ロシアのラブロフ外相は「安全保障や経済、社会の重要分野を発展させるには、いかなる形でも西側諸国への依存をやめなければならない」と語り、脱欧米の方針を鮮明にしました。
その上で「ロシアは西側製品の置き換えに取り組んでいて、将来的には西側諸国と関係が薄い"信頼できる国”だけに頼ることになる」とも発言し、ロシアとして欧米に依存しない経済安全保障を目指す立場を明らかにしたのです。
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さらにラブロフ外相が「ロシア政府の目標は中国との関係強化で中国は西側に劣らない情報通信技術を持っている」と述べると、中国外務省もラブロフ外相の態度表明に感謝するとしたうえで、「中国とロシアは世界の多極化と国際関係の民主化を引き続き推進していく」と述べたのです。
中国とロシアは、ロシアの軍事侵攻後としては初とみられる両国の爆撃機による共同飛行を日本周辺で行うなど連携を進める姿勢がうかがえます。ロシアが中国依存への傾斜する流れは強まっており、新冷戦とも言われる分断の構図が一段と浮き彫りになっています。
油井秀樹(「国際報道2022」キャスター)
前ワシントン支局長。北京・イスラマバードなどに14年駐在しイラク戦争では米軍の従軍記者として戦地を取材した経験も。各国の思惑や背景にも精通。
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