
治療には、骨盤底筋トレーニング、リング状の器具を膣内にいれて臓器が下がるのを抑える「ペッサリー療法」、手術があります。
骨盤臓器脱が原因となって起きている過活動ぼうこうや切迫性尿失禁は、手術によって半数以上が改善しますが、「腹圧性尿失禁」がかえって悪化することがあります。もともと腹圧性尿失禁があったのに、骨盤臓器脱で下がったぼうこうや子宮が尿道を圧迫して尿がもれにくくなっていた人が、骨盤臓器脱の手術を受けてぼうこうや子宮が正しい位置に戻ると、かえって尿がもれるようになることがあるのです。
▼骨盤底筋体操のやり方を詳しく! →NHK健康チャンネル