先週、国連の人権理事会でロシア軍による戦争犯罪の有無を調査する決議が賛成多数で採択されましたが、中国政府は反対票を投じていて、ロシア寄りの立場に変化は見られていません。
さらに中国政府は国内でもロシアに配慮する形で情報統制を強化しているようです。
中国の元外交官が「ロシアの軍事侵攻は失敗で敗北は時間の問題」と語ったとされる発言が、インターネット上に掲載されたものの削除されたと報じられています。
欧米は中国のロシア寄りの立場に懸念を示しており、アメリカ国防省は今月「ウクライナに関するロシア政府の声を拡大する中国政府の取り組み」と題した発表文で、中国政府と中国メディアがSNSなどでロシアの主張を世界的に広めているなどと批判しています。 ただアメリカが懸念していた中国政府がロシアを軍事的、経済的に支援するという動きは確認されていないようで、国際社会の働きかけも重要になっていると思います。
油井秀樹(「国際報道2022」キャスター)
前ワシントン支局長。北京・イスラマバードなどに14年駐在しイラク戦争では米軍の従軍記者として戦地を取材した経験も。各国の思惑や背景にも精通。
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