ロシアによる軍事侵攻が続く中、ウクライナの人たちはこの戦争をどう終結させたいと考えているのでしょうか。
首都キーウにある調査機関が国民2000人を対象に先月、電話調査を実施。
「早く戦争を終わらせるため一部の領土の放棄はやむを得ない」か「戦争が長引いても、領土は放棄すべきでない」か、質問しました。
その結果が発表され、前回5月の時に比べると若干増え84%の人が「戦争が長引いても領土は放棄すべきでない」と答えたというのです。
これを地域別で見ると注目すべき結果が出たのが、激しい戦闘が続く東部です。
ロシア系の住民も多いとされ、5月の時は他の地域と比べると「領土は放棄すべきでない」と答えた人の割合は68%と最も低かったのですが、先月の調査の際には大きく増えているのです。
これを発表した調査機関は「疲労感の増加、経済の悪化、激しい戦闘にもかかわらず、ウクライナの人たちはロシアに譲歩しないことで団結している」と分析しています。
ウクライナは今月24日で軍事侵攻から半年となります。
この24日は、ウクライナの独立記念日でもあるのです。
このためゼレンスキー大統領としては、この日に向けてできるだけ多くの領土を奪還し、国民の士気を高めるとともにロシアが9月にも予定しているとされる占領地での住民投票とロシアへの編入を阻止したいと見られています。
ロシアが軍事侵攻を続ける中で独立を守れるかどうかの岐路に立たされた、建国以来、最も重大な日となりそうです。
油井秀樹(「国際報道2022」キャスター)
前ワシントン支局長。北京・イスラマバードなどに14年駐在しイラク戦争では米軍の従軍記者として戦地を取材した経験も。各国の思惑や背景にも精通。
(この動画は2分27秒あります)