■梅毒の症状とは?
梅毒は「梅毒トレポネーマ」という細菌に感染することでおこる性感染症です。
梅毒に感染しても、すぐに症状は現れません。感染後10~90日経つと、感染した部分(性器や口など)にシコリや潰瘍が現れます。しかしこうした症状は、治療をしなくても数週間で消えてしまいます。治療をしないと、感染から3か月が経つ頃には、手や足など全身に痛みもかゆみもない赤い発疹が現れます。この症状も、治療をしなくても数週間で消えます。
ところが、感染から5年が経過する頃には、「ゴム腫」と呼ばれるゴムのような柔らかいできものができたり、10年ほど経つと血管や神経が侵され、深刻な症状が現れます。
■梅毒の検査
梅毒に感染しているかどうかは、血液検査で調べます。「TP抗原法」は、かかった経験があるかどうかがわかる検査です。現在はかかっていなくても、また過去に感染して治療が終わっていても、陽性と出ます。「RPR法」は、梅毒の活動性を調べる検査です。治療による変化がわかるため、進行の度合いや治療効果の判定に有効です。しかし、梅毒以外の病気でも陽性と出ることがあるため、この2つの検査を組み合わせて診断します。
■性器クラミジアの症状
性器クラミジアは「クラミジアトラコマチス」による感染症です。感染すると、その部分に炎症が起こり、男性の場合は感染後1〜3週間後に尿道炎のような症状や排尿時の痛みが感じます。女性の場合には、おりものが増えたり感染部にかゆみを感じます。しかし、男性の場合半数以上、女性の場合8割の人は無症状です。
治療しないと、男性は尿道炎や精巣上体炎に、女性は子宮頸管炎などの婦人科系の病気になりやすくなるだけでなく、不妊症や流産、早産のリスクが高くなります。
■HIV感染後の経過
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染すると、2〜3週間後に発熱や頭痛などの症状が現れますが、2週間程度で自然に症状は消えます。その後、数か月から10年以上、症状は現れません。しかしウイルスは増え続けるため、徐々に免疫力が落ち、健康ならばかからないような病気を発症します。国が指定する23の病気のいずれかを発症すると「エイズ」と診断されます。HIVに感染してからエイズを発症するまで、平均で10年と言われています。
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