
■摂食障害とは
摂食障害は、食欲をコントロールできなくなる病気です。食欲は脳の視床下部にある摂食中枢がコントロールしています。過度なストレスが加わることが食欲のコントロールの乱れや摂食障害の原因の一つになると考えられています。原因となるストレスは、学校、職場、家庭など、どこにでもあり得るため、誰でも発症する可能性があります。摂食障害を発症すると拒食症(極端な食事制限)や過食症(過度な量の食物の摂取)を繰り返し、精神的にも不安定になっていきます。
また、摂食障害では極端なダイエット(拒食症)が自分の意思では止められなくなる場合があります。
体外からの栄養が途絶えると、体内に様々な障害が起こることがあります。例えば、女性ホルモンのバランスが崩れることから、月経不順や無月経に。エストロゲン(女性ホルモン)の不足から骨粗しょう症を引き起こし。幼い頃に摂食障害を発症するとカルシウムなどの栄養が不足し低身長に。重い場合は肝機能障害なども招くこともあります。

■摂食障害の治療
摂食障害の治療では、原因となるストレスを見つけそのストレスを解消することが、治癒につながると考えられています。よく知られているのが以下の治療法です。
「支持的精神療法」では、患者さんの気持ちに共感して、ストレスの原因などを一緒に考えていきます。「認知行動療法」は、体重へのこだわりなど、考え方の癖に気づくように促し、改善するように医師が導いていくというもの。「集団精神療法」は、複数の患者が集まり、それぞれの体験を聞き、自らの治療に役立てます。

■摂食障害・対策アプリ
精神療法と共に、治療の一環として行われることがあるのが、食事日誌です。患者さんは1日3食の食事を日誌形式で記録し、自分の食生活を客観的に見つめるとともに、担当医は、栄養状態を把握します。
しかし、食事の内容を正確に記述するのは、従来、簡単ではありませんでした。そこで、開発されたのが摂食障害対策アプリです。摂取した食事を写真に撮って担当医に送るだけの簡便さ。さらに、過食や嘔吐のあるなしなど症状についても書き込めるようになっています。開発したのは、大阪市立大学医学部付属病院神経精神科の山内常生医師。現在、普及がすすめられています。
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