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毎週月曜日に各国で取材にあたる特派員がピックアップ。 マーケットが注目する今週の世界の重要イベントを深読みするコーナーです
【アメリカ】NYホテル開業ラッシュ 稼働率も90%まで上昇
ニューヨークでは来月リッツカールトンホテル、8月にはアマンホテルが開業を予定するなど、夏の観光シーズンにあわせてホテルの開業が相次いでいます。
市の観光局によりますと、今後3年間で新たに増える客室の数は1万2000に及ぶといいます。
来月開業予定なのは、50階建てで高さ150メートル、客室250のホテル。
売りは豪華な部屋とマンハッタンを見下ろす眺望で、富裕層がターゲットです。
宿泊料は最も安い部屋で1泊795ドル、日本円で10万円を超えます。
最も高いスイートルームは広さが195平方メートルあり、日本円で1泊約310万円です。
市の観光局の統計では、去年ニューヨークを訪れた国外からの観光客は270万人にとどまり、新型コロナ感染拡大の前の2019年は1350万人と比べると5分の1まで減っていました。
しかしことしは観光客が増え、コロナ禍前の5分の3にあたる830万人まで回復すると見込まれています。
ニューヨーク市内のホテルの稼働率も最近は平均で約90%まで上昇しているということで、さらなる回復への期待と勝算が開業ラッシュに現れているのだと考えられます。
【欧州】OPECプラス会合 今後の石油価格は
30日にOPEC=石油輸出国機構とロシアなどで作る「OPECプラス」の会合が開かれます。
前回の会合では7・8月分について増産ペースを従来の計画より拡大することで合意しました。
アメリカなどの強い要請に応じたものとみられますが、ロシアの生産が制裁を受けて落ち込む中、原油価格は高止まりが続いています。
今後大幅に増産するとしてもリビアやナイジェリアなど一部の産油国で余剰生産能力が落ちているとも指摘され、対応できるのはサウジアラビアなどに限られるといわれています。
来月にはそのサウジアラビアをアメリカのバイデン大統領が訪問する予定で、増産を引き出せるかが今後の石油価格を左右しそうです。
【アジア】G20議長国インドネシア ジョコ大統領 ウクライナとロシア訪問へ
11月にバリ島で開かれるG20サミットの最大のテーマはウクライナ情勢への対応になるとみられています。
ロシアの参加の是非について各国の意見が食い違う中、ジョコ大統領はゼレンスキー大統領、プーチン大統領のそれぞれと会談し、サミットへの両国の参加をめぐり意見を交わすとみられます。
4月に開かれた財務相・中央銀行総裁会議では共同声明を出すことができず、アメリカなどはロシアが発言した際に退席するなど対立を印象づけました。
来月8日に開かれる外相会議で参加国が何かしらの一致を見いだせるか、G20の真価が問われます。
【中国】国家財政に影響 ゼロコロナ政策
PCR検査の「常態化」が国家財政の負担になっています。
北京では出勤してオフィスに入るだけでも72時間以内の陰性証明が必要。
さらに感染が確認されると数百万人を対象に6日連続で検査が行われたケースもあります。
今年4月までですでに3兆円近くかかったという試算もあり、政府は最も簡易な検査の場合は1回あたり70円までコストを抑えるようにと通知しています。
景気減速による税収の伸び悩みに加え、景気対策として行っている税の還付が要因で1月から先月までの一般会計の財政収入は-10.1%に減少しており、今後の財政運営が焦点となっているのです。
(この動画は5分34秒あります)